北海道能取湖

映像記録「能取湖の奇跡~コリンからの手紙~」 能取湖のシロイルカ、コリンからのメッセージ

はぐれイルカのコリン

2015年、北海道網走市のオホーツク海とつながる能取(のとろ)湖に1頭のメスのシロイルカ(ベルーガ)が現れるようになりました。そのシロイルカは「コリン」とよばれ、能取湖の人々と交流しました。シロイルカは数千頭の大きな群れで暮らしますが、コリンは群れからはぐれた「はぐれイルカ(ハーミットドルフィン)」のようでした。残念ながらコリンは2020年に傷だらけの姿で打ち上げられており、スクリューに巻き込まれて死亡したとみられています。

PEACEでも以前、こちらの記事でコリンのことをご紹介したことがありましたが、このたびコリンが能取湖で過ごした5年間の映像記録「能取湖の奇跡~コリンからの手紙~」が公開されたことを「海・イルカ・人」より教えていただきました。

「能取湖の自然環境を見守る会」のサイトで、動画をぜひご覧ください。

lake-notoro

早いもので、「コリン」が亡くなってから、いつの間にか5年が過ぎようとしています。随分時間がかかってしまいましたが、「コリ…

イルカと人とイルカショー

福井県の海水浴場では、はぐれイルカのミナミハンドウイルカが海水浴客に噛みつくようになり、「かみつきイルカ」として問題になりました。人々が野生のイルカに近づきすぎ、イルカが人なれしすぎたために人を恐れなくなったのです。この背景には水族館やイルカショーによる、イルカについての誤った先入観があります。イルカショーではイルカは人に従う動物として見せています。人間が都合よく楽しむために一方的にイルカを狭い水槽に閉じ込めて調教し、野生と自由を奪ってきました。

能取湖の人々はコリンの野生と自由を尊重し、コリンを見守りました。「能取湖の自然環境を見守る会」ではコリンの保護や関わり方が話し合われました。コリンの死後も、コリンの保護や関わり方についての見直しや再考がされています。

海と野生と自由

船を出せばコリンに会えるかもしれない、会えないかもしれない。それは野生に生きるコリン次第です。時にはコリンは深い傷を負った姿で現れて人々を心配させました。しかし、驚くべき治癒力で回復し、生き延びるコリンの姿に、野生の生命力と自然の厳しさを思い知らされます。

漁具で遊ぶコリンの姿はとても「かわいい」のですが、コリンの記録映像は「かわいい」だけでありません。水族館のイルカにイメージするような「ファンサービス」もありません。私たちはコリンとの関りから、自然や動物の保護と尊重について考える必要があります。

ぜひ「コリンからの手紙」に込められた、海と野生からのメッセージを受け取ってください。

lake-notoro

早いもので、「コリン」が亡くなってから、いつの間にか5年が過ぎようとしています。随分時間がかかってしまいましたが、「コリ…

関連記事

関連記事

日本沿海はシロイルカ(ベルーガ)の生息域ではありませんが、ときどき、群れからはぐれた、はぐれイルカがあらわれることがあります。オホーツク海とつながる海水湖である能取湖に、去年、船のスクリューによる事故で死ぬまで、はぐれシロイルカのコリン[…]

関連記事

タイトル部分の写真は新屋島水族館のイルカの餌やり体験。世界中の水族館に水槽を納める企業が、日本ではこんなことをやっている。福井県の海水浴場で、野生のミナミハンドウイルカに海水浴客がかみつかれる事例が相次ぎ起こりました。かつては「すず[…]

北海道能取湖
最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE

動物の搾取のない世界を目指して

PEACEの活動は、皆さまからのご寄付・年会費に支えられています。
安定した活動を継続するために、活動の趣旨にご賛同くださる皆さまからのご支援をお待ちしております。

CTR IMG
Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial