警視庁は毎年、生活経済事犯に関する統計で動物虐待事犯の検挙件数等を公表しています。今年も3月に令和4年の統計が公表されました。
「動物虐待事犯の検挙事件数は166事件で、大幅に増加した前年(170事件)とほぼ同数」と報告されています。
動物に関係する事犯で主な例として挙げられていたのは、下記の事件でした。
犬の大量遺棄に係る動物愛護管理法違反事件
派遣社員の男(49)らは、令和4年7月、4回にわたり、空き地等に犬 27 匹を遺棄した。
同年 10 月までに、同男ら2人を動物愛護管理法違反(愛護動物の遺棄)で検挙した(福岡)。
無免許で犬にマイクロチップを装着した獣医師法違反等事件
第一種動物取扱業を営むブリーダーの男(51)は、獣医師でないのに、令和3年 11月頃から同年 12 月までの間、輸出販売する飼育動物(犬)7頭に対し、注射器を使用して動物用管理医療機器である標識用器具をそれぞれの体内に装着する診療行為をした。
令和4年8月までに、同男ら2人を獣医師法違反(飼育動物診療業務の制限)等で検挙した(大阪)。
国際スピード郵便で鶏・豚肉ソーセージ等を輸入した家畜伝染病予防法違反事件
会社役員の女(43)らは、法定の除外事由がないのに、令和3年5月から同年6月までの間、関西国際空港等において、鶏・豚肉ソーセージ等合計約 395.5 キログラム在中の国際スピード郵便物を、中華人民共和国発の航空機から搬出させ、輸入禁止品を本邦に輸入した。
令和4年3月までに、同女ら3人及び1法人を家畜伝染病予防法違反(輸入禁止)で検挙した(大阪)。
ちなみに、鳥獣保護法違反は、例年通り横ばいが続いています。
参考
令和3年(2021年)度の動物虐待事件の検挙数が警察庁から公表されました。 警察庁:令和3年における生活経済事犯の検挙状況等について「動物虐待事犯の検挙事件数は、近年増加傾向にあったが、170事件で前年から大幅に増[…]
動物虐待事件の数を知るには、検察と警察の2つの統計があります。 動物愛護法違反については、検察が受理した件数や起訴・公判請求した件数などがわかります。⇒こちら 動物愛護法違反のうち動物虐待事件のみの数は、警察が毎年公表を行っ[…]