すでにイルカショーを廃止しているアメリカのボルチモア国民水族館ですが、新たに海にサンクチュアリを創設し、2020年までに飼育中のイルカたちを移す計画を公表しました。北米初のイルカサンクチュアリ計画とのことです。
水族館のサイトにすでにFAQなどが掲載されていますが、詳細はハフィントンポスト日本版が翻訳記事を掲載しています。
- ハフィントンポスト:
狭い水槽に人間の目…ボルチモアの水族館は決意した。イルカのために。
2016年06月17日
国民水族館のサンクチュアリのページはこちら:
- National Aquarium:sanctuary
(参考:開設当初のページのアーカイブはこちら)
重要なコンセプトは、イルカたちに熱帯もしくは亜熱帯の自然環境を提供し、自然な刺激を与えること、また社会的な群れの形成を目指すことにあり、専門家との協働などもうたわれています。また、この「ムーブメントに参加を」ということで寄付も募られています。
日本では、まだイルカ追い込み猟で野生のイルカを生体捕獲していますし、日本動物園水族館協会加盟の水族館も、追い込み猟からのイルカ導入を止めたと言っても「繁殖を進めなければいけない」と考えているような段階です。
しかし、世界的にはイルカの飼育は廃止の方向にあり(エルザ自然保護の会の調査参照)、アメリカでも、シーワールドのシャチ繁殖廃止に続いて、新たな動きが出てきました。
まずは狭いタンクからイルカたちを出したいというのは多くの人たちの願いです。日本でも参考にできる先行事例となることを期待したいと思います。
※「国立」と訳していましたが、いわゆる国保有・運営の水族館ではないとのことで、訳を修正しました。
サンクチュアリ(自然環境を使った保護飼育区域)では、より本来の生息地に近い環境で、ショーや展示、食肉などに利用されずに、動物たちを保護し、終生飼育します。サンクチュアリにいるのは、サーカスや畜産場などの劣悪な環境からレスキューされた動物たち[…]