飼育下のシャチによる人身事故
シャチによる人身事故はWikipediaに掲載されているだけでも30件以上
海外の団体の事故報告書より重傷・死亡事例一覧

抜粋
- シーワールドは、1988年以来、シャチとトレーナー または施設来園者との間の攻撃的または潜在的に攻撃的な相互作用の「事故記録」を保管している。その年から 2011年まで、シーワールド・オーランドだけで98件の事故が記録された。
- これは、多くの攻撃的な相互作用が記録されていないこと が知られているため、過少に公表された事故総数である。実際、シャチの攻撃がもたらす危険性は非常によく知られており、主要な海洋哺乳類 獣医ハンドブックには(上記の死亡事件より前に 出版されたもの)、この攻撃が「重大な懸念」であり、いくつかの状況が「生命に関わる可能性のある事件」を引き起こしたと記載されている。
- 米国の従業員安全機関であるOSHAは、1970年の米国労働安全衛生法に対する「故意の」違反についてシーワールドオーランドを召喚した。シーワールドはこの召喚に異議 を申し立てたが、聴聞会中に、12件を超える重大な傷害を引き起こした100回以上のシャチによる危険行動に起因する事件の詳細を記録した記録書と報告書が、裁判所に提出された。この報告書は、実際の負傷事故数を実際より少なく表記していることはほぼ確実であると判断され た。
シャチによる事故~日本
2001年8月 アドベンチャー・ワールド
シャチのケンカに巻き込まれ、トレーナーが右大腿部骨折
2001年ほか 鴨川シーワールド
少なくとも2件のトレーナー負傷事故
シャチによる事故~海外
2024年9月 アメリカ・オーランド シーワールド
トレーナーがシャチの訓練中に負傷
2024年9月、アメリカのシーワールド・オーランドの従業員がシャチとのトレーニング中に負傷した。ケガの詳細は公表されていない。2025年3月21日、アメリカ 労働省は、シャチとともに作業している間、トレーナーが危険から適切に保護されていなかったとして、1万6,550ドルの反則金をシーワールドに対して命じた。
2022年6月 アメリカ・オーランド シーワールド
シャチに腕を噛まれ、トレーナーが数カ所の骨を折る重傷
2022年6月13日、アメリカ・フロリダ州オーランドのシーワルドで、トレーナーがシャチに腕を噛まれ、数か所の骨を折る重傷を負った。この事故は、報道番組の「ニュース6」がアメリカ合衆国労働省労働安全衛生局(OSHA)の調査報告書を入手するまで、ほとんど知られていなかった。
事故は、トレーナーがシャチの「マリア」の口をゆすごうとしたときに起きた。歯や口蓋の上部にペンキや食べかすの残骸が付着していたため、トレーナーはそれを取り除こうと、水とフッ素を入れた加圧ポンプ式スプレーボトルを用いた。マリアの口に水を吹きかけ、スプレーを左右に振り回したところ、シャチはトレーナーの右手を内側にしてそっと口を閉じた。抵抗を感じるとシャチはすぐに口を開けたが、トレーナーは右前腕と手首の複数の骨折を修復する手術を受けることになった。
この事故について、オレンジ郡消防局は「ニュース6」の取材に対し、トレーナーを搬送した記録はないと述べている。
2010年のトレーナー死亡事故でシーワールドは罰金を課されたが、この事故に対しては、OSHAは罰則を課さないとした。シーワールドには、クジラの口から3フィート以内に近づかないことなどのマニュアルがあった。
A trainer at SeaWorld Orlando was severely injured last year…
2010年2月 アメリカ・オーランド シーワールド
女性トレーナーがシャチに襲われ死亡 シーワールドは反則金支払いへ
2010年2月24日、アメリカ・フロリダ州オーランドのシーワールドで女性トレーナー(40歳)がシャチに襲われて死亡。シャチは「ティリクム」。「ティリクム」によると考えられる3回の人身事故については、映画『ブラックフィッシュ』で詳細が描かれている。
【2月25日 AFP】米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)のマリンパーク「シーワールド(SeaWo…
