めっちゃさわれる動物園に消防の立入と指導 ~通報内容詳細~
火災の不安を感じさせる園内
一部の動物が室内で放し飼いになっている「めっちゃさわれる動物園」。糞など目立つものはすぐスタッフがとっているようですが、全体にホコリや食べ物カスなどの細かいゴミが目立ち、掃除しきれていない状況があるのは明らかでした。
運営する堀井動物園の本拠地では、過去に火災で300匹の動物を死なせています。またボヤも複数回起こしている事業者ですから、気になるのは火災の可能性です。
実際、夏に消防に通報された方がいたそうです。
主には
●非常口への誘導経路、非常口封鎖に伴う非常時の避難路の不明瞭化
●利用消毒液の濃度の疑問
●たこ足配線による消費電力オーバーの危惧
●たこ足配線、清掃不足の埃による火災誘発の危険性危惧
●消火器の常設位置への疑問
●感知器、排煙施設、スプリンクラー設置箇所に対する疑問
●動物による火災誘発の危険性危惧
などが指摘されています。下記に詳細を公開させていただきましたが、これらは、いつでも火災が起き兼ねない状況ではないかと不安に思う箇所として消防に通報されました。
消防への通報後・・・
この通報ののち、8月に「めっちゃさわれる動物園」に対し口頭での指導が行われ、その後9月7日に滋賀県の動物保護管理センターなども立会いのもと、北消防署の立入検査が行われました。
立入では、これらの点についてはもちろん、それ以外の点についてもチェックが行われたとのことです。消防署は「めっちゃさわれる動物園」に文書の提出も求め、この12月末に許可業者による工事が行われると、指導した点の改善はすべて終了すると聞いています。
ピエリ守山が、めっちゃさわれる動物園とのテナント契約の更新をしないと決めたと報じられていますが、この施設管理の状況を見れば当然のことではないでしょうか。
ボランティアが8月に現地に行った際、既にかなり直されていたところもありましたが、まだこのような状況もありました。
以下が通報された内容です。
【非常口封鎖による危険】
園内が大変複雑な構造、人口密度も多く順路どおりに進んでも迷う場合がある。 その中での非常口誘導灯の役割は大変重要です。
●第一非常口
園内非常誘導灯先の非常口(ピエリ廊下へ通じる)において、 扉が開けない状態になっている。また、非常口開閉後、廊下水槽付近に出るため、避難が困難と思われる。
●第二非常口(ピエリ外へ通じる非常口)
ライオン、ハシビロコウ付近の非常口。誘導灯なし。 非常口の施錠、シェード、その他障害物があり外への非難が困難と思われる。
【利用消毒濃度】
●レジ内保管の容器において、内容物の入れ替えあり。消毒液が「イソプレパノール」に変更され、臭いからもこちらを利用しているかと思われる。
出入り口での入場者に対する消毒、ドッグコーナーでの消毒にも用いられている。
濃度が不明だが、強いアルコール臭と、痛みがあったため強い濃度ではないか。 消防法範囲内の濃度か確認してほしい。床の清掃にも利用されているかもしれない。
【たこ足配線による火災発生リスク+消費電力オーバーの危惧】
施設内に多数のたこ配線が見受けられた。
また、爬虫類や、水槽があることから、パネルヒーター・保温球・紫外線ライト・水温測定器等々多数の電力供給が必要となり、保温球のひとつには 500Wまでの使用を求めるものがあった。
・延長コードから更に延長コードをつなぐ等の電力オーバーの危惧
・布袋や燃えやすいチップの上、内部を配線が通る配線
・放し飼いのげっ歯類が居る中での地上での配線の設置等
一般人でも危険を感じる箇所が多数ある。
鳥類付近の配線状態
鳥類付近の配線状態(リスザル裏)
既にショートした可能性あり ピエリ通路水槽展示状況
【施設故障】
シャッタースイッチボックスが常に開いており、誰でも、営業時間内に開閉可能となっている。故障なのか意図的なのかはわかりかねた。
【消火設備】
感知器が柱上部にあり、障害物付近に設置されているため、正常に感知できるのか不安。 施設内にスプリンクラーの設置がされているかも不明だが、効果的に発動できるか疑問がある。
消火器は 2008 年製造のものが多いが、点検記録や消火器のラベルからさらに古いものも あるのではと疑われる。 利用時、迅速な利用が困難な消火器もあった。