<まとめページ>密輸から始まったスナネコ輸入

2019年、スーダンが突然スナネコを輸出し始めましたが、それまで生息の報告はなされていない国でした。EUの科学当局は、スーダンが科学的な管理を行っていないとして輸入を不可としましたが、日本政府は、これを止めることはありませんでした。

しかも、正式な書類手続きがとられたはずの最初の輸入は偽造の衛生証明書が使われており、税関で足止めをされている間にすべて死亡しました。その次の輸入も密輸であったため、殺処分となりました。

この問題に関する過去記事は以下の通りです。

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残念ながら摘発はされていませんが、これらの輸入の前に、既に密輸で日本にスナネコが来ていたという情報も把握しています。

スナネコを売ったお金が何に使われたか確かめるすべはないですが、アフリカなどの紛争国では野生動物を売ったお金が武器調達の資金源になることもあると言います。

動物園やアニマルカフェで飼われているスナネコはかわいいですが、本来広大な砂漠で生きる動物を狭い環境に閉じ込めて楽しいでしょうか? 見た目の可愛さで野生動物をほしがったり見たがったりする人々がいる限り、不幸は続きます。

野生の生態について科学的知見が乏しいスナネコですが、2023年、発信器を用いた行動調査の結果が公表されました。

一般にネコ科の動物は行動圏がある程度決まっており、縄張りをもっていますが、スナネコは縄張りをもたず、時には水を求めて何十キロも移動するほど行動範囲が広かったのだそうです。(カラパイア「スナネコの珍しい生態が明らかに。行動範囲が広く縄張り意識を持たないことが判明」より)

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これを読んで感じたことですが、スーダンは生息国としてこれまで科学的な報告がある国ではありませんが、エジプトのスーダン国境地帯に一部生息域の記録があるため、スーダン側に移動するスナネコもいるということなのかもしれません。

調査チームの一員が書いた記事によれば、スナネコはIUCNによって軽度懸念(LC)に分類されているが、これはスナネコが砂漠の生息地に等しく存在し、かつ小さな行動圏を持つと仮定しての話とのこと。実際には生息域が大きく、砂漠の特定の部分のみにしか生息していないとしたら、生息数はもっと少ない可能性があり、準絶滅危惧(NT)に引き上げることが妥当であろうとされています。

Panthera

What do you know about sand cats? Learn more about these sma…

論文:Home ranges of African sand cats (Felis margarita margarita)

このことは2023年5月、CNNでも報じられました。違法なペット取引のために捕獲される危険もあることが指摘されています。

CNN.co.jp

野生のスナネコの子猫の写真が初めて撮影されたのは、わずか7年前だった。小さくてフワフワの猫たちの写真はインターネットで瞬…

まだまだ野生の生態がわかっておらず、絶滅の恐れもあるというのに、多数のスナネコが捕獲され日本のような国に輸出されてしまったことは不幸としか言いようがありません。

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