2010年8月に労働安全衛生局(OSHA)は3点の違反についてシーワールドに計7万5千ドルの反則金を命じたが、シーワールド側はこれに異議を唱えた。2011年6月に訴訟が終結し、シーワールドは2つの違反に対して計1万2千ドルの罰金を支払うこととなった。
2007年・ 2009年 スペイン カナリア諸島テネリフェ島 ロロパルケ(ロロパーク)
トレーナーがプールの底に引きずられて重傷事故や死亡
2007年10月、トレーナーのクラウディア・フォルハルト氏は、シャチのテコア(Tekoa)に鼻先で足を押させて水上に上がるトレーニング中に、腕を噛まれて水中に引きずりこまれた。さらにテコアはプールとプールを隔てる鉄のゲートまで引きずり、ゲートに打ち付け、フォルハルト氏は腕を骨折し、右肺を負傷。
シャチ同士の対立が激しく、トレーナーのいうことをきかず、ショーを中断することもある中で、さらなる痛ましい事故が起きた。
また、2009 年 12 月 24 日、トレーナーのアレクシス・マルティネス氏(29歳)はトレーニング中にシャチのケト(Keto)にプールの底へ押し込まれ、死亡した。ケトを何とか浮上させ、マルティネス氏をプールから引き上げると、複数の圧迫骨折、臓器の損傷、噛み傷などの重傷を負っていた。死因は臓器の損傷を伴う胸腹部の圧迫と窒息とされている。 マルティネス氏はケトに激突され、胸部が陥没した可能性が高い。
ロロパルケはこれらの事件をシャチが原因であることを認めず「事故」と発表、その不透明性と虚偽の報告が「ホエール・サンクチュアリ・プロジェクト」の報告書で指摘されている。
なお、トレーナーを襲って死亡させたケトは、1995年にシーワールド・オーランドの飼育下で生まれたオスのシャチで、2024年に29歳で原因不明で死亡している。ロロパルケのシャチたちの歯はプールを噛んですり減っており、塗装を飲み込んでいた。
参考
Whale Sanctuary Project “Report on Orca Welfare at Loro Parque: Past and Present ”
Tim Zimmermann “Blood in the Water“(Jul 15, 2011, Outside)
2007年4月 アメリカ・サンディエゴ シーワールド
シャチの飼育員が人工授精作業中にシャチの尾びれに弾かれて負傷
2007年4月10日、カリフォルニア州サンディエゴのシーワールドで、シャチの女性飼育員(35歳)が人工授精作業中にシャチの尾びれに弾かれて負傷。
【ロサンゼルス/米国 11日 AFP】カリフォルニア(California)州サンディエゴ(San Diego)のマリン…
2006年11月 アメリカ・サンディエゴ シーワールド
2週間の間に2件の事故
2006年11月15日、サンディエゴのシーワールドでシャチショーが行われていた際、シャチのオーキッド(Orkid)が、トレーナーの一人(Brian Rokeach)の足をくわえて水中に引きずり込み、シャチのほうがトレーナーに「乗る」インシデントとなってしまった。トレーナーは靭帯を断裂。
この2週間後に、トレーナーが別のシャチに襲われる事故が起き、こちらのほうが広く知られている。ショーの最中、トレーナーのケネス・ピーターズはカサトカ(Kasatka)という名の28歳のメスのシャチに何度も噛まれ、水中に沈められた。カサトカはピーターズの足を噛み、約1分間プールの底に引きずり込んだ。ピーターズは足を骨折し、噛み傷を負った。
関連情報
映画『ブラックフィッシュ』
これらの事故を取り巻く諸問題、すなわち野生動物であるシャチを幽閉すること自体が彼らの心身の健康・社会性等を不自然に歪めていること、水族館が労働問題として真摯に向き合っていないこと等は、映画『ブラックフィッシュ』で広く知られることとなった。詳細は、映画紹介のページを参照。
2013年に公開され、アメリカ「シーワールド」の経営に打撃を与えたことで知られるドキュメンタリー映画『ブラックフィッシュ(Blackfish)』。日本未公開ですが、Amazon Prime Video で日本語字幕版を見ることができます。[…]
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