霊長類の輸入数および国際取引状況

霊長類の輸入数推移(総数)
貿易統計からみた、日本の霊長類の輸入数(総数)の推移です。
霊長類の輸入数推移(国別)
これを国別に見ると、下記のようになります。
年度 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 |
中国 | 3429 | 4537 | 5257 | 2911 | 3398 | 3538 | 2142 | 1247 | 1420 | 1942 |
ベトナム | 1098 | 1496 | 1219 | 1252 | 863 | 1107 | 579 | 798 | 820 | 727 |
フィリピン | 550 | 646 | 688 | 552 | 723 | 1007 | 774 | 474 | 495 | 705 |
インドネシア | 346 | 1120 | 478 | 315 | 161 | 162 | 234 | 42 | 64 | - |
カンボジア | - | - | - | - | - | 415 | 1358 | 2022 | 2608 | 3351 |
スリナム | 146 | 35 | - | - | - | - | - | - | - | - |
オランダ | - | - | 1 | - | - | - | - | - | - | - |
アメリカ | - | - | - | - | - | - | - | - | 4 | 2 |
シンガポール | - | - | - | - | - | - | - | 1 | 1 | - |
インド | - | - | - | - | - | - | - | - | 20 | - |
計 | 5569 | 7834 | 7643 | 5030 | 5145 | 6229 | 5087 | 4584 | 5432 | 6727 |
年度 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
中国 | 2650 | 1722 | 1756 | 1446 | 681 |
ベトナム | 492 | 1167 | 1486 | 743 | 1278 |
フィリピン | 125 | - | - | 70 | - |
カンボジア | 1673 | 3113 | 3374 | 2108 | 2820 |
計 | 4940 | 6002 | 6616 | 4367 | 4779 |
※エクセルシートはこちら
説明:
霊長類は、原則すべての地域から輸入禁止ですが、試験研究用または展示用のサル(厚生労働・農林水産大臣の指定を受けた試験研究機関または動物園で飼育されるもの)に限り、指定の地域から輸入可能です。すなわち、愛玩用の輸入は禁止です。
展示用の霊長類の輸入はごくわずかと考えられ、時折、例外規定によって指定地域以外からも認められることがありますが、霊長類輸入のほとんどが動物実験用です。
輸入ができる国は、アメリカ合衆国、インドネシア共和国、ガイアナ協同共和国、カンボジア王国、スリナム共和国、中華人民共和国、フィリピン共和国(2015年9月~2017年7月まで停止されていた)、ベトナム社会主義共和国から輸入できます。(これらの国以外からは特例。ガイアナは2002年で停止されている。)
そして、国ごとにサルの衛生条件が定められています。
日本にサルを輸入可能な海外の施設の一覧は「農林水産省が指定する施設」のページをご覧ください。
輸入時に、動物検疫所とは別に企業や研究機関が自施設で検疫を行うことができ、幾つかの施設が指定されています。これらのその施設が日本に実験用のサルを輸入している主力だと考えられます。平成30年時点の一覧については、こちらの記事をご覧ください。
内訳はカニクイザルが多い
霊長類は全ての種がCITES(ワシントン条約)付属書掲載種であるため、取引データベースから種ごとの輸入数内訳を知ることができます。
2018年の輸入数でいうと、カニクイザルが4669匹、アカゲザルが212匹となっており、カニクイザルが圧倒的に多いことがわかります。(※上記の貿易統計の表・グラフは年度で掲載しているので、年の統計とは差が生じます)
実験動物の空輸にSTOPを!
ワシントン条約でも取引量の多さが検討課題に
カニクイザルは、CITES(ワシントン条約)でも取引量が多いことについて懸念が持たれており、動物委員会で検討がなされています。その際の資料より、国際取引の現状です。
※合法取引の数値に基づいて作成されています。東南アジアから中国への実験用カニクイザルの密輸が国際的に問題になっていますが、その数は含まれません。(下記参照)