化粧品の動物実験の実態 ~あと1-2年で大幅改善する?

化粧品の動物実験廃止へ向けて

国際的な動物保護団体であるヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルのサイトに、化粧品(薬用化粧品を含む)の各動物試験でどのようなことが行われているのか、基本的な情報をまとめたページの翻訳がアップされました。

日本では、いわゆる化粧品は、規制上「化粧品」と「医薬部外品」の2つに分かれますが、「化粧品」の場合は承認申請制度などはなく、こういった試験が必要になるケースは、新しいUVカット剤を使いたい場合などに限られています。

厚労省によると、そういった新原料を使うために化粧品基準を改正させたいという申請は、近年ほとんどなく、現在はゼロなのだそうです。

では、どこで化粧品の動物実験が行われているのか?というと、「医薬部外品」にあたる薬用化粧品ではまだ動物実験が行われており、平成24年度承認品目の場合、

  • 化粧水 3品目
  • クリーム 6品目
  • リンス 1品目
  • 育毛剤 2品目

が「動物実験データ有」で申請されているとのことです。

一見、品目が少なく感じますが、1製品に数千匹と考えると、おびただしい数の動物が犠牲になっています。さらに、申請に至らないケースなどもあるはずで、動物実験に関する統計のない日本では犠牲の規模は全く把握できません。

こういった内訳の詳細は、上記のヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルが5月に議員向け勉強会を主催した際に厚生労働省が資料を出し、初めてわかったものですが、普段は、動物実験されているかどうかでは統計は取られておらず、こういった数字を出すことすら大変なのだそうです。

上記の動物実験されている製品は、医薬部外品申請時の区分では、「区分3」に該当する製品で、医薬部外品では使われたことのない添加剤を含んでいる場合などに動物実験が求められています。

しかし、医薬部外品の承認品目は全て公開されているにもかかわらず、どれが区分3の製品かということ自体が、何と公開されていません!

一方、効能をうたうための新規成分を含む「区分1」の場合は、必ず動物実験がされており、厚生労働省の部会でも審議されるので、どの商品であるかがわかります。つまり、「区分1」であれば、ヒトでの影響が未知である製品がどれかということを国民は知ることができるのですが、補助的に使われる添加剤で新しいものが含まれている場合などの「区分3」の製品がどれかは、公開されていないのです。

ちなみに、「区分1」はいわゆる新規原料であり、もともと開発のハードルが高く、次々出てくるものではないですが、特にロドデノール事件以降企業の開発意欲が落ちていると言われており、これも近年承認がありません。

つまり、実態として日本では「化粧品の動物実験」は、医薬部外品の「区分3」申請のために行われていることになります。

しかし、最後にお知らせしたいのは、厚生労働省がここ1~2年のうちに、この「区分3」でも動物実験をせずに申請できるように新規試験法の組み合わせなどを検討中であるということです。

これが、もし強制的なもので、企業に選択の余地がないのであれば、実態として化粧品の動物実験が大幅にへる可能性が出てくることになります。

しかし「区分1」の動物実験にはその予定はなく、形として残ることはもちろん、企業にも動物実験を行う自由が残されてしまうことになります。

化粧品の動物実験をなくす確実な方法は、諸外国のように法律で化粧品のための動物実験を禁止してしまうことでしょう。日本は、そもそも動物実験を巡るバックグラウンドが諸外国と異なるので、とてもハードルは高いですが、動物実験を代わりの方法へ導いていくていくための一段階として、必要なことだと考えます。

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルの署名をご紹介します。ぜひご協力・拡散ください。

また、リーフレットもお分けしていますので、ご希望の方はこちらよりご連絡ください。(配布は終了しました)

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