動物倫理の最前線 批判的動物研究とは何か
井上 太一著 人文書院〔出版社サイトの紹介ページ〕
ISBN:9784409031155
入門書以外で、日本人が動物倫理の立場からここまで網羅的に踏み込んでまとめ上げた著作は初です。そこに大きな意義がありますし、動物倫理を語る上での基本文献となること間違いなしです。
海外のこれまでの理論の概説はもちろん、日本の実態も含めた動物たちの現状(特に動物実験が印象に残った)や、人間主義やフェミニズムなどの他分野との関係性(交差性)についても深く論じられています。
取り上げられている批判的動物研究(クリティカル・アニマル・スタディーズ)という潮流は、理論と実践の統合を目指すことが特徴のひとつとなっているので、アニマルライツの活動をする立場からも共感できるものになっていると思います。
日本にいるとあまり実感できませんでしたが、ただ単に動物の権利のロジックだけを考えていればいいだけの時代は終わったのだと思います。これからどういう理念のもとで運動をしていけばよいか、クリティカルに取り組むためにも、指針となる一冊です。
大作ですが、ゴールデンウィークにぜひチャレンジしてみてください!
市民科学研究室「語っていいとも!」で語りました
NPO法人市民科学研究室の動画企画「語っていいとも!」にお誘いいただき、当会の代表がこの本について語りました。ぜひご視聴ください。
この投稿をInstagramで見る
動物たちの現状について知り、ライフスタイルを見直そう!読んで広める、買ってプレゼントする、感想文やレポートを書く、図書館に購入をリクエストするなど、本を通じてできるアクションもあります。動物倫理トム[…]