羽村市動物公園の無責任な動物交換に対する抗議書

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こちらは抗議書の全文です。詳細はこちらをご覧ください。補足説明もあります。

追記:8月8日付で回答をいただきました。こちらでご報告しています。


 

2017年7月17日

羽村市長 並木心 様

PEACE 命の搾取ではなく尊厳を
代表 東さちこ

羽村市動物公園の無責任な動物交換に抗議いたします

私どもは、現代社会において、人間からの搾取によって苦しむ動物たちの問題に目を向け活動をする市民グループです。貴市が運営する羽村市動物公園につきまして、かねてより動物たちに十分な飼育環境が与えられておらず封鎖が望ましいレベルだと感じてまいりました。

しかも、去年羽村市動物公園が繁殖後に手放したサーバルキャット2匹が、劣悪飼育で有名な滋賀県の移動動物園が経営する施設に渡っており、そのうちの1匹がその施設に入って数日で死んでいることが、判明いたしました。

羽村市動物公園は、これら2匹のサーバルキャットについて動物商である株式会社南北貿易と動物交換を行ったとのことですが、自力では最適な動物の行き先を見つけられず、動物商に繁殖した動物の行き先をゆだねていること自体が問題であり、このことについて強く抗議いたします。

詳細は以下の通りですが、園にとって不要な余剰個体は動物商に始末してもらえばよいというのは非常に安易で無責任な運営状況であり、飼育放棄と同じです。羽村市動物公園が加盟する日本動物園水族館協会も、余剰個体の問題には倫理福祉規程等の改訂・整備を通じて取り組むと述べており、動物の行き先について責任を持つこと、またそもそもの根本原因である動物の繁殖を行わないこと、この2点について、強く要望いたします。

 

<経緯>

2015年4月に羽村市動物公園で生まれたサーバルキャット4匹のうちの2匹、オスのレンとメスのリンが、2016年3月に滋賀県の堀井動物園に行ったと同園のブログに記載されています。当会で羽村市動物公園(指定管理者である株式会社横浜八景島)に確認したところ、2匹は株式会社南北貿易との動物交換によって手放されているとのことでした(シベリアオオヤマネコ及びモモイロペリカンと交換)。

結局、これらのサーバルキャットは堀井動物園が運営する滋賀県守山市のショッピングモール「ピエリ守山」内の動物施設「めっちゃさわれる動物園」に入りましたが、当会が滋賀県に対して行った情報公開請求の結果、3月に2匹入ったサーバルキャットのうち、1匹は当初から死亡の届出が出ていることがわかりました。(別添①)

サーバルキャットは特定動物に指定されていますので、増減について所管の自治体に届出の義務があります。滋賀県に確認したところ、死亡した1匹は、めっちゃさわれる動物園に入って数日のうちに死んだため、最初から死亡での届出となっているとのことでした。

死んだ理由までの報告義務はありませんが、羽村市動物公園に「リンとレンには、引き取り手がなかなかつかなくなるような病気や障害などがあったのでしょうか?」と当会がメールで質問した際には、「ありません」とのご回答をいただいています。

ちなみに、めっちゃさわれる動物園には、今もリンとレンという名前のサーバルキャットがいますが、同年12月に別のオスを1匹入れており(別添②)、死亡したレンと同じ名前を付けて展示しているものと思われます。羽村市動物園から来た個体が死んだことを悟られないようにするためではないかと疑っております。

また、羽村市動物公園はリンとレンにマイクロチップを入れていたそうですが、めっちゃさわれる動物園は特定動物の個体識別措置について滋賀県に届出ておらず(別添①)、この義務違反についても現在指導を受けているところです。

めっちゃさわれる動物園は、名前からも分かる通り、種々多様な野生動物を狭いスペースに陳列し触らせるなどしてお金をとる娯楽施設です。ライオンを3メートル×4メートルほどのガラス張りの施設に閉じ込めており、このような環境でライオンは幸せと言い切ってしまうような経営者が運営しています。今年6月に、さまざまな問題点がインターネット上で指摘され、いわゆる「炎上」状態になりました。今も多くの人が、動物たちの状態に心を痛め、何とかしたいと動いています。

現在、サーバルキャットは、床と2階の合計の床面積が2.5メートル×2.8メートル程度のところに2頭入れられており、闘争するときなどは1頭が小さいケージに隔離されているようです。うろうろと行ったりきたりの常同行動になりつつある様子も見受けられます。

この動物施設の経営者が運営する、個人移動動物園「堀井動物園」も飼育環境が悪いことで知られています。この移動動物園の飼育場のうち1か所は農振法(農業振興地域の整備に関する法律)及び農地法違反のまま使用が継続されています。野洲市農業委員会に確認したところ、「市としては一刻も早く立ち退いてほしい立場」と明言していました。

もう1か所の飼育場は、かつて火災によって300頭もの動物を死に追いやった倉庫のような場所です。置かれているのは、雑多で汚れた動物の飼育ケージ類であり、そこで数多くの動物たちが自由もなく、モノのように飼われています。

当会としてはこのような営業形態に対しては封鎖を求める立場です。また、日本の動物園関係者も、動物園の役割を果たしていない動物施設が「動物園」を名乗っていることに問題意識を持っていると耳にします。

しかし、「動物園で余った、行き場のないかわいそうな動物園の動物を飼育している」というのが、この園の経営者が使う売り口上です。動物園が動物を余らせ無責任に動物商に渡すことが続く限り、このような動物施設が繁栄し、動物たちは適切なケアも受けられないまま死んで行くことになります。

ぜひ羽村市として、無責任な繁殖及び動物交換を行わない方針に舵を切っていただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、この件に関するご見解及び今後のご対応についてご回答をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

以上

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