イルカとのふれあいサービスでの人身事故

水族館などで、飼育下に幽閉したイルカを触らせたり、一緒に泳がせたりするサービスが行われています。イルカと交流できるすばらしさばかりが宣伝されていますが、実際には事故も起きています。イルカは野生動物であることを忘れてはいけません。まして、人間は、イルカたちを狭い水槽に閉じ込めているのです。

海外の文献でもよく紹介されている人身事故は、日本のこちらの事例ですが、海外でも起きているので、最近のものから掲載していきたいと思います。(まだ追加します)

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ちなみに、イルカセラピーの効果のほどですが、日本の麻布大学でイルカセラピー研究に携わった研究者ご本人が、「億単位の金をつぎ込んだがダメだった」と動物愛護関連のシンポジウムで発言していました。

コメント抜粋

「観光客向けのアクティビティは規制されるべきです。イルカは大きな海洋捕食動物なのです。狭い空間に閉じ込められて自然とは程遠い環境で飼育されれば、このような事故は起きてもおかしくないのです。イルカは人懐こく、遊ぶことが好きであると誤解している人が多いようですが、野生動物であることを忘れてはいけません。イルカに噛まれたり、攻撃されて骨を折ったりといった事故はこれまでに多数起きているのです。」
―World Animal Protection ニック・スチュアート
(TechinsightJapan「イルカと泳ぐツアーに参加していた英の10歳女児 海中に引きずり込まれケガ」2019年12月4日より)

2021年6月 ウクライナ
水族館でプールに近づいて手を伸ばした6歳男児が、飛び出してきたイルカに手を噛まれた

ウクライナのオデッサにある水族館「ネモ(Nemo)」で2021年6月6日、イルカプールのそばにいた6歳男児が、水中から飛び出してきたイルカに手を噛まれた。

プールの周りにはロープが張ってあったが、男児はロープの上から右手をまっすぐに伸ばしており、イルカは水面から顔を出すと体を乗り出すようにして男児の右手に噛みついた
この時の様子は母親が動画に収めており、男児は噛まれた瞬間に「ああ!」と叫び、それまで笑っていた母親も驚愕の声をあげている。男児はそのままイルカに右手を持っていかれそうになりバランスを崩すが、イルカは途中で口を離し、水中に引きずり込まれることは避けられた。
事故が起きたのはイルカのショーが終わった直後で、男児は右手に深い傷を負い、搬送先の病院で傷口を縫う処置を受けたという。
水族館のスタッフは「イルカプールに近づいたり、プールの水の中には手をいれないこと」と警告していたが、親子はこれを無視しプールに近づきすぎてしまったようだ。(TechinsightJapan「水族館のイルカに噛まれた6歳児 右手の“シグナル”が原因か」2021年6月10日より)
施設側は、水の上に手を差し出す行為が、イルカにとってトリーツ(報酬の餌)がもらえるサインであったため、イルカは男児の手を餌だと思って噛みついたと説明している。
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2019年11月 メキシコ
イルカと泳ぐツアーに参加していた英の10歳女児 海中に引きずり込まれケガ

メキシコ南部のビーチリゾート、カンクンでハンドウイルカと一緒に泳ぐツアーに参加していたイギリス人の10歳女児が、2頭に海中に引きずり込まれ、噛まれるなどしてケガ。場所は海につくられた生簀で、施設側の説明では、海が荒れていたことと、本来いるべきでないオスが囲いの中にいたことで2頭が暴走した。

この女児の一家は、大手旅行代理店TUIのツアーを利用してイルカふれあい施設「ドルフィン・ディスカバリー(Dolphin Discovery)」のイルカと泳ぐアクティビティに参加していた。TUIは謝罪の手紙で、事故の調査と返金について言及したという。

悲鳴に気付いたトレーナーがイルカを落ち着かせようとしたものの、2頭はレキシーちゃんが海に浮かんでいたボディボードにしがみつくまで、噛みつくなどの攻撃を執拗に続けたのだった。
その後、レキシーちゃんはスタッフに保護されたが、脚にはイルカに噛まれた痕や切り傷、大きな痣ができ病院で手当てを受けている。(TechinsightJapan「イルカと泳ぐツアーに参加していた英の10歳女児 海中に引きずり込まれケガ」2019年12月4日より)

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20081月、キュラソー
イルカと泳ぐサービスで、水から飛び出したイルカが参加者3名の上に直撃

20081月、キュラソーの「ドルフィンアカデミー」(Dolphin Academy Curacao)で飼育されていた 11歳のハンドウイルカ、アニー(Annie)がジャンプし、イルカと泳ぐセッションに参加中の観光客3人を直撃した。(動画

2人は軽傷を負い、1人は麻痺症状と診断され入院した。

施設の従業員は、映像による証拠を消去するために事件を目撃した来園者からカメラを押収し、他の来園者たちに事件を決して口外しないよう伝えたと言われている。しかし、1人が、個人用カメラで撮影した動画を所持しており、オランダの「動物のための党(Partij voor de Dieren)」はイルカの福祉と観光客の安全についての懸念を表明した後、オランダ議会で事件についての質問を行った。

※注:キュラソーは、当時、オランダの保護領であったオランダ領アンティル諸島の一部だったが、その後独立。その構成島は、まだオランダ王国の一部。

出典:Rose、N.AおよびParsons、E.C.M.(2019)。飼育下の海洋哺乳類に関する事案 第5版
(ワシントンDC: 動物福祉研究所 + 世界動物保護団体)

シャチの攻撃による人間の負傷・死亡事例

Wikipediaに、シャチによる人間への攻撃の事例一覧がある。2021年9月現在、飼育下のシャチについては30件以上が掲載されているが、日本の事例が含まれていないため、これがすべてではないと考えられる。
日本の鴨川シーワールドで起きたシャチによるトレーナーの負傷事故については、写真家のわかとら氏が3件把握していると書いている(シャチの飼育における事故と人工授精について (主に鴨川シーワールドを例に) 2021年7月4日。うち1件は2002年のトレーナー負傷事故。
動物福祉研究所(AWI)および世界動物保護団体(WAP)による飼育下の海洋哺乳類に関する事案 第5版」(RoseN.AおよびParsonsE.C.M.(2019))より、飼育下のシャチの攻撃による人間の重傷・死亡事例👇

抜粋

  • シーワールドは、1988年以来、シャチとトレーナー または施設来園者との間の攻撃的または潜在的に攻撃的な相互作用の「事故記録」を保管している。その年から 2011年まで、シーワールドオーランドだけで98件の事故が記録された。
  • これは、多くの攻撃的な相互作用が記録されていないこと が知られているため、過少に公表された事故総数である。実際、シャチの攻撃がもたらす危険性は非常によく知られており、主要な海洋哺乳類 獣医ハンドブックには(上記の死亡事件より前に 出版されたもの)、この攻撃が「重大な懸念」であり、いくつかの状況が「生命に関わる可能性のある事件」を引き起こしたと記載されている。
  • 米国の従業員安全機関であるOSHAは、1970年の米国労働安全衛生法に対する「故意 の」524違反についてシーワールドオーランドを召喚した。525シーワールドはこの召喚に異議 を申し立てたが、聴聞会中に、12件を超える重大な傷害を引き起こした100回以上のシャチによる危険行動に起因する事件の詳細を記録し た記録書と報告書が、裁判所に提出された。この 報告書は、実際の負傷事故数を実際より少なく 表記していることはほぼ確実であると判断され た。

これらのことは、映画「ブラックフィッシュ」で広く知られることになった。

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