今月6日、渋谷に新しくオープンするスポーツブランド「オニツカタイガー」の店舗で、移動用の狭い檻にトラの成体を入れて展示するというイベントが行われました。現地を見ることはできませんでしたが、エルジャポンが「かわいそう」などの批判を受けてインスタグラムから写真を削除するなど、Facebookで話題になりました。
このトラは香川県の「しろとり動物園」からトラックで連れてこられており、イベントが終わればすぐ帰るトンボ返りでした。
こういったイベントに生きた動物を利用することは動物福祉上も問題ですが、明らかに違反していると思われたのは環境省の「特定動物の飼養又は保管の方法の細目」です。細目では、第三者が容易に特定動物に接触しないよう措置を講じるよう定められており、インターネットにアップされている幾つかの写真を見るに、明らかにこの措置は講じられていませんでした。
東京都は当日の立入をしていませんでしたが、後日、香川県からしろとり動物園に対し「動物が観覧者に完全に接触することができない構造としては不十分であったことから」(香川県回答より)、指導が行われました。
オニツカタイガーはアシックスジャパン株式会社のブランドですが、同社のお客様相談室からは、何と「動物の生活環境改善のために動物園が行っている行為でございまして、単純な営利目的ではなく、このような行為を行うことにより動物の生活環境が向上するという目的のために行っています」との回答が来ました。
このように動物園側のトレーナーが企業に言っているのだとしたら、呆れざるを得ません。動物園業界が日ごろ言う「専門家」のレベルはいかほどかと思います。
▼エルジャポンはインスタグラムから写真を削除: