円山動物園のライオンの繁殖に反対する意見を送りました
円山動物園がライオンの「クレイ」と「イト」の繁殖を行わないと発表したことを支持します。ことの経緯は、ブログに掲載しましたので、そちらをご覧ください。
円山動物園の繁殖制限の方針を支持する円山動物園がライオン「クレイ」と「イト」の今後について、11月29日に最終的な方針を公表しました。11月9日にホームページで繁殖制限が公表されると、動物園がひどい決定をしたかのような反応がSNSなどで[…]
円山動物園へ送った意見
「クレイ」と「イト」の今後について、多数の意見が来ているとの追記がされているのを拝見しました。
どのような意見が多かったのか存じ上げませんが、ライオンの繁殖を行うことは絶対に避けていただきたく、メールいたしました。今回、繁殖が当然のことと思っている方々がいることに非常に驚きましたが、動物園やメディアから「かわいい赤ちゃんが生まれました」のような情報発信ばかりなされている現状が、「子どもを産ませることが正義」という勘違いを生んでいるのではないかと感じます。
生まれた子が動物園で幸せになっているという勘違いもあると思います。生涯、狭い囲いに幽閉され、コンクリートの寝室と放飼場を行き来するだけの生活、餌は与えらえるだけで狩りをすることもない、群れの在り方ひとつにしても本来の生態とはかけ離れている、そういったこと全てに問題を感じないので、繁殖しろと言えるのだと思います。
かわいい赤ちゃんを見たいであるとか、そういった人間中心的な意見には特に、耳を傾ける必要はないと考えます。日本国内でライオンは生まれすぎており、余っているはずです。
群馬サファリパークの、オスのライオンを生涯閉じ込める小屋の様子がNHKの番組で報道された際には
視聴者に大きなショックを与えましたが、安楽殺で数減らしをしていると従業員が述べていたサファリパークもあります。
以前は、生まれた子がふれあい動物園に出され、そこで使われたのちに殺処分されていた実態もありました。
また、ワシントン条約の記録によれば、1990年代以降、140頭近いライオンが日本から中国に輸出されています。
これらのライオンは、本当に展示動物として生涯を全うしたのでしょうか。漢方薬になったライオンもいるのではないでしょうか。
動物園は、繁殖した動物がどうなったのかについて無責任すぎないでしょうか。
貴園で生まれたチンパンジーのダイチは、幼くしてショーのために他園に移され、その後、長い間、堀井動物園のケージ飼育で苦しみました。
ようやく熊本サンクチュアリに移されましたが、同居しているのは、これまた貴園が繁殖したのち手放した兄弟です。
「クレイ」と「イト」について繁殖しない方針であることを公表されたのは、当会としては評価しております。
貴園に、生まれた子を飼う余裕があるとは思えません。
新しいライオンがほしいのであれば、劣悪な飼育環境の施設から引き取るべきです。
以上、よろしくお願いいたします。
円山動物園からの公表内容
更新日:2024年6月3日
円山動物園における今後のライオン飼育の方向性について
「パーチェ」(オス)が来園するにあたり、当園のライオン飼育の方向性につきまして、お知らせいたします。今後も、「パーチェ」と「イト」(メス)について、できるだけ良好な動物福祉を確保した飼育に努めてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
1 ライオンを飼育する目的
円山動物園は、動物の良好な動物福祉の確保に最大限配慮し、生き生きとした動物たちの姿を通じて、その動物たちの生態や生息地の状況などから、環境や生物多様性の大切さを伝えるとともに、動物種ごとの生息状況、飼育状況を踏まえた種の保全に取り組んでいくこととしております。
具体的にどのような動物種を飼育・展示するかについては、円山動物園の運営方針である「札幌市円山動物園基本方針ビジョン2050」に基づいて「飼育展示していく動物種」において定めております。この中では、飼育・展示する動物について、2050年を見据えて、絶滅に瀕した動物を保護・繁殖し保全する必要性や、環境教育の効果、良好な動物福祉を確保できるかなどを検討し、分類しています。
その中でライオンは、アフリカの生態系で食物連鎖の頂点に立つ象徴的な動物であり、環境教育の役割を担う上で貴重であることから、継続して飼育・展示する動物種と分類しており、その目的のために飼育いたします。
2 動物福祉について
円山動物園では、良好な動物福祉の確保に重点を置いた飼育を行っていますが、ライオンの動物福祉が良好な状態は、「複数頭で暮らせること」となります。
このことから、当園では、動物福祉が良好な状態で飼育していくことが重要であると考え、「パーチェ」と「イト」の2頭が同居できるように準備を進めてまいります。
一方、繁殖については、現在日本国内には種を維持するうえで十分な頭数がいることから、(公社)日本動物園水族館協会において繁殖を推進する種には指定しておりません。
この状況を踏まえ、当園では繁殖を実施しない方針とし、当園のライオン獣舎につきましては、繁殖を目的とした部屋数を備えておりません。
なお、国内の飼育頭数や血統の状況に応じて繁殖を抑制するために、動物に適切かつ安全な方法で避妊処置を行うことは、良好な動物福祉を確保する観点からも全国の動物園で一般的な手法となっています。
3 飼育方針について
2頭の同居には、闘争の起こるリスクが低い、年齢が若いうちから慣れることが必要となりますので、まずは檻越しに2頭の相性を観察していき、慎重に状態を見つつ、大切に飼育してまいります。
また、同居ができそうな場合は、繁殖は実施しないことから、2才頃には性成熟を迎えることを考慮し、どちらかの個体に避妊の処置を行ってから、同居を進める必要があります。
その処置にも様々な方法があり、それぞれメリットが異なることから、どの方法が最善なのかを具体的に検討をしていくことといたします。
円山動物園の繁殖制限の方針を支持する円山動物園がライオン「クレイ」と「イト」の今後について、11月29日に最終的な方針を公表しました。11月9日にホームページで繁殖制限が公表されると、動物園がひどい決定をしたかのような反応がSNSなどで[…]