動物実験を行って申請をしたことのある企業一覧(化粧品編)

動物実験を行って申請してきた企業一覧

以下は、2001年の薬事法(現在の薬機法)改正以降に化粧品基準の改正が行われた成分の一覧です。すなわち、化粧品メーカーや原材料メーカーが、製品に使えるよう動物実験のデータを添付し、化粧品基準別表改正を求める申請を行った成分です。徐々に数が減っていることがわかります。

●動物使用数の詳細などについては、各成分名をクリックして詳細ページをご覧ください。

<td”>トリスビフェニルトリアジン<td”>岩瀬コスファ<td”>平成27年11月9日
(2015)

成分名(商品名・一般名称)申請企業基準改正通知使用動物数
ドロメトリゾールトリシロキサン
(メギゾリル XL)
日本ロレアル株式会社平成14年12月25日
(2004)
不明
メチルイソチアゾリノン
(ネオロン950)
ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社平成16年11月4日
(2004)
3682匹
2―[4―(ジエチルアミノ)―2―ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル
(ユビナールAプラス)
岩瀬コスファ平成17年10月18日
(2005)
1204匹
銀―銅ゼオライト カネボウ平成17年10月18日
(2005)
264匹(推定)以上
ジメチコジエチルベンザルマロネート
(パルソールSLX)
ロシュ・ビタミン・ジャパン株式会社(現:DSMニュートリション ジャパン)平成17年10月18日
(2005)
1421匹
ポリアミノプロピルビグアナイド 日光ケミカルズ株式会社平成17年10月18日
(2005)
934匹以上
ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル
(IPBC)
ロンザ平成18年5月24日
(2008)
4099匹
2,4―ビス―[{4―(2―エチルヘキシルオキシ)―2―ヒドロキシ}―フェニル]―6―(4―メトキシフェニル)―1,3,5―トリアジン株式会社資生堂平成19年5月24 日
(2007)
不明
チオクト酸株式会社ファンケル平成19年5月24 日
(2007)
不明
ピロクトンオラミン
クラリアントジャパン株式会社平成21年3 月31日
(2009)
不明
タイソウエキス
株式会社資生堂平成22年2月26日
(2010)
不明
4―メトキシケイ皮酸 2―メチルフェニルリードケミカル株式会社平成31/令和元年3月20日
(2019)

これらの企業のうち、原料メーカーのみを対象に、動物実験を現在も行っているかどうか聞いてみました。結果はこちらに掲載しています。
cosmematlist

上記表に関する注意事項

時期により情報開示度が違っているため、すべての成分で使用数を出すことはできませんでした。

また、申請前に医薬品成分として使われていたものや、海外で化粧品等に使われていた成分もあり、すべての動物実験が新たに上記の申請のために行われたものかどうかは不明です。

一方で、手技ミスによる死亡が少なからずあり、試験結果に影響を与えている可能性があるのではないかと指摘を受けたために、再試験が行われている事例などもありました。(資生堂が申請した2,4―ビス―[{4―(2―エチルヘキシルオキシ)―2―ヒドロキシ}―フェニル]―6―(4―メトキシフェニル)―1,3,5―トリアジン)

申請資料で動物実験が行われていることがわかるのは安全性試験のみで、効能・効果を立証するための動物実験のデータは、少なくとも公開された部分では見られませんでした。しかし、資料は一部墨塗りもされているので、正確なところはわかりません。

socmeill日本には動物実験を規制したり報告を求めたりする仕組みは一切なく、全体でどの程度化粧品のために動物実験が行われているのかは不明です。

医薬部外品の動物実験は多くが闇の中

上記の表は法律上の化粧品に該当する製品についてだけなので件数が少ないですが、実際には薬用化粧品(医薬部外品)のために行われている動物実験のほうが多いです。

医薬部外品の申請資料の概要については、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)のサイトで一部が公開されています。厚労省の部会で審議されたものに限るので、動物実験された薬用化粧品(成分)のうちの、ごく一部にすぎません。主に区分1に該当する、新しい有効成分を使う場合などです。

2009年度(平成21年度)以降に承認された動物実験された医薬部外品(殺虫剤を除き、コンタクトレンズ洗浄剤を含む)

商品名申請企業有効成分審査資料時期
クリアデューMPDSa株式会社オフテクスアレキシジン塩酸塩未公表
部会議事録
令和3年度
(2021)
ポーラ リンクルショット メディカル セラムポーラ化成工業株式会社三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルピロリジンカルボニルメチルプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウム審査報告書
申請資料概要
平成28年度
(2016)
注:2015年1月以降に開発に着手する化粧品・医薬部外品については動物実験廃止との回答を得ているため、それ以前に開発着手されていたと考えられる。
ライオンデンタルペーストCライオン株式会社リン酸L-アスコルビルマグネシウム、モノフルオロリン酸ナトリウム審査報告書
申請資料概要
平成27年度
(2015)
コンプリートVリバイタレンズビジョン セレクトVエイエムオー・ジャパン株式会社塩化ポリドロニウム、アレキシジン塩酸塩審査報告書
申請資料概要
平成26年度
(2014)
クリーム TXシャネル株式会社トラネキサム酸セチル塩酸塩審査報告書12
申請資料概要
平成21年度
(2009)

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