名古屋港水族館のシャチ「ステラ」、５年ごとの賃貸借契約から１年ごとの飼育業務委託契約に変更されている│PEACE 命の搾取ではなく尊厳を

追記：ステラは2024年3月29日、名古屋港水族館から神戸須磨シーワールドに移送されました。貸与の契約更新はなされませんでした。以下は2023年８月時点の記事をそのまま掲載しています。

５月31日をもって閉園した神戸市立須磨海浜水族園の跡地に、サンケイビルを代表企業とする「神戸須磨Parks+Resorts共同事業体」が新水族館「神戸須磨シーワールド」を建設中です。国際的には囚われの身の鯨類の解放が叫ばれている時代ですが、信じられないことに、鴨川シーワールドを運営する株式会社グランビスタホテル＆リゾートが、ここでもシャチのショーや繁殖を行うとしています。

日本国内で水族館に幽閉されているシャチは現在７頭しかいませんから、どのシャチを神戸に移すのか？という問題もあるのですが、その点についてはいまだ明らかではありません。野生では母系の血縁関係でポッド（群れ）をつくって生きるシャチですが、人間が楽しむために「家族」が引き離されるのではないかという懸念が持たれています。

日本で飼育されているシャチの一覧

日本で現在飼育されているシャチの一覧です。（2024年4月25日更新）日本でのショーのために多くの野生のシャチが捕獲されてきましたが、現在野生生まれで生き残っているのはステラだけで、高齢です。オスは名古屋港水族館のアースだけ[…]

１頭気になるのが、名古屋港水族館で飼育されているメスの「ステラ」です。名古屋港水族館のシャチ３頭のうち、このステラだけは所有権が名古屋港管理組合ではなく、鴨川シーワールドにあるからです。（神戸市からは鴨川シーワールドのシャチを移動させると聞いているとの回答を得ています）

2011年、鴨川シーワルドにいたステラは、メスの「ラビー」と３か月違いで妊娠したために、緊急で名古屋港水族館に移送されました。２頭ほぼ同時にシャチを安全に出産させるためのキャパシティーが鴨川シーワルドになかったからです。ステラは第５子の妊娠中に、オスの「ビンゴ」、第４子の「ラン」とともに名古屋港水族館に移されました。空輸されたラン以外はコンテナで海上輸送され、およそ40時間もかかっています。

現在、名古屋港水族館にいるのはステラと、ステラが生んだ第５子の「リン」、４億８千万円で鴨川シーワールドから譲渡されたオスの「アース」（ラビーの子）です。ステラと一緒に移された第４子のランは、アースと交換で再び鴨川シーワールドに戻されたため、生き別れとなっています。

ステラについては、その後、鴨川シーワールドとの間に５年間の賃貸借契約が結ばれ、一度５年間貸与で更新された後の契約期限切れが、昨年の３月31日でした。そのため、名古屋港水族館を運営する名古屋港管理組合に問い合わせたところ、現在の契約は「令和５年４月１日～令和６年３月31日」との回答がありました。

驚いたことに、１年間です。５年契約ではなくなったのか？と思い、確認のため再度問い合わせたところ、去年、５年間の賃貸借契約から１年の飼育業務委託契約に変わっていたことがわかりました。

シャチ「ステラ」は、令和４年３月３１日まで㈱グランビスタホテル＆リゾートと賃貸借契約を締結していましたが、同社から令和４年４月１日から令和５年３月３１日まで名古屋港水族館にて飼育してほしいとの要請があり、飼育業務委託契約を締結しました。その後、同契約期間の延長要請があり、令和５年４月１日から１年間期間延長しています。

これが神戸に移すためなのかどうかについては、わかりません。「決まっている事はありません」との回答です。しかし、去年、ステラは鴨川シーワールドに返却する予定で、予算組みまで考えていたそうですが、鴨川シーワールドのほうから１年の飼育延長をお願いされたのだそうです。それが再び今年、１年延長されています。

神戸須磨シーワールドの開業は、来年の６月の予定。

どのような組み合わせでシャチたちが再配置されるのかはわかりませんが、彼ら彼女らが人間の娯楽のために翻弄され続けることは間違いありません。

鯨類の展示が法的に禁止されることになるフランスからシャチを移動させるのではないかという問題も浮上しています。フランスの団体の署名へのご協力、引き続きお願いします。

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神戸須磨シーワールドはシャチをフランスから手に入れる計画？！　阻止するための署名にご協力ください

Photo 135636426 © Marky62 | Dreamstime.com最新のアクション情報はこちらです。下記の署名も引き続きご協力ください。イルカ・シャチのショーを禁止したフランスフランスでイルカショーが禁止さ[…]