ナショナルバイオリソースプロジェクト「ニホンザル」公開質問書全文(2024年)

ナショナルバイオリソースプロジェクト「ニホンザル」による 動物実験のためのサルの繁殖・供給の廃止を求めます

京都大学ヒト行動進化研究センターの2022年度年報が公表され、ナショナルバイオリソースプロジェクトに新たにニホンザル50頭の導入があったことが判明したため、PEACEでは動物実験の廃止を求める会(JAVA)と連名で関係する2機関(中核機関:京都大学、分担機関:自然科学研究機構生理学研究所)へ公開質問書を送りました。

質問と回答の全文は以下の通りです。詳しくはブログをご覧ください。

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ニホンザル親子

京都大学と生理学研究所の回答

2024年6月28日付で回答がありました。2か所からの回答を色分けで並べて掲載しました。

回答者
自然科学研究機構生理学研究所NBRP担当
京都大学ヒト行動進化研究センターblBRPニホンザル担当
【質問1】 以前はNBRP「ニホンザル」の公式サイトで、年度末(3月31日)時点のニホンザルの飼育頭数(繁殖群・育成群の数)が公表されていましたが、2022年度末より公表されていません。2023年3月31日時点と2024年3月31日時点の、京都大学および生理学研究所飼育委託先のNBRP「ニホンザル」の飼育頭数を、繁殖群・育成群ごとに教えてください。

自然科学研究機構  回答:
2023年3月31日時点での自然科学研究機構(外部委託施設)での飼養保管頭数は、繁殖群97頭、育成群4頭でございます。
2024年3月31日時点での自然科学研究機構(外部委託施設)での飼養保管頭数は、繁殖群89頭、育成群3頭でございます。

京都大学  回答:
●2023年3月31日時点
京都大学 繁殖群190頭 ・ 育成群253頭
●2024年3月31日時点
京都大学 繁殖群171頭 ・ 育成群240頭
となります。

【質問2】 NBRP「ニホンザル」の公式サイトで、年度ごとの提供実績が公表されていますが、2022年度を最後に公表されていません。2023年度の提供頭数、採択件数、不採択件数、2006年度以降の累計提供頭数および提供先機関数をそれぞれ教えてください。

自然科学研究機構  回答:
代表機関(京都大学)より回答させていただきます。

京都大学  回答:
2023年度提供頭数 72頭
2023年度採択件数 29件
2023年度不採択件数 0件
2006年度以降の累計提供頭数 1120頭
2006年度以降の累計提供先機関数 40機関
となります。

【質問3】 「京都大学ヒト行動進化研究センター年報Vol.1(2022年度の活動)」によると、2022年度(令和4年度)に京都大学のNBRPニホンザル飼育群に新たに50頭が導入されています。この50頭は、どこから導入したのか教えてください。生理学研究所の飼育委託先である奄美野生動物研究所から京都大学へサルを移したのでしょうか。それとも新たに野生もしくは動物園等のサルを導入したのでしょうか。複数の導入元がある場合、どこから何頭ずつ導入したのか、内訳もご回答ください。

自然科学研究機構  回答:
代表機関(京都大学)より回答させていただきます。

京都大学  回答:
個別の導入元に関しては公開しておりません。

【質問4】 質問3で、もし生理学研究所飼育委託先である奄美野生動物研究所から京都大学へサルを移したのであれば、そのサルたちは繁殖母群として使われていたサルたちということになるかと思います。私どもは2021年に生理学研究所より、「外部委託施設における繁殖母群は、動物実験に用いておりません」との回答を得ていますが、もし奄美野生動物研究所のサルが京都大学へ移されている場合、そのサルたちについて、京都大学でも同様に動物実験に用いない対応をとっていただいているでしょうか。

自然科学研究機構  回答:
代表機関(京都大学)より回答させていただきます。

京都大学  回答:
個別の導入元に関しては公開しておりません。

【質問5】京都大学では2009年度まで、生理学研究所では2004年まで、外部からのニホンザルの導入があったとご回答をいただいています。それらの外部から導入したサルは、現在、NBRPニホンザル全体で何頭生き残っていますか。そのうち、円山動物園から導入したサルは何頭ですか。

