動物の輸送時の福祉について
輸送は、動物にとって最もストレスがかかる行為です。動物の輸送をめぐる参考情報のまとめです。
目次
EU 輸送中の動物の保護および取り扱いに関する理事会規則(EC/1/2005)
2007年制定。加盟国に直接法的拘束力がかかっています。加盟国は、この規則を守らなければなりません。(これ以前は、「輸送中の動物の保護に関する理事会指令(91/628/EEC)がありましたが、これは加盟国に直接法的拘束力はなく、各国が法律を定めなければなりませんでした)
EUでは、犬猫生後8週齢未満の取引ができない法的根拠には、この輸送規則があることが挙げられます。
- EUでは、動物輸送規則で8週齢未満犬猫の輸送が禁じられています
- EUでは、加盟国に対して法的拘束力のある動物輸送規則(Regulation)で、生後8週齢に満たない犬猫を親と引き離して輸送することが禁じられている。
- 生後8週齢に満たない犬猫でも母親と共に輸送することはよいが、すべての動物で分娩後1週間以内のメスは輸送禁止。へそが完治していない哺乳類の新生児も輸送禁止。
- 経済活動として動物を輸送する者に対してかかる規制で、獣医の指示の下で動物の医療のために行われる動物の輸送には適用されない(1条5項)。
国際獣疫事務局(OIE)陸生動物コード
世界の動物衛生の向上を目的とした政府間機関であるOIEは、2005年に輸送に関する福祉規約を定めています(海上輸送、陸上輸送、空路輸送)。日本政府も加盟しているという意味で、日本の動物福祉政策としては、この輸送に関する福祉規約を遵守する必要があるでしょう。
実験動物の輸送については、陸生動物衛生規約の中の実験動物の章で、輸送時の取扱いについて定められています。
CITES(ワシントン条約)
ワシントン条約上も、生きた動物の取引において、輸送は配慮されるべき事項となっています。というよりむしろ、輸出入許可における動物福祉的配慮については、輸送くらいしか配慮されていない状況です。
- 決議10.21(Cop.16で改正) 生きている動物の輸送(トラフィックの翻訳ページへリンク)
空輸に関する国際的なガイドライン
- 国際航空運送協会(IATA)「生きている動物に関する規則」(英語サイトへリンク)
日本国内の畜産動物輸送のガイドライン
畜産技術協会
日本食肉生産技術開発センター