2019年改正動物愛護法:参議院環境委員会議事録

2019年改正法 2020年、2021年施行 動物愛護管理法 まとめ

2019年の動物愛護法改正時の国会質疑の記録です。衆議院の環境委員会はこちらをご覧ください。

第198回国会 環境委員会第9号 令和元年(2019年)6月11日

会議録より、該当部分のみをそのまま抜粋しています。

○委員長(那谷屋正義君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案の審査及び浄化槽法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省自然環境局長正田寛君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

    ─────────────

○委員長(那谷屋正義君) 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院環境委員長秋葉賢也君から趣旨説明を聴取いたします。秋葉衆議院環境委員長。

○衆議院議員(秋葉賢也君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。

 動物は、我々人類にとって利用の対象であるとともにかけがえのない伴侶であり、大切に取り扱われなければならない存在であると同時に、適切に管理されなければならない対象でもあります。これまで、動物の愛護と管理の取組を車の両輪として進めていくことを通じ、人と動物が共生する社会の実現に向けて、国、地方自治体、民間の団体など、多様な主体による連携、協働が図られてまいりました。

 このような動物の適切な取扱いについて規定する動物の愛護及び管理に関する法律は、昭和四十八年に動物の保護及び管理に関する法律という名称で議員立法により制定された後、平成十一年、同十七年及び同二十四年にいずれも議員立法で改正され、現在に至っております。過去三回の改正により、ブリーダーやペットショップに代表される第一種動物取扱業に対する規制が大幅に強化され、罰則も段階的に引き上げられてまいりました。

 平成二十四年の前回改正では、同改正法の附則において、施行後五年を目途として、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされ、特に、幼齢の犬猫の販売時の日齢に関する規制やマイクロチップの装着義務付けに向けた検討については、同附則においても、必要な検討を加えるものとされていたところです。

 他方で、劣悪な飼育環境下で極端な多頭飼育を行う動物取扱業者による不適正飼養の問題は依然として数多く報告されております。動物の福祉の観点から動物の適正な飼養環境の確保が求められる中、動物取扱業の更なる適正化を求める声も高まっています。

 また、動物愛護センター等における犬猫の殺処分頭数については、地方自治体による引取り数の削減や動物愛護団体等による譲渡に向けた不断の努力の結果、平成二十四年度の約十六万二千頭から、平成二十九年度には約四万三千頭にまで大幅に減少いたしました。平成二十四年の法改正では、引き取った犬猫について、殺処分がなくなることを目指して、返還又は譲渡に努めるものとすることが明記されたところであり、更なる努力が望まれているところであります。

 さらに、動物をみだりに殺し、又は傷つけるといった動物虐待も、依然として後を絶たない状況にあります。

 こうした状況を踏まえ、動物取扱業の更なる適正化や動物の不適切な取扱いへの対応の強化を図るため、本案を提出した次第であります。

 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、動物の所有者等が遵守すべき責務規定の明確化を行うこととしております。
 第二に、第一種動物取扱業による適正飼養等の促進等を進めるために、登録の際の拒否事由の追加、飼養又は保管に関する遵守基準の明確化、出生後五十六日を経過しない犬猫の販売等の制限などを規定しております。
 第三に、動物の適正飼養のための規制の強化として、犬猫の適正飼養が困難な場合の繁殖防止の義務化、都道府県知事による不適正飼養に係る指導、助言、報告徴収及び立入検査等の実施、特定動物に関する規制の強化、動物殺傷罪、虐待罪等に対する罰則の引上げなどを規定しております。
 第四に、都道府県等の措置等の拡充として、動物愛護管理センターの業務、動物愛護管理担当職員の位置付け、所有者不明の犬猫の引取りを拒否できることなどを規定しております。
 第五に、犬猫等販売業者にマイクロチップの装着、登録を義務付けることなどを規定しております。
 その他、獣医師による虐待の通報の義務化などを規定しております。

