▲中国の報道の動画
中国でカニクイザル2735匹のベトナムからの密輸の摘発がありました。これまでで最大規模だそうです。
主犯が捕まり、サルたちの行き先は広西梧州市の動物実験用にカニクイザルを繁殖する会社だったことが明らかになりました。籠からサルが腕を出している様子は、胸が詰まりますが、さらに行き先が動物実験用とは……。
中国の実験用霊長類産業が密猟・密輸によって支えられていることは、海外の動物保護団体が以前から指摘していましたが、やはり事実でした。
今、中国は実験用サルの施設が増加しているが、規制も厳しく人件費もかかり、コスト減のために密輸に手を出すと書いている記事もありました。(厳しい規制というのが、運用としてどの程度のものかはわかりませんが)
中国には日本の動物実験企業も進出し、サルの動物実験施設をつくり、日本の学会でも「中国でサル実験をしないか」と誘う広報活動が行われています。
また、中国から日本への実験用サルの輸入は、近年減って来てはいるものの、2018年度でも約1500匹もありました。
野生ザルの密猟・密輸と、そういったサルを実験用サルの繁殖に使っている問題は、日本も無関係とは思えません。日本にサルを輸出できる施設として農林水産省が指定している施設の一覧の中にも、広西梧州市の実験用霊長類の施設が1カ所、含まれています。(広西桂東霊長類開発実験有限公司の施設、中国語では「广西桂东灵长类开发实验有限公司」)➡追記:この会社へ密輸ザルを運んでいたことが明らかになりました。こちら
カニクイザルは、今はCITES(ワシントン条約)付属書Ⅱですが、取引量の多さが問題になっています。
科学研究でこのようなことが行われていていいのでしょうか。
参考記事
中国では、昨年、動物実験用の繁殖施設へ向けてカニクイザル2735匹がベトナムから密輸されていたと報じられ、PEACEのブログでもこのことをご紹介しました。(こちら)この事件では主謀者の呼び名は「阿六」と報じられており、広西チワン族自[…]
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