もうすぐ、改正動物愛護法の施行! 動物虐待罪の罰則が強化されます

去年改正された動物愛護法の1年以内施行分が、いよいよ6月1日から施行されます。

(注:業者基準や犬猫生後8週齢規制、販売犬猫のマイクロチップ義務化等は、まだ来年以降の施行です。)

改正法の内容については、こちらのページにまとめたものを載せています。詳細は、目次からたどってください。

動物虐待に対する罰則の引き上げ

先日、環境省の「動物の遺棄・虐待は犯罪です」ポスターも改正法に対応したものに刷新されました。

ただ、虐待に関しては、新たに条文に「みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること」「飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管すること」といった文言が加わっているのですが、環境省は従来の虐待に関する見解を示した通知を現時点で変える必要はないと考えているとのこと。

それ以前に、今回の改正法についての施行通知もまだ出ていないそうで、どのような見解が書かれるのか若干心配しているところですが(前回の改正では、畜産業の糞尿堆積について一般的なレベルなら虐待ではないとする見解が書き込まれてしまっていた)、動物に対する暴行罪の規定も明確になりましたし、アニマルホーディング(ため込み症の対象が動物になっているもので、いわゆる多頭飼育崩壊)も罰則の対象となったと考えられます。

また、かねてからの懸案であった、器物損壊罪以上への引き上げが実現しています。

  • 愛護動物の殺傷は、上限が懲役5年、罰金500万円へ
    (←現行の懲役2年、罰金200万円から強化)
  • 愛護動物の虐待・遺棄は、上限が懲役1年、罰金100万円へ
    (←懲役がなかったものが追加された)

上限が2年程度では司法の現場で軽微な犯罪として扱われてしまうという問題が法曹界からも指摘されていました。今後、捜査・取り締まりが強化されていくことを願っています。

参考

これまできちんとまとめていなかったので、何が動物虐待に当たるのか、国の見解に当たるものを集めたページをつくりました。

ほとんどが環境省見解ですが、中に「捜査研究」という司法関係者向けの月刊誌に掲載された記事(2016年5月号「生活経済事犯に関する捜査上のポイント 第5回 各論⑤動物愛護、廃掃法」)に書かれている内容も追加しました。執筆者は生活経済事犯研究会となっていますが、警察官僚が書いたものと推測します。(役所の人がアルバイトで原稿を書くとき、こういう名称を使います)

上記のまとめページでは省略していますが、捜査にあたっては、死因や負傷の原因について大学獣医学部や動物病院に解剖を依頼するなどして特定すること、薬物の使用が疑われる場合は科捜研に鑑定を依頼すること、飼養者を特定するために付近や動物病院などに聞き込み等を行うこと、同種事犯が起きていないか関係行政機関等に確認することなどが書かれていて興味深い内容です。

(ただし、ほとんどこれが全てといってもいいくらい、とても短い記事です!)

追記

また、獣医師の通報については、これまでの努力規定から義務になりました。

動物殺傷・遺棄・虐待罪の処罰の対象は、愛護動物すべてなので、当然、実験動物や畜産動物、動物園等展示施設の動物にもかかっています。何をもって「みだり」と判断されるのかについてはケースバイケースというのが環境省の回答ですが、「みだりに」行われた科学実験そのものが処罰となる可能性について、環境省は否定していません。

また牛や馬などで立件されている事例が、これまで実際にあります。

獣医師の通報は、開業獣医師が第一に想定されていることは間違いないですが、これら産業利用等する動物を扱う現場にいる獣医師も虐待を察知した場合には通報義務があるとみるべきです。

外部から閉ざされた世界にいる獣医師たちの良心に訴えかけたい改正点です。

法律のいう「愛護動物」とは:

一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬 虫類に属するもの

この定めにより、いわゆる「野良猫」「野良犬」と呼ばれる動物など、飼い主がいないか、もしくは不明である場合についても、飼育種11種については罰則の対象となります。

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