 なお、この法律は、マイクロチップの装着義務化など一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

○委員長(那谷屋正義君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○福島みずほ君 福島みずほです。

 今日は、秋葉委員長、生方議員、小宮山議員、本当にありがとうございます。

 五年前にたくさんの議員の皆さんたちと犬猫殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟をつくり、この環境委員でいらっしゃいます尾辻秀久議員が会長で、たくさんの超党派の、この環境委員会のメンバーにもいらっしゃいますが、たくさんの人たちと一緒にこの間本当に頑張ってきました。アドバイザリーボードの皆さん、たくさんのNGO、市民の皆さん、また環境省、衆議院法制局の皆さん始め、大変大変大変お世話になり、まさに改正案が今日議論されることを本当にうれしく思っております。

 ただ、いろんな点について、ちょっと質問させてください。

 今回、動物愛護法の本則に記載されている八週齢規制について、これまで七週齢とする旨の附則がありましたが、今回その附則が削除をされました。この理由について教えてください。

○衆議院議員(小宮山泰子君) 福島議員におきましても、大変この間に様々な御努力いただいたことに、まずもって感謝をいたします。
 お答えいたします。

 いわゆる八週齢規制の趣旨としては、幼齢の犬猫を親から引き離すことによる問題行動の防止、不適切飼養の抑制のためのペットショップにおける衝動買いの防止等が挙げられておるところであります。

 動物愛護管理法の見直しの時期に合わせた、総合的に理解が深まったとの様々な検討を重ねた結果、前回改正法の附則を削除し、本則の八週齢規制を適用することとしたものでございます。

○福島みずほ君 今回の改正案には、八週齢規制の例外措置として、天然記念物の対象となる犬種は除外するという規定が入りました。この例外規定が想定する内容はどのようなものでしょうか。保存協会の会員同士とか、かなり限定された方々がその種の保存を目的とした場合に限るなどを想定しているのでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 八週齢規制の例外として、天然記念物に指定された犬について、その犬種の保護との調整を図るため、専ら天然記念物に指定された犬の繁殖を行う業者が犬猫等販売業者以外の者に犬を販売する場合は七週齢規制とすることにいたしました。

 この例外措置は、天然記念物として指定されている日本犬を専門に繁殖しているブリーダーが一般の飼養者に直接販売する場合に限って適用されることを想定をいたしております。

○福島みずほ君 保存会の会員ではない一般の飼い主に販売される場合であっても、天然記念物である日本犬の犬種の保存に資するものと言えるんでしょうか。

 一般の飼い主が愛玩目的で日本犬を購入する行為は、天然記念物である日本犬の犬種の保存に資するという趣旨にそぐわないものですから、この例外規定は適用されず、八週齢規定が適用されるということでよいのではないでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 天然記念物に指定された日本犬種以外の犬種を繁殖しているブリーダーやペットショップに販売を行う場合については、特例の対象外であり、出生後五十六日未満の販売等が禁止されることになります。

 この趣旨は、天然記念物に指定された日本犬種以外の犬種の繁殖を行っている者は日本犬について十分な知識、経験を飼い主に伝えられないおそれがあること、また、一般の飼い主がペットショップから購入する場合は飼い主が日本犬についての十分な知識がないままに衝動買いをするおそれもあるので、日本犬の保存には適さないと判断したことにあります。逆に、今述べたような懸念がないと考えられる場合は、すなわち天然記念物として指定されている日本犬を専門に繁殖しているブリーダーが一般の飼養者に直接販売する場合には七週齢規制とする例外措置を設けたものでございます。

 なお、一般の飼い主はペットショップで犬を購入することが多いと考えられ、この場合は八週齢規制を用います。

○福島みずほ君 今回の七週齢という例外規定の対象とする血統書を発行できるのはどの団体となると想定していますか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 天然記念物として指定されている犬種に関する血統書の発行については、現在血統書の発行を行っている団体のみを想定をいたしております。

○福島みずほ君 この例外規定を定めている附則の文言について、その趣旨を説明してください。専らとの言葉が意味する内容、つまり指定犬の繁殖を行う者までを指すのか、それとも犬猫等販売業者以外の者に販売するというところまでを指すのか。専らの文言の掛かる範囲が異なると、例外規定の対象となる日本犬の範囲が大きく変わってきます。

