ショーやトレーニングなどに関連するイルカの死亡

海に生きる動物を水族館に入れないで

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小さな施設に閉じ込めて行われる飼育や調教は、イルカにとって安全なものとは言えません。壁などとの衝突や、ほかのイルカとの接触やけんかなどでイルカたちは負傷します。

報道等で表に出てきているものだけですが、近年の事故によるイルカの死亡事例を集めました。また、一緒に飼育されているイルカによる攻撃でのケガもよくあり、死亡例もあります。

イルカの死亡は必ずしも公表されず、ウェブサイトで公表された場合もすぐ削除されることも多いです(そもそも飼育イルカの頭数等について非公開の場合もあります)。ほかにも情報をお持ちでしたらお寄せください

※記事やリリースからの引用部分の太字はPEACEによる。

日本

年5月15日 南知多ビーチランド 
カマイルカがトレーニング中に柵に胸ビレを挟まれ骨折、外傷性ショックで死亡

5月15日午後4時ころ、カマイルカの「マッシュ」(オス、推定29歳)がプールでトレーニング中にステンレス製の柵に左胸ビレを挟まれ、骨折。出血がひどく、約2時間後に外傷性ショックで死亡。
マッシュは15日午後4時ごろ、プールでトレーニング中にステンレス製の柵に左胸ビレを挟まれて骨折。出血がひどく、治療もむなしく約2時間後に外傷性ショックで死んだ。他の雄2頭とともにチーム「アザーズ」としてパフォーマンスを見せ、水面のボールを口先で突き上げ、そのままジャンプして尾ビレでキックする“オーバーヘッドキック”が得意だった。
毎日新聞「『マッシュ』練習中に事故死 来園者が別れ惜しむ 南知多ビーチランドに遺影、献花台/愛知」

年9月13日 しものせき水族館海響館 
ハンドウイルカの赤ちゃんがジャンプした際、母親など2頭と衝突、プール外に落ち死亡

5月12日に生まれたハンドウイルカ「ティアラ」の赤ちゃんが、9月13日午前11時頃にジャンプした際にプール外へ弾き出され、死亡。

事故発生はショーの合間の時間で、目撃情報によりますとティアラと赤ちゃん、他のイルカ(パッチ)の3頭が一緒に空中にジャンプした際に、互いに体がぶつかり合い弾き出されるようにプール外に出てしまったようです。
このようなことを想定し、緩衝用のマットを敷く事前対策をしておりましたが、落下時の打ちどころが悪かったと思われ、非常に残念ながら死亡に至りました。
しものせき水族館海響館「バンドウイルカの赤ちゃん死亡のお知らせ」 (2016年09月14日)より)

2011年6月4日 名古屋港水族館 
カマイルカがジャンプ訓練中にプールの外に飛び出し、通路に落ちて死亡

カマイルカの「サラ」(メス)が、ジャンプの練習中、プールの外に飛び出してしまい、通路に落ち、死亡。胸部を強く打ち、肺を破裂した失血死だった。翌日、水族館が公表。

サラは和歌山県太地町沖で捕獲され、推定で生後17年。体長2.11メートル、体重106キロ。一昨年6月に「アイ」を産み、今年1月から親子でショーに出演、連続ジャンプや尾ひれを使って水面を進む演技で人気を集めていた。
水族館によると、4日午後2時ごろ、練習で後方宙返りをしていたところ、プール外枠のアクリルガラスを越え職員用通路へ落ちた。胸部を強く打ち、肺を破裂した失血死だった。
日本経済新聞「人気イルカ『サラ』、ジャンプ失敗し死ぬ 名古屋港水族館」(2011年6月5日)より)

海外

2008年4月29日 アメリカフロリダ州ディスカバリーコーブ
ショー中にジャンプで2頭のイルカが衝突、1頭が死亡

アメリカ・フロリダ州オーランドの「ディスカバリーコーブ(Discovery Cove)」というイルカふれあい施設で、ショー実演中のジャンプにより空中で2頭のイルカが衝突。シャーキー(Sharky)というメスの30歳のイルカが、頭部外傷により、その後すぐに死亡した。

観客は、プールの浅瀬に入ってショーを見ていたが、プールの中央で、シャーキーは、タイラー(Tyler)というオスの13歳のイルカとショーを行っていた。

ディスカバリーコーブはシーワールドの姉妹施設で、当時約30頭のイルカがおり、イルカを触らせたり、背びれに捕まらせて一緒に泳がせたりするサービスを行っていた。2頭は何百回もショーを行ってきたイルカだが、不慮の事故は起きた。

(The Guardian “Dolphin dies during theme park stunt show” Tue 29 Apr 2008)

2015年3月 アメリカ シーワー ルドオーランド
シロイルカが他の2頭に攻撃され、顎を負傷し感染症により死亡

西ハドソン湾で捕獲され、バンクーバー水族館からシーワー ルドオーランドに貸し出されていたNanuqというオスのシロイルカが、水槽内の他の2頭に攻撃され、顎を骨折した。この負傷による感染症で、その後、 Nanuqは死亡した。

水族館のプールのような極小な環境では、逃げ場がない。

しかし、この後、シーワールドはソーシャルメ ディアに次のように投稿した。「ファンの皆様、私たちは、愛するシロイルカに仲間であるNanuqへ追悼の意を捧げます。高齢のシロイルカであり、31~32歳と推定される年齢で、昨日亡くなりました」と述べ、クジラの 死が他のクジラによる攻撃行為によるものではなく、老衰によるもので あったことを公衆に対して暗に示唆したのである。
(Rose、N.AおよびParsons、E.C.M.(2019)。飼育下の海洋哺乳類に関する事案 第5版(ワシントンDC: 動物福祉研究所 + 世界動物保護団体))

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