キリン「ひまわり」の移送中の死亡の疑問について岩手県より回答

先月12日、神戸市立王子動物園から岩手サファリパークまで移送中だったキリンの「ひまわり」が死亡しました。「ひまわり」は、2020年7月に生まれ、まだ2歳に達しないメスでしたが、繁殖のための移送という、完全に人間都合の移動で死亡しました。

岩手サファリパークは翌13日に解剖を実施し、現時点で「特段の基礎疾患は見つからず輸送箱内において体勢を変えようとして転倒し、その後、首を戻せなかったことによる呼吸不全及び循環器不全により死亡したものと考えます」と公表しています。なんとも痛ましい死亡原因です。

キリンは現生の陸上動物の中で最も背が高く、体が大きくなるほど輸送が難しくなるため、子どものうちに移動させることになります。捕食される側の草食動物であり、警戒心も強く、神経質で、輸送は難しいとされます。本来群れで暮らす動物ですが、母親から引き離され、生まれて初めて独りぼっちを経験することになるのも輸送です。輸送は動物に強い身体的ストレスを与えますが、心理的にもつらい状況に置かれます。

そうした輸送に死亡リスクがあるのは当然のことではありますが、今回は輸送箱や輸送車両の写真が公表されていたために、疑問が噴出しました。明らかに輸送箱の密閉度が高く、通気や温度管理、心理的圧迫感の問題などを懸念する声が会員等からも寄せられました。輸送箱は、キリンの体形に対する何の配慮もないただの鉄の箱に見えます。車両も、低床トラックではなく、普通のトラックでした。

また、キリンの輸送では、1時間ごとなど、こまめに停車し、首をのばさせて休憩する時間が必要です。神戸を12日の朝に出発し、新潟市内の黒崎パーキングエリアで夜19時半に死亡確認となっていますから、通常の速度より時間をかけての輸送ではあったとは考えられますが、出発時間によっては、休憩が十分にとられていたのか疑問も感じます。

熱中症の疑いについては調査中とされていて結果待ちではありますが、既に岩手サファリパークは輸送箱は「的確なものだった」との見解を出しており、これが客観的に妥当なものであるかどうかを判断できる機関は、第一種動物取扱業の登録事務を所管し、指導監視の権限を有する岩手県しかないと考え、当会では岩手県に対し、調査と指導を依頼しました。

4月25日に回答が来ましたが、まだ調査中となっています。

これは、動物を安全に輸送できさえすればよいという問題ではなく、「動物を見たい」「見せたい」と考える人たちが引き起こしている犠牲なのだという認識を持ってほしいと強く願っていますが、回答全文を掲載します。

日本は、動物愛護法に、輸送に関する条文が未だにない国です。

人間のいっときの慰みや見物のために生まれ、幼くして死んだひまわりよ、安らかに。
岩手サファリパークにも質問をメールしましたが、未回答です。
岩手県環境生活部県民くらしの安全課回答

当課ホームページにお問い合わせのありました岩手サファリパークのキリン輸送死亡事故については、事業者を管轄する県南広域振興局保健福祉環境部一関保健福祉環境センターにおいて、事業者への聞き取り調査及び指導を実施しております。

今回の死亡事案の原因については、調査中であることから、関係機関と協力して究明することで事故の再発防止に努めるとともに、動物の種類、性別、性質等を考慮して疲労及び苦痛を軽減するため、必要に応じた休憩時間を確保すること、輸送に用いる車両や容器等は、動物の安全確保、衛生の管理及び逸走防止を図るために必要な規模及び構造のものを使用すること等について、指導を実施しておりますので、御理解をくださいますよう、よろしくお願いします。

岩手県環境生活部県民くらしの安全課
食の安全安心担当

ちなみに、アフリカの野生のキリンにはいくつかの亜種が存在しますが、飼育下では亜種間交雑が広まってしまっており、繁殖における種の管理は既に国際的にも放棄されています。(王子動物園も「キリン」としか公表していません。)「キリン」の形をした何か生きた動物であれば何でもよいと考える動物園・サファリパークのために繁殖されているだけで、繁殖は種の保存には何ら貢献していません。

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