7月10日~12日、化粧品規制協力国際会議(ICCR)の第12回会合(ICCR-12)が東京にて開催されました。日本、米国、欧州連合、カナダ、ブラジルの化粧品規制当局からなる国際会議で、発足当初から動物実験代替法についても重要な議題として取り上げられてきています。
この会議の中間日である11日の午後、NGOなどステークホルダーが意見を述べることができる「ステークホルダーセッション」が開催され、PEACEもJAVA、ARCとともに活動する「美しさに犠牲はいらない(CFB)キャンペーン」実行委員会が参加し、各国の代表団に対し化粧品業界における動物実験の廃止を強く訴えました。
CFBのサイトにレポートを掲載しましたので、ぜひご覧ください!
要望のポイント! 化粧品の動物実験廃絶は世界の流れ
動物実験廃止に関する国内の状況や国際的な禁止の流れを受け、CFBからICCRに対し、次の2点を要望しました。
- ICCR加盟国間で「化粧品の動物実験は廃止されるべきである」という認識を共有し、明文化してほしい
- ICCR加盟国において、化粧品のための動物実験の禁止の期日を設定し、それまでの具体的なロードマップを策定してほしい
このCFBの発表に対して、EU代表として欧州委員会のサルバトーレ・ダクント氏から「今年5月、欧州議会で、他国にも動物実験禁止を働きかけていくという決議が採択された(PEACEブログを参照)。あなた方の運動も実を結びつつある」とコメントがありました。
また、ICCR-12の関連イベントとして7月13日に開かれた「化粧品規制に関する国際シンポジウム」(厚生労働省と日本化粧品工業連合会の共催)の議論でも、EU側からICCRが今後注目すべき課題として動物実験問題が強く挙がるなど、動物実験廃止に向けた流れが強く意識されたものだったとのことです。(資料は31日までこちらからダウンロードできます。プログラムはこちら。)
世界的な化粧品の動物実験廃止に向けて、いよいよカウントダウンが始まっています。
私たち日本人が、その動きの足を引っ張ることのないように、CFBは、化粧品業界に対しても、行政機関に対しても、今まで以上に働きかけを続けていきます。
動物実験代替に取り組むICCR
なお、ICCR-12についての厚生労働省からの報告は、既にこちらに掲載されています。
ICCRの公式サイトには、8月中をめどに安全性評価に関するレポート”Integrated Strategies for Safety Assessment of Cosmetic Ingredients: Part II”が公表される予定とのこと。
☞追記 その後、公開されました。詳細はこちら。
日本、米国、欧州連合、カナダ、ブラジルの化粧品規制当局からなる国際会議で、「国際貿易の障壁を最小化しつつ、高いレベルの世界的な消費者保護を維持すること」(厚生労働省HPより)を目的に2007年から会合が持たれている。規制調和にむけた国際的な[…]
<レポート概要>
試験に動物を用いない新しい手法(代替試験法)を用いて化粧品成分の安全性評価を行うための具体的な試験法(コンピューター分析や細胞試験法など)を取り上げ、使用できる場面や長所、使用に際しての留意点等を考察したもの
また、ICCRの作業部会では、次のICCR-13に向けて、これまでICCRで作成した代替試験法による安全性評価の原則論を踏まえ、実際の評価に適用した場合のケーススタディを行うとされています。