プレスリリース
2023年10月13日
上げ馬神事の動物愛護法違反について告発状が受理されました
本年5月4日、多度大社(三重県桑名市)で実施された上げ馬神事によって馬1頭(馬名:テイクワン、競走馬時代の馬名:メルズーガ、馬齢:当時8歳)が左前脚骨折の傷害を負った件に関し、動物の愛護及び管理に関する法律違反として桑名警察署に告発し、10月12日付で受理されましたのでお知らせいたします。
刑事告発は、現地視察者の証拠のもと、「動物虐待のない社会を目指す会」及び「PEACE」の2団体連名で行いました。
私どもは、サラブレッドに未熟な乗り子を乗せて急坂を駆け上がらせるといった、神事や伝統行事に名を借りた動物虐待行為は終わらせる必要があると考えております。そのためにも、また、動物愛護の社会的良俗を維持する上でも、このような野蛮な行為に対し動物愛護管理法のもとでの厳重なる処分を求める必要があると考え、本件告発に至りました。
今後、処分決定まで、捜査の推移を注視していきたいと思います。なお、告発に際しては、長年この問題に取り組んできた「動物との共生を考える連絡会」にもご協力をいただきました。
【告発団体について】
動物虐待のない社会を目指す会
多度大社の上げ馬廃止を求めることをきっかけに結成された、市民有志からなる任意団体です。代表者は、本年開催された上げ馬神事を現地において確認し、撮影しております。
PEACE 命の搾取ではなく尊厳を
動物全般の福祉・権利向上のため広く活動し、動物関係法令の改正運動にも積極的に取り組む任意団体です。
※メディアの皆さまには証拠動画の一部を提供しております。こちらまでお問い合わせください。


関連資料
PEACEでは、今年の上げ馬神事に関する記録について三重県に開示請求しました。上げ馬の当日、三重県の職員が現地に行っていますが、まるで人的被害がなければ安全であったかのような報告であり、騒ぎが大きくなって、ようやく事の重大さがわかってきたような印象です。
また、2日目に壁の上に引きずりあげられた3頭のうち1頭も負傷により出血していたことや、2019年の法改正について事前に関係者に告知されていたことがわかりました。
県の報告は、まるでメルズーガに鎮痛剤がすぐ投与されたかのように思わせる記述があるなど、事実そのままではないことに留意してお読みください。
- 三重県開示資料-生活衛生課分
- 三重県開示資料-教育委員会文化財保護課分(復命書)
- 三重県開示資料-教育委員会文化財保護課分(第1回文化財保護審議会当日配布資料)
- 三重県開示資料-教育委員会文化財保護課分(文化財保護審議会建議)※書き込みが最終版とのこと
※文化財保護審議会の当日資料のうち無関係の部分はアップしていません。
関連リンク
- 三重県教育委員会:県指定無形民俗文化財「多度大社上げ馬神事」にかかる勧告について
- 三重県議会請願:令和5年第2回定例会9月定例月会議 請6「上げ馬神事における動物虐待の根絶を求めることについて」
- 動物との共生を考える連絡会:虐待のない、上げ馬神事へ
追記
動物愛護団体の名を騙り、爆破予告メールが出されているとの報道に接し、憤りを感じております。2023年11月2日、Xにて下記の通り当会の見解を公表しています。
上げ馬神事のことは司法の判断を待っている段階です。
このような社会的に許容されない方法で改善を求めることは厳に慎むべきであり、告発団体としてとても遺憾に思います。【47NEWS】三重の多度大社、爆破予告メール 「上げ馬神事」動物虐待と批判 https://t.co/GEYLW3xPvd
— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) November 2, 2023