滋賀県動物保護管理センターの特定動物許可業務に関する要望書

堀井動物園 取消し

滋賀県の特定動物の飼養・保管許可業務について様々な問題点がありましたので、8月18日、本庁の生活衛生課に対し要望を行いました。

全文は下記記載の通り長いですが、9月7日付けで滋賀県健康医療福祉部生活衛生課からいただいた回答は以下の通りでした。

1.無許可飼育については刑事告発を行ってください
⇒回答 1.法に基づき厳格に対応することを再確認しました。

2.無届けでの移送や増減届の遅れなどの法令違反に対しても勧告・命令を
⇒回答 2.法に基づき厳格に対応することを再確認しました。

3.不備のある書類で許可申請等を受け付けないように指導を
⇒回答 3.事務処理業務の適切な実施について、センターに対し指導しました。

4.飼育施設の強度証明について
⇒回答 4.申請書類と現地検査により基準に合致していることを確認し、特定動物飼養・保管許可を行っております。

5.マイクロチップリーダーについて
⇒回答 5.マイクロチップリーダーについて5.他のハンディ型リーダーがありますので、マイクロチップの読み取りは行える状況です。
対象動物から離れて読取が行なえるマイクロチップリーダーの修理若しくは購入について検討しております。


2017年8月18日

滋賀県健康医療福祉部
生活衛生課御中

滋賀県動物保護管理センターの
特定動物飼養・保管許可業務に関する要望書

平素は大変お世話になっております。先般、堀井動物園の2つの飼育場およびめっちゃさわれる動物園に関する記録について情報開示請求をさせていただきましたが、その結果、滋賀県動物保護管理センターの特定動物飼養・保管許可業務に関し様々な問題があるのではないかと感じるに至りました。

多種多様な動物を扱う事業者を相手に日々大変なご苦労はあるかと存じますが、ずさんな手続きとずさんな飼養保管には通ずるものがあると感じざるを得ず、事業者の法令順守を促すためにも、動物保護管理センターに対し以下の点についてぜひご指導をお願いしたいと考えております。何卒よろしくお願い申し上げます。

1.無許可飼育については刑事告発を行ってください

堀井動物園は近年でも、ニホンザル、ハクトウワシ、アビシニアコロブスの無許可飼育が発覚しているかと思いますが、これらについて処罰を受けてきていません。甘い対応こそが、また次の法律違反を誘発するのではないかとの懸念を持ちます。

平成27年のハクトウワシとアビシニアコロブスの無許可飼育の際は、警察の立件見送りが先にあったのでやむを得ず飼養保管許可を出したと動物保護管理センターは述べていますが(注:ただしアビシニアコロブスは死亡したので許可は出ていません)、県が許可さえ出さなければ違反事実は継続します。その状態をもって、検察に刑事告発を行うなど、強い態度で立件を促すべきだったのではないでしょうか。

また、許可を出さずにもとの飼い主に戻させる、または適正に飼育できる者を探させる、あるいは所有権放棄させて県が飼養者を探すといった対応も必要です。始末書さえ書けば許可が下りて特定動物を飼うことができるという現在のシステムは明らかにおかしく、「どうせ立件されない」という気持ちを植え付けるだけです。

今後同様の事件が起きた際には、厳しい対応をするよう動物保護管理センターへの指導をお願いいたします。

滋賀県回答
1.法に基づき厳格に対応することを再確認しました。

2.無届けでの移送や増減届の遅れなどの法令違反に対しても勧告・命令を

堀井動物園は平成27年に、静岡市内の販売業者からボアコンストリクターを購入し滋賀県まで移送する際、通過する自治体に、その区域に入る3日前までに提出しなければならない「特定動物管轄区域外飼養・保管通知書」を提出せず移送するという法令違反を犯しています。

これまで多数の特定動物を入手し、移動動物園を行い、第一種動物取扱業の「貸出」でも登録を行っているような事業者が、通知書を出さなければいけないことを知らなかったなどということがあり得るのか疑問に思います。もしそうであれば、動物保護管理センターのこれまでの指導に不手際があったと思わざるを得ませんし、過去にも法令違反が繰り返されていたことが強く推察されるのではないでしょうか。

また、これまで提出されている「特定動物飼養・保管数増減届出書」を見ると、特定動物の数に増減があった場合に30日以内に提出しなければならないはずが、明らかにその期間を超えてから提出されているものが存在します(キリンなど)。

