統計:動物愛護法違反人員数(検察庁)と動物虐待事犯数(警察庁)

動物虐待として摘発された事件・人の数を知るには、検察と警察の2つの統計があります。
検察の統計:動物愛護法違反人員数
法務省「検察統計年報」各年版より、検察が動物愛護法違反で受理した人員数、起訴した人員数等に関する統計をまとめました。最初の改正動物愛護法が施行された2000年以降、2021年までのデータです。(2023年7月現在で最新)
受理人員数、起訴・不起訴の人員数ともに増えていますが、実際の事件数が増えたわけではなく、動物虐待や遺棄についても警察が動くようになってきたため、送検される数が増えてきたことが背景にあります。
注意事項
- この統計は、事件を受理した時の被疑者の罪名によって計上されています。あくまで動物愛護法違反全てなので、動物虐待だけではなく、例えば特定動物の無許可飼育等の事例も含まれます。虐待罪での摘発数については、下記の警察の統計を参照してください。
- グラフの「その他」は、他の検察庁に送致、家庭裁判所へ送致、未済(翌年へ繰越)の計です。つまり、受理された人員数のうち、他の検察庁から送致されてきた分については、二重にカウントされていることになります。
- 公判の結果については罪名別の統計が出ていませんので、有罪となった人員数がわかりません。ただし、日本では起訴されれば99.9%有罪になります。執行猶予がついた場合のみ、この統計に出てきますが、わずかです。公判請求自体がごくわずかであり、ほとんどが略式命令請求であることから、多くは罰金刑であると推定できます。
- 「動物の保護及び管理に関する法律」が「動物の愛護及び管理に関する法律」に変わる前は、動物虐待・遺棄は罰金3万円が上限でした。この時代は、法律の実効性がほとんどなかったため、動物愛護法に改正されて以降の統計を集計しました。
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