 この附則が成立した場合の販売形態、仕組みとはどのようなものでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 今回の法改正における八週齢規制の例外措置は天然記念物である犬種の保護との調整の結果であり、天然記念物の保護に適さないおそれが高い場合には例外措置の対象としないこととしております。専らの意味するところは、天然記念物として指定された犬の繁殖を行う犬猫等販売業者が、犬猫等の販売業者以外の者に指定犬を販売する場合までに掛かっております。

 なお、一般の飼い主への直接販売に際しましては、天然記念物である犬種の特徴などを十分説明し理解してもらうようにすることが、天然記念物の価値を知ってもらい、天然記念物を保護する上で重要であると考えております。

○福島みずほ君 環境省にお聞きします。

 八週齢にすることは、みんなのある意味悲願というか当然だという思いでした。附則が削除されるということはいいんですが、例外が定められたということについては、例外、例外、例外、例外、例外ということで、極めて限定的、限定的、限定的で本当にあるべきだというふうに思っております。
 この七週齢が適用となる犬種取引は極めて限定するべきだと考えます。この七週齢が例外的に適用される犬の頭数は年間何頭ぐらいになると想定していますか。

○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。

 天然記念物として指定された犬の頭数につきましては、環境省としては把握をしてございません。

 他方、今般の改正法の規定によれば、七週齢の特例は、専ら天然記念物として指定されている日本犬を自ら繁殖しているブリーダーが他のペットショップを経由せずに直接販売する場合に限って適用されることとなりますので、その対象となる犬は限定的であり、その割合につきましても非常に小さくなるものと想定をしております。

○福島みずほ君 本当に限定的になるのかしっかりウオッチしていき、また環境省自身もそれについて助言し、その穴がと言うと変ですが、どんどんやはり大きくならないようにということを是非環境省としてもしっかりチェックし、限定的にしていくよう心からお願いをいたします。

 マイクロチップ装着義務についてですが、この条文読み解くと、繁殖業者、ペットショップ業者のどちらがいつの時点で装着の義務を負うことになるのか、法律の定めるところの制度設計について説明をお願いいたします。

○衆議院議員(小宮山泰子君) 犬猫等販売業者は、犬猫を取得したときは、その犬猫を譲り渡すまでにマイクロチップの装着義務が課せられるとともに、犬猫について環境大臣の登録を受けることが義務付けられております。

 他方、一般の飼養者については、マイクロチップの装着は努力義務とされ、ただし、マイクロチップを装着した場合には犬猫について環境大臣の登録を受けることが義務付けられております。

 また、犬猫が登録された場合には所有者に登録証明書が交付され、登録された犬猫の譲渡しはその登録証明書と一緒にすることが義務付けられております。その上で、登録された犬猫を譲り受けた者には、新所有者の変更登録が義務付けられることとなります。これによって、迷い犬、迷い猫の所有者への効率的な返還、トレーサビリティー等の確保が期待されております。

○福島みずほ君 改正案の二十一条は、いわゆる飼養施設の数値基準に関する条文です。この数値基準については、多くの動物愛護団体から、具体的な数値基準がないために、劣悪な環境で動物を繁殖している業者などを行政が取り締まることができていない現状を訴えてきた経緯があります。

 そこで、国際的な動物福祉にかなった厳しい数値基準を入れるよう要求したいですが、動物の愛護及び適正な飼育の観点を踏まえつつというのはどのような数値基準を想定しているのか。臭気や室内の明るさ、ケージの大きさなど、どのような基準を検討しているでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 今回の二十一条の改正は、第一種動物取扱業者が遵守すべき基準を具体化することが望ましいとの判断によるものであります。

 提出者としては、科学的な根拠等を踏まえ、具体的な数値を環境省令で定めることを想定をいたしております。提出者としては、例えばケージの大きさや繁殖を行う頻度などについて、具体的な数値が環境省令で定められるものと承知をいたしております。

