野生動物を飼えるかどうかで見ないで! 「キリンをペットにするといくらかかる?」の記事削除されました

9月26日、「【キリンをペットにするといくらかかる?】飼育にかかる費用はなんと!」という記事がTRILLという情報サイトに公開されました。

この記事の中で、キリンについて、「日本国内では、都道府県ごとの条例や、特定の動物の譲渡・飼育を禁止する『種の保存法』などの規制があるが、十分な飼育環境を整えて許可を得れば、どんな動物でも飼える。」との記載があったのですが、複数の誤りが含まれているため、以下の指摘をしたところ、記事を削除してもらえました。

キリンはペットとして飼えません!

キリンをペットとして飼えるかのような記事

1.都道府県ごとの条例で危険な動物の飼育を規制していたのは、2006年の5月末までです。2006年6月1日より特定動物の全国規制が始まり、全国の条例での規制は廃止されました。

2.キリンは2020年6月1日より、新たにペットとして飼うことはできなくなりました。2019年の動物愛護法改正により、特定動物として指定されている動物の愛玩目的の飼養には許可がでなくなり、あらたな飼養開始は禁止となったためです。キリンも特定動物に指定されています。

3.海外に生息する動物について「種の保存法」で規制されているのは、国際希少野生動植物種の「取引」です。国際希少野生動植物種に指定されている種について、譲渡しや販売・頒布目的の陳列・広告等は原則として禁止されていますが、飼育自体を規制するものではありません。

元ネタとなっていた書籍『頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学』(多湖 輝)は2018年発行ですから、発行当時は特定動物の愛玩飼育は禁止はされていませんでしたが、それでも間違った記述がされていました。この本を発行しているKADOKAWAにも同趣旨の情報提供を行いました。

野生動物を「飼えるかどうか」という目線で考えないで!

記事の最後には、動物を飼うには環境も整えなければならないしお金もかかるということが書かれていたのですが、タイトルはまるでキリンが飼えるかのようで、非常に疑問でした。

また、ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に抵触しなければ飼っていいなどと断言されていることも疑問です。規制がどうあれ、野生動物を本来の生息地から奪って飼育することは間違っています。

この手の記事はよくあり、ほとんどの人は現実に飼えるとか、飼いたいとかは思わないでしょうが、それがわからない人も中にはいます。現実に、移動動物園業者ではありますが、キリンを個人飼育程度の環境で飼い、輸入してすぐに死なせるということを2頭繰り返した人もいました。

日本は野生動物消費大国として国際的にも批判を浴びていますが、多くのエキゾチックアニマルがペットとして消費され、苦しみの中で死んでいっています。キリンを飼うのは現実的でないと思う人でも、もっと小さい動物なら、罪悪感なしに「飼いたい」と手を出すかもしれません。

出版社や報道各社は、面白おかしいタイトルをつけ、「珍しい野生動物を飼えるかどうか」などということを人々に考えさせるのは止めてほしいと思います。

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