日本の畜産動物の現状~畜産技術協会アンケートより
平成27年3月に公表された畜産技術協会の飼養実態アンケート調査の結果から、各畜種別に動物福祉上問題にされることの多い処置の現状についてピックアップしました。
豚
(一般社団法人日本養豚協会から、全国の豚飼養農家(1,000件)にアンケート調査票を送付し428件から回答があったものが母数。101~500頭規模が43.7%と最も多い)
経産豚の飼養管理にストールを使用していますか
件数 割合
A 使用している 379 88.6%
B 使用していない 24 5.6%
C 無回答 25 5.8%
※使用しているストールの幅で最も多かったのは60cmで140件(47.9%)、長さは200cmが254件(94.8%)
経産豚を群飼で飼育する時期はありますか
件数 割合
A ある 144 33.7%
B ない 260 60.7%
C 無回答 24 5.6%
※経産豚を群飼で飼育する時期については、「離乳後から種付けまで」と答えた農場が102 件(23.8%)、「離乳後から妊娠確認後まで」と答えた農場が17 件(4.0%)、「離乳後から分娩豚舎に収容するまでの期間」が15件(3.5%)
農場内で子豚の断尾を行っていますか
件数 割合
A 行っている 349 81.5%
B 行っていない 58 13.6%
C 無回答 21 4.9%
※断尾を行う時期として生後8日以上としている農場が 9件(2.6%)。
農場内で子豚の去勢を行っていますか
件数 割合
A 行っている 405 94.6%
B 行っていない 3 0.7%
C 無回答 20 4.7%
※去勢を行う時期については、「生後7 日以内」での実施は72.3%だが、生後8日以上が111件(27.4%)あった。
乳用牛
(全国酪農業協同組合連合会が、全国の乳用牛飼養農家を訪問して行った、聞き取りによるアンケート調査。回答数は、505件。飼育規模は、経産牛の飼養頭数が「40 頭未満」が208 件(41.2%)、「40 頭以上75頭未満」が193件(38.2%)、「75頭以上」が104件(20.6%)。)
牛の主な飼養方法はどれに当てはまりますか
●搾乳牛
件数 割合
A つなぎ飼い(スタンチョン) 98 19.4%
B つなぎ飼い(ニューヨークタイ) 147 29.1%
C つなぎ飼い(ニューヨークタイ以外のロープ等)123 24.4%
D フリーストール 70 13.9%
E フリーバーン 54 10.7%
F その他 7 1.4%
G 無回答 6 1.2%
※つなぎ飼いが全体の約7割を占めた。
パドックや放牧地に牛を放していますか
件数 割合
A 毎日放している 63 12.5%
B 毎日ではないが放している 73 14.5%
C パドックや放牧地を有しているが放していない39 7.7%
D パドックや放牧地が無いので放していない 327 64.8%
E 無回答 3 0.6%
農場内で除角を行っていますか
件数 割合
A 行っている 432 85.5%
B 行っていない 68 13.5%
C 無回答 5 1.0%
※除角の主な方法については、「焼ゴテ」が236件(54.0%)と半数以上を占めた。次いで、「デホーナー」が102件(23.3%)、「断角器」が60件(13.7%)であった。
※除角の際に麻酔を「使っていない」農場が372 件であり、8 割以上の農場で除角の際に麻酔を使用していない。「使っている」は61件(14.0%)であった。