○福島みずほ君 環境省にお聞きします。

 そもそも、立法者の意図する目的を具体的な制度として実現していく立場にある環境省として、どのような数値基準を今後検討しようとしているのか、国際的な動物福祉にかなった基準になるのか、方針いかがでしょうか。

○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。

 環境省では、動物愛護管理法に基づきまして、動物取扱業者が守るべき基準を定めているところでございます。例えば、飼育を行うケージ等につきまして、個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる等の日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有するものとすること等の基準などを定めているところでございます。

 さらに、今回の改正案におきましては、こうした基準につきまして、動物の愛護及び適正な飼養の観点を踏まえつつ、基準に定める事項を具体化するとともに、特に犬猫につきましてはできる限り具体的なものとすること等が規定をされているところでございます。

 環境省におきましては、昨年三月に動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会を設置いたしまして、飼養管理基準の明確化等、適正な飼養管理の在り方について必要な調査検討を進めてきたところでございます。これらの検討を基に、二年後の施行に向けまして具体的な基準の設定に取り組んでまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 二十五条一項において、都道府県知事が、環境省令の定める事態が生じている場合は、必要な指導や助言ができると定めています。

 この点についても多くの愛護団体から、一生懸命に地域猫の保護活動をしている人たちへの指導がどのようなときに行われるのか、周辺住民の一方的な苦情だけで保護活動をしている人たちへの活動が制約されることはないのかどうか。生活環境に著しく支障が生じている場合といった限定的な運用とするべきではないでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 今回の法改正において第二十五条一項を設けた趣旨は、勧告の前の段階でより権力的でない手段である指導、助言を行うことができることとすることにより、より柔軟な対応を可能とするところにあります。

 地域猫に対する給餌、給水等について周辺の住民から苦情が出れば、直ちに都道府県知事から給餌、給水を止めるよう指導等がなされるということはございません。都道府県知事から必要な指導等がなされるのは周辺の生活環境が著しく損なわれている事態が発生している場合でありまして、それはすなわち、地域猫活動を行う者の猫に対する給餌、給水等によって周辺住民の生活に著しい支障を及ぼしていると認められる事態であって、かつ当該支障が、複数の周辺住民からの都道府県知事に対する苦情の申出等により、周辺住民の間で共通の認識となっていると認められる場合に限られるというふうに考えております。

○福島みずほ君 八週齢の規定はこの法律の公布後二年で施行、そして飼育環境基準もちょうど二年後です。マイクロチップは三年後というのが施行になっています。つまり、ブリーダーがあるいはペットショップが、様々なところの飼育環境基準がしっかりなっている、それと八週齢の完全な実現というのが、両方しっかり行われるということが本当に必要だというふうに考えております。

 また、動物愛護センターが、この条文の中では、殺処分の場所ではなくまさに動物愛護の場所になるようにということで、立法者がこれを規定していただきました。また、重罰化、動物殺傷罪についても、いろんな意見ありましたが、やはり引き上げてやろうというふうにみんなで決めたところです。

 是非、今回は一つのステップで、次またさらに改正案に向けて、法案が良くなるように、またこの法律改正案がしっかり施行されるように、また環境省におかれましては、飼育環境基準や、それから、八週齢の例外の日本犬のところの血統書付日本犬、天然記念物のところが拡大を絶対していかないようにしっかり監視してくださるようお願い申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございます。

○武田良介君 日本共産党の武田良介です。

 私自身もこの犬猫の殺処分ゼロの議連に加わらせていただき、PTにも加わらせていただき、一緒に今回の法改正に向けて力を合わせて仕事をさせていただきました。

 今回のこの条文をまとめていく作業、本当に各議員の先生の皆さん、御努力いただきましたし、関係者の皆さんにも心から敬意を表したいというふうに思います。

 前回の法改正は七年前だったということでありますけれども、この七年間で動物愛護に関わる大きな変化がやはりあったんだろうというふうに思います。例えば、今社会的にも大きな問題になっております、動物を虐待する動画をインターネットにアップするということは大きく波紋を広げましたし、それから多頭飼育崩壊という問題も取り上げられるようになりました。また、今お話もありましたように、ペットショップだとかブリーダーのところでの不適正飼養なども取り上げられてきた中であります。こうした問題が指摘される中での法改正、待たれていた法改正だろうというふうに思います。