自然科学研究機構  回答:
自然科学研究機構において、繁殖のために外部より導入された個体のうち、現在も生存している個体数は、2024年3月31日時点において、【質問1】へのご回答のとおりでございます。個別の導入元に関する情報は公表いたしておりません。

京都大学  回答:
京都大学は171頭です。自然科学研究機構の頭数は、自然科学研究機構からお答えしま
す。また、個別の導入元に関しては公開しておりません。

【質問6】 以前の質問状でもお聞きしましたが、再度ご質問します。今後について、新たに繁殖母群の導入はしない方針でしょうか? 該当する項目を○で囲ってください。なお、(ウ)の場合、( )内に具体的にご記入ください。

・導入しない
・導入する
・その他(                    )

自然科学研究機構  回答:
代表機関(京都大学)より回答させていただきます。

京都大学  回答:
今のところNBRPニホンザル事業として、新たに繁殖母群の導入予定はありません。

【質問7】 生理学研究所の飼育委託先である奄美野生動物研究所のニホンザルたちを今後どのように扱うかについて、ご検討中との回答をいただいてきましたが、その後、ご検討の結果どのような結論に至ったかを教えてください。

自然科学研究機構  回答:
自然科学研究機構が管理する個体については、現在、生理学研究所において、科学的観点及び動物福祉を含む社会的観点等から、慎重に検討しているところでございます。

京都大学  回答:
自然科学研究機構よりお答えします。

【質問8】以前の質問状でもお聞きしましたが、再度ご質問します。国際的に霊長類の実験利用はなくすべきであるとして、削減の努力が進められており、私どもの開始したNBRP「ニホンザル」廃止署名にも現時点で2万名以上が署名をくださっています。縮小傾向にあるNBRP「ニホンザル」を終了させるお考えはありますか? 該当する項目を○で囲ってください。なお、(ウ)の場合、( )内に具体的にご記入ください。

・終了させる考えがある
・終了させる考えはない
・その他(                    )

【質問9】 質問8のご回答が(ア)の場合、終了時期を、(イ)の場合、その理由をお答えください。

自然科学研究機構  回答:
代表機関(京都大学)より回答させていただきます。

京都大学  回答:
今後のあり方については、常に関係各所のご指導・ご意見を伺いながら考えていきたいと思います。

生理学研究所再質問への回答

質問書回答で不明だった点について、生理学研究所に再質問しました。2024年8月2日に回答がありました。以下、全文です。

【質問1】 繁殖群66匹、育成群5匹のうち50頭が京都大学へ移されたのでしょうか。その場合、繁殖群、育成群、それぞれ何頭移されましたか。

自然科学研究機構  回答:
本件に関する情報は公表いたしておりません。

【質問2】 京都大学以外の場所へ移されたサルはいますか。いる場合、繁殖群、育成群、それぞれ何頭でしょうか。

自然科学研究機構  回答:
本件に関する情報は公表いたしておりません。

【質問3】 もし奄美の施設から他施設へ全く移されていない場合、2年間で4割のサルが死んだことになりますが、全て死亡なのでしょうか。もし50頭が京都大学へ移されたとしても、繁殖群16匹、育成群5匹、計21頭も数が減っていることになります。2022年度および2023年度、繁殖群・育成群共に何頭が死亡したのか教えてください。

自然科学研究機構  回答:
自然科学研究機構が管理する個体について、
① 2022年度に死亡した個体数は以下のとおりでございます。
繁殖群 11頭、 育成群 1頭
② 2023年度に死亡した個体数は以下のとおりでございます。
繁殖群 8頭、 育成群 1頭

【その他】
また、奄美の民間施設のサルをどうするのかについて今後最終的な決定がなされましたら、私どもに結果を教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

自然科学研究機構  回答:
自然科学研究機構が管理する個体については、科学的観点及び動物福祉を含む社会的観点等から、現在、慎重に検討しているところでございます。


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