これらの法令違反を繰り返していることに対しても、勧告・命令を出すなど、厳しい対応をするよう、動物保護管理センターへの指導をお願いいたします。

滋賀県回答
2.法に基づき厳格に対応することを再確認しました。

3.不備のある書類で許可申請等を受け付けないように指導を

① 申請書の添付書類欄にチェックがない

「特定動物飼養・保管許可申請書」の添付書類欄がチェックされていません。事業者側が提出したと思われる書類が存在する場合でもチェックがありません。堀井動物園側が何を提出しているのか(あるいはしていないのか)が明らかになるよう、必ずチェックをさせてから申請書を受理するよう、動物保護管理センターに指導してください。

② 提出日欄空欄で受け付けている、さらに受付印がない場合がある

事業者側が提出日欄を空欄で提出している場合がありました。それでも受付印が押されていれば、受付日がわかりますが、印が押されてない書類もありました(平成28年のサーバルキャットの増減届)。

「特定動物管轄区域外飼養・保管通知書」はその区域に入る3日前まで、「特定動物飼養・保管数増減届出書」は数の増減があってから30日以内等、提出日が問題になる書類がありますので、提出日をきちんと書かせるよう動物保護管理センターに指導してください。

③ 個体識別に関する情報がなくても受理されている

マイクロチップの識別番号に係る証明書の添付がないまま受け付けられているものがあります。また、増減届の個体識別に関する情報欄が空欄のまま受理されているものが多くあります。個体識別は必ずしもマイクロチップには限らないかとは思いますが、どのような方法で行っているのか、詳細を届け出ないのは細目違反ではないでしょうか。個体識別情報をきちんと把握するよう、動物保護管理センターに指導してください。

④ いつどのような増減があったのか正確に届出させるべき

異なる日に増減があったにもかかわらず、1枚の書類で提出しているために、数の推移がわかりづらくなっている事例があります(平成28年のサーバルキャットの増減届)。導入日で1枚、死亡日で1枚など、正確に増減を届出させるべきではないでしょうか。それができない場合、増減の推移のわかる別表を添付させるなどするべきであり、動物保護管理センターにそのように指導してください。

⑤ 移動なのか死亡なのか、誤りと思われる記入があるが、受付けている

めっちゃさわれる動物園から堀井動物園の飼育場へ移動させた後に死亡した場合、当然増減届が2枚になりますが、めっちゃさわれる動物園でも死亡で減、堀井動物園飼育場でも死亡で減という不自然な届出になっているケースがあります(平成27年2月のミシシッピアリゲーター。2枚死亡の届が出ているがマイクロチップ番号から同一個体と思われる)。めっちゃさわれる動物園からはあくまで移動で減じたのであって、事実に即した届出になるよう、書類を訂正させてから受け付けるべきかと思います。中身を精査せず受け付けることのないよう、動物保護管理センターに指導してください。

⑥ 県の所定の様式を使用させるべき

特定動物の飼養・保管許可は都道府県知事が下すものであって、滋賀県では当然申請書等の宛先も県知事であるべきですが、堀井動物園関連施設では動物保護管理センター所長宛の書式を用いている場合があります。動物保護管理センターではこのような書式を公開したことはないとのことで、経緯についてはご回答をまだいただいていませんが、特定の事業者に何かしらの特殊な書類を用意したとなると問題ですので、今後は所定の、最新の書式を使用させるべきかと思います。

滋賀県回答
3.事務処理業務の適切な実施について、センターに対し指導しました。

4.飼育施設の強度証明について

キリンの施設については強度に関する証明書が提出されていることを確認しました。
一方、来客の多いショッピングモール内に設置されているライオンの飼育設備については、不安の声があるにもかかわらず、強度に関する証明もなく、疑問があります。強化ガラスについては一度ポリカーボネート加工をしているようですが、十分な強度があるかどうか、県として確認をしていただくことはできないでしょうか。また、壁が凹んでいるなど、全体の強度についても疑問がありますが、県として問題がないとお考えでしょうか。

滋賀県回答
4.申請書類と現地検査により基準に合致していることを確認し、特定動物飼養・保管許可を行っております。

後日注:この点については、既にライオンが他の者に譲渡されており、ピエリ守山にはいないことを確認しています。

5.マイクロチップリーダーについて

動物保護管理センターの所有する、特定動物にも用いることのできるタイプのマイクロチップリーダーが以前より故障していると伺いました。堀井動物園関連施設では動物の逸走がこれまでも複数回起きているかと思いますので、マイクロチップリーダーの修理もしくは購入について、予算をつけていただきたくお願い申し上げます。

滋賀県回答
5.他のハンディ型リーダーがありますので、マイクロチップの読み取りは行える状況です。
対象動物から離れて読取が行なえるマイクロチップリーダーの修理若しくは購入について検討しております。

以上

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