 今回の法改正のポイントの一つに、第一種動物取扱業者に対する規制の強化ということがあるというふうに思います。
 この法案にあります一種業者が遵守しなければならない基準、これは動物の種類、習性、出生後経過した期間等を考慮して環境省令で定めるものというふうにされておりますけれども、この基準はどんな事項で定められるのか、またその数値を明示して定められることになるのかどうか、御説明いただけますでしょうか。

○衆議院議員(小宮山泰子君) 武田委員におきましても、本当に積極的に御協力いただき、また御参加いただいたことに心から敬意を表させていただきます。

 さて、今回の法改正においては、新二十一条二項において、第一種動物取扱業者が遵守すべき基準には、飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに管理に関する事項、動物の飼養又は保管に従事する従業員の員数に関する事項、動物の飼養又は保管の環境の管理に関する事項、動物の疾病等に係る措置に関する事項、動物の展示又は輸送の方法に関する事項、動物の繁殖の方法に関する事項、その他の動物の愛護及び適正な飼養に関し必要な事項を定めることとしております。また、二十一条三項において、犬猫等販売業者に係る基準は、できる限り具体的なものでなければならないとしております。

 提出者としては、科学的な根拠等を踏まえて、具体的な数値を定めることができるものについては数値が定められることを想定しております。

○武田良介君 この第一種業者の遵守基準について、八週齢の観点からもう一点お伺いをしたいというふうに思います。

 先ほどもありましたように、この八週齢の激変緩和措置が廃止されるということは私も大歓迎をしたいというふうに思っております。
 その上で、生後八週を迎えるまでの飼育環境が非常に大事だという指摘もあります。今御答弁いただきましたこの遵守基準が、生後八週までの飼育環境を適正なものとすることになるのかどうか、御説明いただけますでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 八週齢を迎えるまでの飼育環境の適正化が望ましいのは委員御指摘のとおりでございます。

 今回の法改正における新二十一条二項において、基準を定める場合には、動物の種類、習性、出生後経過した期間等を考慮することとしております。八週齢を迎えるまでの動物についても、これらの事項を考慮して、適切な基準が環境省令で定められるものと承知をいたしております。

○武田良介君 先ほどもありましたけれども、施設基準を明確にしていくという問題と、それから八週齢規制を行うこと、これ大変重要なわけですけれども、実際には二年後からということでありました。

 これはすぐにでも実施していく必要があるのではないだろうかというふうに私、考えておりますけれども、この点はいかがでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 施設基準については、専門的知見に基づく検討を要することから一定の時間を要するものと認識をしており、施行を二年を超えない範囲内としたものでございます。

 また、いわゆる八週齢規制に関する激変緩和措置の廃止については、犬猫等販売業者に対する影響が少なからずある可能性も否定できないというふうに考えました。

 これらのことから、確実に八週齢規制を導入できるように、施行を二年を超えない範囲内としたものでございます。

○武田良介君 ありがとうございました。

 今回の法改正のもう一つのポイントに、先ほど少しお話がありました、動物愛護センターではなくてこれを動物愛護管理センターというふうに改めて設置をしていく、また動物愛護管理担当職員の設置ということもあるというふうに思います。

 私も一つ御紹介したいと思うんですけれども、私、議連の副会長でもあります井上哲士参議院議員とともに、長野県の小諸市にある動物愛護センター、これは通称ハローアニマルというふうに呼ばれておりますけれども、ここに行ってまいりました。ここは、動物について学び、触れ合いを通じて命の大切さや相手を思いやる気持ちを育み、人にも動物にも優しい社会をつくることを目指しているということで、処分施設を併設しない、動物愛護に特化した施設というふうになっております。こういう多面的な取組をされているわけです、ここでは。

