姫路市立動物園 ゾウ ひめこ 姫子 ヒメコ

姫路市、孤独のうちに死んだゾウの姫子の元飼育員でもあった職員に停職6ヵ月の懲戒処分

兵庫県姫路市は、市立動物園の工事をめぐり特定の業者に便宜を図ったとして農林水産環境局男性係長(57歳)を停職6ヵ月の懲戒処分にしました。

報道によれば、この係長は、「飼育担当として同園に約30年在籍。園内工事の発注業務も担っており、相見積もりを取って随意契約で業者を選定できる立場にあった」とのことで、2018~2022年にかけて、獣舎への防鳥ネット設置など計7件の工事で相見積もりを取る際、それぞれの工事で特定の業者1社に競争相手となる業者を選ばせ、価格を調整できるよう便宜を図っていたそうです。(神戸新聞「動物園工事7件で業者に便宜、姫路市係長を停職6カ月 『工事を早く終わらせたかった』」)

2020年に孤独のうちに死んだアジアゾウ「姫子」の飼育も担当し、2023年春に農林水産環境局へ異動後、溶接業者が後任の職員にも贈答品を渡そうとしたため業者と係長の関係が発覚。市が内部調査を進めていたとのこと。(神戸新聞「動物園工事で業者に便宜 姫路市の57歳係長、見返りに自宅改修や酒提供受ける 懲戒処分へ」)

例えば、「姫路市立動物園に勤めていた2021年、鳥よけネットの設置工事で相見積もりを取る際、市内の建設業者に競争相手1社を選ばせ、業者同士で価格を調整できるよう便宜を図った」そうで、このとき市はこの業者に約53万円で工事を発注。その見返りに、この係長は自宅駐車場の改修をこの業者に無償でしてもらったとのこと。(朝日放送「動物園の工事めぐり便宜 見返りに無償で自宅駐車場を改修か 57歳男性係長の処分検討 兵庫・姫路市」)

またこの係長は動物園の工事に携わった溶接業者から日本酒や焼酎の4合瓶2本を少なくとも4回以上、提供を受けていたそうです。(NHK「姫路市 “酒類受け取るなどして業者に便宜”係長を停職6か月」)

7件の最高の発注額は129万8千円で、係長は「(繁忙期で)速やかに受注を終えたかった」などと話しているそうですが(産経新聞「姫路市職員を停職6カ月、市発注工事で業者に便宜」)、それならば私的供与を受ける必要はないはずです。

これらの工事は、複数の業者による見積もりが必要な130万円未満の案件だったそうで、この係長は随意契約で業者を選ぶことができる立場にありました。(サンテレビ「公共工事で業者に便宜 姫路市57歳係長を懲戒処分へ」)

市は2023年10月にこれらの問題を兵庫県警に相談したそうで、賄賂性について「捜査に委ねるが、現在まで立件がない事実も鑑みて賄賂性は低いと判断し、処分した」としているとのことです。(産経新聞「姫路市職員を停職6カ月、市発注工事で業者に便宜」)

処分は3月25日付で、当日昼に記者発表が行われたそうですが、姫路市はこの処分についてウェブサイトでは公表をしていません。人事に関する処分は、いつもウェブでは公表しないそうですが、この習慣も改めるべきではないでしょうか。

業者がこうした私的供与のために使ったお金の分、市がもっと安く発注できていれば、動物たちのためにもっとお金を使うことができたのです。相見積もりを取って安く発注することは必須です。

姫路市立動物園は、コンクリート造りの小さな檻に動物を幽閉する、いわゆる「昭和」の色の強く残る劣悪な動物園です。予算は、適正に動物たちのために使われるべきです。

※報道は全て2024年3月25日です。

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