以前、市民団体による化粧品の動物実験に関する意識調査論文を掲載してくださった専門誌「FRAGRANCE JOURNAL」で、動物実験を用いない安全性評価の現状について特集です。これまでも何度か特集されていますが、代替法の検討・採用の状況が広がっていることを受け、より幅広いく包括的な内容になっていると感じました。
内容は専門的ですが、安全性評価について、世界がどう動物から脱却しようとしているかの今を知るには、よくまとまった一冊だと思います。
「FRAGRANCE JOURNAL」2019年9月号
出版年月日 2019/09/15
ISBN 4910895470993
判型・ページ数 B5・116ページ
定価 本体2,667円+税
【特集】化粧品の安全性と課題
EUでは化粧品における動物実験が禁止され、製品や原料についての安全性を評価するにあたり、代替法が重要な役割を担うようになっています。日本では法的に動物実験が禁止されていないものの、世界の潮流は動物実験廃止の方向で着実に進んでいます。そのような状況の中、化粧品及び原料の安全性を保証するためにどのように取り組んでいくのか。その現状についてまとめていただきました。
●皮膚科医から化粧品の安全性評価の問題点
…東邦大学 伊藤正俊
●化粧品の安全性評価における国内外の動向
… 国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 小島肇夫
●動物を用いない化粧品原料の安全性評価
…資生堂 グローバルイノベーションセンター 跡部朋美・上月裕一
●動物実験を用いない全身毒性の評価
…コーセー 安全性・分析研究室 今井教安・後藤祐一郎・藍澤早希子
●STE法及びin vitro試験法の組合せによる動物を用いない眼刺激性評価
…花王 安全性科学研究所 安保孝幸
●再構築ヒト3次元表皮モデルによる皮膚刺激性試験法
…日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター 谷口浩久,日本ロレアル 専属コンサルタント 實川節子
●光安全性を評価する試験法の概要―新OECD TG495/ROSアッセイの位置づけ
…きれいテストラボ 齋藤恵梨香・望月慶太・岩井一郎
●皮膚感作性試験(h-CLAT)の偽陰性評価を改善する試験法の開発
…食品薬品安全センター秦野研究所 成田和人・須井 哉,ITACSコンサルティング 板垣 宏
●化粧品におけるリスクアセスメント
…ポーラ化成工業 フロンティア研究所 豊田明美
●化粧品受託試験の現状から見た安全性担保の課題と今後の方向性
…ニッコールグループ ニコダームリサーチ 京谷大毅
●化粧品の安全性情報としてのSSCI-Netの活用と今後の課題
…SSCI-Net 杉山真理子