 例えば、小学生などにハローアニマルに来ていただいての動物ふれあい教室というものをやっていたり、また逆に訪問をしていく動物ふれあい出前教室というのもやられているそうです。この訪問先というのも、社会福祉施設だとか病院だとか、こういったところも含めて、このふれあい訪問活動は土日を通じて年間約百日やられているということでありました。

 今回の法案で動物愛護管理センターの設置が位置付けられるわけですけれども、こういう長野県のふれあい訪問活動に取り組むハローアニマルの経験は大いに参考にできるのではないだろうかというふうに考えておりますけれども、この点いかがでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 私も資料で知っているだけでまだ行ったことがないので、是非次の機会に行ってみたいというふうに思っております。環境省においても長野県にヒアリングしているということでございますので、その実態については承知をしているんじゃないかというふうに考えております。

 今回の動物愛護法の改正の中で、私も特に取り組んできたのが、動物愛護センターを変えていこうじゃないかというのが元々ございました。動物愛護センターという名前でありながらその中に殺処分施設を併設しているというのはもういかにもおかしいということで、衆議院の討議におきましても、殺処分はきちんと国際的基準に合った形でしか殺処分はできないというふうに議論をし、その具体的なことはどういうことかといえば、二酸化炭素による殺処分、動物が苦しんで死ぬというようなことは決してあってはならないことだということで、それは今後認めないということになっているというふうに我々も解釈をいたしております。

 しかし、すぐに殺処分の設備を全部壊してしまってほかのものに変えるというには、もちろん予算等の措置も必要でありますのですぐにはできないとは思いますが、少なくとも殺処分に関しては、そういう動物に対して苦痛を与えるような形での殺処分は今度の改正によって今後はないものというふうに考えております。

 そして、本来の動物愛護センターという名前にふさわしいような施設に変えていかなければいけないというのは、例えば欧米諸国のそういう施設を見れば、今、長野県で取り組んでいるような取組がなされており、やっぱり子供たちや地域の人たちが訪れて命の大切さというのをそこで学ぶという施設になっている。日本の動物愛護センターは、そこで働いている方たちは本当に動物を愛している方たちが多い中でもつらいことをやらなければいけないという現実がありましたので、本当の意味で動物愛護センターに変えていくように我々も努力をしていきたいし、衆議院でも議論になったんですけど、環境省の動物愛護に関する予算が非常に少ない、これをもっと本当に、一桁の億単位では少な過ぎるので、尾辻先生もおっしゃっておりましたが、百倍ぐらいまでこれを拡大せないかぬというふうに我々考えておりますので、参議院の先生方の御協力も是非ともよろしくお願い申し上げます。

○武田良介君 私たちが視察に行ったときにも、ハローアニマルにいろんな部屋がありますけど、近所の小学生も来て自由に、何というんですか、居場所を提供するということも含めて職員の方がやっていらっしゃいました。非常に愛護センター、ハローアニマルの敷居を下げるといいますか、触れ合い交流を大切にしている施設だということを感じたところです。

 このハローアニマルに行かせていただいて私もう一つ学ばせていただいたのは、ハローアニマルサポーターというのを育成するということを努力されておられました。つまりボランティアなんですけれども、その年約百日あるというふれあい訪問活動などで行く際に、職員だけではやはり人が足りない、こういうボランティア、サポーターの方と一緒に訪問されるというお話でありました。このハローアニマルの体制は、お聞きをしましたら、獣医の方が六名いらして、事務の方が四名、このサポーターの方は、二〇一六年の数字ですけれども約百名の方が登録されているということでありました。

 今回の法改正でも、三十八条のところで、都道府県知事は、動物愛護推進員を委嘱することができるという条文があると思うんですけれども、推進員、そのボランティアを広げていくというときに、こういう長野の取組というのもまた横展開をするといいますか、広げていただくことも大事ではないかなというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○衆議院議員(生方幸夫君) 委員も御承知のとおり、動物愛護に関してはもう本当に様々な動物愛護団体がいろんな面で活動をされております。ボランティアの活動というのが動物愛護には欠かせないものというふうに承知をいたしております。

