【EU】ヒト以外の霊長類の動物実験利用に対する規制

ヒト以外の霊長類の動物実験利用は「原則」禁止

EUでは、2010年の実験動物保護指令により、ヒトを除く霊長類全てについて、実験利用が原則禁止になりました。ただ禁止は「原則」であり、使用の特例については、3段階で規制されています。

  • ヒト以外の霊長類 (動物実験に使うことはできる)
  • ヒト以外の霊長類のうちRegulation (EC) No 338/97付属書A掲載のもの (基礎研究は不可)
  • ヒト以外の大型霊長類 (何か起きない限り、ほぼ利用は不可)

Regulation (EC) No 338/97は、EU域内の野生動植物の取引を定めた「取引規制による野生動植物種の保護に関する理事会規則」(野生生物取引規則)のこと。付属書Aに収載されているのはCITES付属書Ⅰなど、絶滅の度合いの高い動植物種。

2022年11月10日以降、繁殖2世代目以降のサルしか使えなくなる

野生からの非ヒト霊長類の捕獲は、動物の福祉・健康や倫理的な問題を引き起こします。

EUは、科学上の利用や、そのための繁殖を目的としたサルの野生からの捕獲を廃止するため、実験動物保護指令によって移行期間を定め、飼育下で繁殖されたサルに由来する自立したコロニーから供給されたサルでしか動物実験できないよう限定することを目指していました。

実験動物保護指令では、そのために、2017年11月10日までに実現可能性調査を実施する必要があると定められていました(指令第10条)。期限の延長が示唆されなければ、調査結果の5年後に、野生捕獲個体の実験利用は廃止になると定められていましたが、2017年、実現可能性調査の結果が公表され、期限の延長はなくなりました。

2022年11月10日から、繁殖2世代目以降のサルしか使えなくなります。

附属書II  ヒト以外の霊長類のリストと第10条(1)第2文の施行日

日付

マーモセット (Callithrix jacchus)

2013年1月1日

カニクイザル(Macaca fascicularis)

第10条(1)第4文で定められた実現可能性調査が期間の延長を勧告しない場合、調査公表から5年後

アカゲザル(Macaca mulatta)

第10条(1)第4文で定められた実現可能性調査が期間の延長を勧告しない場合、調査公表から5年後

その他のヒト以外の霊長類

第10条(1)第4文で定められた実現可能性調査が期間の延長を勧告しない場合、調査公表から5年後

※5年後として設定されていたのが2022年11月10日でした。

この件に関する最終報告書:

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