 それらの団体が相互に連携し合いながら、また行政とも連携し合いながら、動物がいかに安心して生きていけるか、我々の伴侶として一緒に活動していけるのかということをやっておりますので、行政面からもそれをきちんと担保できるような形で、行政の方からも愛護団体の方をサポートできるような体制になれば一番いいんではないかというふうに考えております。

○武田良介君 時間が来ていますので、最後に、多頭飼育崩壊に関わって一問聞かせていただきたいと思うんですが、今回の法改正では、二十五条ですか、周辺の生活環境が損なわれている事態に対する措置ということも規定されておりますし、三十七条のところで、適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合の不妊の手術その他の措置をするように努めなければならないというような規定があるというふうに思います。

 私はさらに、その飼い主に対する人間の福祉の観点からの支援ということも大切になるのではないかということを考えております。例えば、保健師の方とか精神保健福祉士の方、あるいは消防だとか環境汚染の問題の専門家の方だとか、こういった方と連携した形での支援、自治体の動物以外の部署も協働した支援が大切ではないかというふうに思っております。

 今回の法改正で、多頭飼育崩壊に陥ってしまうようなそういう飼い主に対する支援、動物愛護の部署だけではない広く連携した支援というのは今回の法改正で拡充されるものなのでしょうか。

○衆議院議員(小宮山泰子君) 御指摘のとおり、飼い主が犬や猫を増やし過ぎて世話ができなくなるいわゆる多頭飼育崩壊が全国各地で問題となっております。この問題は、地域から孤立した単身高齢者など関わるケースが多いということも明らかになってきております。

 対応に当たっては、社会福祉分野との連携は重要でありますし、今回の法改正では、動物の愛護及び管理に関する業務を担当する地方公共団体の部局と福祉に関する業務を担当する地方公共団体の部局による連携の強化について、国が情報の提供、技術的な助言等に努めるとしております。政府においては、情報の提供、技術的な助言等に努め、

動物愛護担当者や福祉部局の連携が強化されるように心掛けることを望んでおります。

○武田良介君 先日の日経新聞にも、ペット多頭飼育崩壊を防げということで記事が掲載されておりました。ここでは例えば長野市の取組ということで紹介もありまして、長野市では、その多頭飼育している高齢者の自宅を訪問する際に、動物愛護の担当者のほかに、ケアマネジャーだとか、その福祉職の方が実際に同行されているということでありました。生活を立て直すためにどうすべきかという視点から説得するのが福祉職の方の役目であるということでありました。動物と福祉の部署の情報共有、早期対応を心掛けているということで紹介がされておりました。

 こういう取組がまた引き続き大事になってくるというふうに思いますし、今回の法改正が動物愛護に更に資するように、不適正飼養や多頭飼育の問題を含めて資するようになることを願いまして、私からの質問を終わらせていただきたいと思います。

○委員長(那谷屋正義君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。

   〔賛成者挙手〕

○委員長(那谷屋正義君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、宮沢君から発言を求められておりますので、これを許します。宮沢由佳君。

○宮沢由佳君 私は、ただいま可決されました動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。

    動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一、動物取扱業者による不適正な飼養・保管が後を絶たない現状に鑑み、地方自治体が、動物取扱業者に対する立入検査を積極的に行い、必要に応じ勧告、命令及び登録取消し等の行政処分並びに刑事告発も適切に行うよう、規制の実効性を担保するための必要な措置を講ずること。

 二、動物取扱業者が遵守すべき具体的な基準の策定に当たっては、地方自治体の改善指導の根拠として実効性のある客観的な指標となるよう、十分な検討を経て、できる限り具体的な基準を設定すること。また、基準の遵守を徹底するため、動物取扱業者への周知や地方自治体職員に対する研修の実施等、施行に向けた体制整備の強化を図ること。なお、第一種動物取扱業の登録又は更新について、立入検査をもって基準の遵守状況の確認を行うことを検討すること。

 三、第一種動物取扱業については、様々な業種について登録制の規制が適用されていることに鑑み、業種や事業規模に応じた規制の細分化について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 四、家畜化されていない野生由来動物の飼養については、動物の本能、習性及び生理・生態に即した適正な飼養の確保が一般的に困難なことから、限定的であるべき旨について周知徹底を図るとともに、人獣共通感染症防止や動物の健康や安全の保持等の観点から、触れ合いを含む動物展示施設等の動物に係る飼養管理基準の在り方について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 五、第二種動物取扱業者について、地方自治体の譲渡先として譲渡に関わる団体が動物を受け入れて不適正な飼養管理の状態となる事例も生じていることに鑑み、動物の譲渡に当たって譲渡先団体が受入れ可能か確認するなどの適切な指導が行われるよう、地方自治体に対し周知する等の措置を講ずること。

 六、動物虐待等への対応に当たっては、動物虐待等の該当性の客観的な判断に資するよう、事例の集積及びそれらの分析・評価を進め、それによって得られた知見を活用した地方自治体職員等の人材育成を支援するとともに、関係機関及び民間の団体等との一層の連携強化を図ることを通じて、その対応を強化すること。また、動物の遺棄・虐待防止のために、動物虐待等の該当性などについて、普及啓発に努めること。

 七、特定動物の飼養・保管の許可については、人体への危害の防止、住民不安の解消、災害時の対策等の観点から、娯楽、触れ合い等を目的とした飼養・保管を規制する措置も含めた規制の在り方を検討すること。また、飼養施設の強度を担保し逸走防止策を図るだけではなく、移動檻での常時飼育などの不適切な扱いを防止し、特定動物のアニマルウェルフェアについても指導、監視できるよう検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 八、本改正による動物愛護管理に係る諸施策を着実に実施するため、動物愛護管理行政の実態に即した必要な体制及び職員数の充実に向けて、万全を期すよう努めること。
 九、所有者不明の犬猫の引取り拒否の要件の設定に当たっては、狂犬病予防法との整合性、当該犬猫に飼い主がいる可能性及び地域猫活動等も考慮し、地域の実情に配慮した要件を設定すること。

 十、地方自治体における動物収容施設については、収容動物に対する適切な飼養管理を図る観点から、その実態把握を踏まえ、適正な施設や管理の水準等に係る指針の策定を、第一種動物取扱業の基準に準じる形で検討すること。

 十一、犬猫へのマイクロチップ装着の義務付けに当たっては、制度の実効性確保の観点から、犬猫の種類によって扱いに差異を設けることなく、一般飼養者等へのマイクロチップの装着や情報登録等の重要性等についての普及啓発を推進するとともに、各地方自治体や関係機関におけるマイクロチップリーダー等の配備を促進すること。また、マイクロチップ登録情報の一元管理化及び同情報の情報管理の徹底等について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

 十二、畜産農業に係る動物に関して、本法及び本法の規定により定められた産業動物の飼養及び保管に関する基準を周知し、遵守を徹底するよう必要な措置を講ずること。

 十三、諸外国等におけるアニマルウェルフェア及び脊椎動物の心身の苦痛の感受性に関する調査研究並びに動物の取扱いに係る制度・運用の事例等について、我が国の動物の取扱いに係る制度の在り方の検討に資するよう、情報の収集・整理を精力的に進めること。また、国際的なアニマルウェルフェアの基本原則である五つの自由について十分に配慮して、動物愛護管理に係る諸施策を執り行うよう、飼養保管基準の遵守義務をはじめとした法制度の理解の浸透・周知徹底を図ること。

   右決議する。
 以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○委員長(那谷屋正義君) ただいま宮沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。

   〔賛成者挙手〕

○委員長(那谷屋正義君) 全会一致と認めます。よって、宮沢君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、原田環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。原田環境大臣。

○国務大臣(原田義昭君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ、努力してまいる所存でございます。

○委員長(那谷屋正義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(那谷屋正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

▼改正経緯のページ
動物愛護管理法 改正 まで 活動 履歴 アクション 呼びかけ 国会ロビー

▼改正法についてのページ
2019年改正 動物愛護管理法 2020年 2021年 施行

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