ゾウの飼育を終了しよう~日本の単独飼育のゾウたち
日本の動物園・サファリパークで単独飼育されているゾウたちの一覧を下記にまとめました(2025年7月現在10頭)。単独飼育のうちに死亡したゾウの、近年の主な例も挙げています。
ゾウは、母系を中心とした群れで子育てをし、長距離を移動しながら暮らす動物です。社会性が高いだけではなく、自己認識を持つなど認知能力が高いことでも知られ、感情を持つ動物です。そうした生態や能力を持つ動物にとって、孤独に置かれることは虐待に等しく、狭いコンクリートの施設で単独で飼育されることで、まさに「独房の囚人」となっています。人では拘禁反応が出ますが、ゾウたちにも、体をゆすり続けるなどの常同行動が発生します。(ダンスを踊っていると言われることがありますが、異常行動です)
群れ飼育が必須であることがまだ常識となっていなかった時代に日本に連れて来られ、当初から長年にわたり単独飼育を強いられているケースもありますが、2頭飼いをしていた動物園で片一方が死亡することで単独飼育に転落したケースもあります。現在2頭飼いとなっている動物園も多く、今後もこうしたケースは多発するはずです。
日本動物園水族館協会は、単独飼育ゾウの環境改善について2017年に声明を出していますが、単独飼育の解消はうまくいっておらず、環境改善もされないまま、次々死んでいるのが実情です。
多頭飼育をしていたとしても、繁殖維持は現実的ではなく、最後には1頭になります。国際的には多くの専門家が、ゾウを飼育下におくこと自体を問題視しています。
参考リンク
単独飼育のゾウたち(2025年7月現在)
アジアゾウ

サニーメス。いしかわ動物園の前身、金沢サニーランドの時代からいる。サニーがどこからやってきたゾウなのか、わからなくなっている。

フー子メス。2008年12月16日にオスの「ダンボ」が死亡。

テルメス。激しい常同行動。
現在、動物園はリニューアルへ向けて閉園中。1980年にメスの「みみ」とラオス動物園からきた。当時2頭は8か月と1歳だった。2000年にみみが亡くなって以降、単独飼育されている。

ダンボメス。2頭で飼育されていたが、2022年5月5日、「シャンティ」死亡により単独飼育となる。
かつては東京のデパートの屋上で飼われていたとも。逆立ちや、子どもを乗せられたりもしていた。
アジアゾウ(ボルネオゾウ)

ふくちゃんメス。2001年マレーシア領ボルネオからきた。2016年3月に結核を患い、約2年半の治療が行われた。再発の可能性もあるため、検査が続けられている。
アフリカゾウ(サバンナゾウ)
マオメス。2006年6月13日、多摩動物公園から盛岡市動物公園へ移動。
2018年11月30日、オスの「たろう」死亡。
繁殖のため体外受精が試みられているが、これはゾウの保全に寄与するものではない。ゾウたちは生息地で保護されるべきであり、飼育下での不自然な生涯を強いられるべきではない。

ララ

パトラメス。1989年6月2日にアフリカからきた。当時推定3歳。
花子メス。繁殖のため八木山動物公園の「リリー」と交換されていた。
2024年6月、八木山動物公園から戻される。
不在中の2021年3月5日にオスの「だいすけ」が死亡しており、単独飼育に。
単独飼育が解消されたゾウ
みどり
メス。2023年12月、大分のアフリカンサファリより、オスの「チョイ(サワッデーチョイ)」を迎えた。
単独飼育のうちに死亡したゾウたち
アジアゾウ

ふじ子メス。スリランカ生まれ。1982年に岡崎市に寄贈され、広島県福山市のレジャー施設の赤坂遊園からきた。当時14歳。
2025年7月30日、57歳で死亡。約10年前から足が弱くなり始め、屋外での展示は同月11日が最後だった。

はな子メス。常同行動がひどく体調を崩しがちで、社会問題になった。人を踏み殺してしまう事故が2件あり、室内で鎖につながれていたこともある。1949年にタイからきて、友好のシンボルともされたが、狭い飼育環境での常同行動が明るみになってからはゾウの単独飼育を考えなおすきっかけともなった。1954年に7歳で井の頭自然文化園に来て、2016年に亡くなるまでの62年間単独飼育されていた。
本日、井の頭自然文化園のゾウ「はな子」が死亡したとのニュースがありました。晩年、外国人ブロガーが署名を立ち上げたことで話題になりましたが、単独飼育のゾウの問題は日本の保護団体も訴えてこなかったわけではありません。しかし、もうかなり以[…]
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ハマコ
メス。2008年にインドゾウの美代が死んでから14年間単独飼育か。美代の死亡に関する公式記録がない。ハマコの死因は腎不全。
姫子
メス。入園時より26年間単独飼育だった。姫路市動物園は移転が決まっており、動物たちが搬出されている。狭いコンクリートの飼育環境で再開するよりも、このままゾウ飼育廃止が望まれる。
「街ログ」という観光スポットを動画で紹介するサイトに、姫路市立動物園の紹介映像があったのですが、その中に、単独飼育されているゾウの姫子(現在は神戸市動物園に貸し出されている⇒2020年10月24日、死亡しました)が、運動場の隅で常同行動をし[…]
ナナ
メス。1961年インド生まれ。1964年、推定3歳で来園。1973年にノンが来るまでの9年間と、1996年にノンが死亡してから24年間単独飼育だった。2020年3月4日、死亡(死亡時59歳)。
イズミ
メス。タイ生まれ。1964年4月廃園になった神奈川県ひぐち動物園から移動。以来53年間単独飼育だった。2017年4月5日、死亡。
ラニー博子
メス。1970年5月、インド政府から大阪万博を記念して贈られた。2014年7月30日、アジアゾウ春子が老衰のため66歳(推定)で亡くなってから4年間単独飼育だった。2018年1月25日、死亡。死因は横たわった姿勢が内臓を圧迫したためとされている。
ハナ子
メス。1972年に生後11か月でタイからきた。以来44年間単独飼育だった。2016年9月14日、死亡。
はな子
メス。野生生まれ。2017年9月27日、死亡。推定46歳ではな子が死亡してから福岡市動植物園にゾウはいなくなった。
しかし、2024年7月に軍事政権下にあるミャンマーから4頭を輸入してしまった。最後にゾウが単独飼育となることへの反省は、必ずしもその後に生かされない。4頭輸入されたうちの1頭は、既に同年9月にゾウヘルペスで死亡。
福岡市は、2024年7月、軍事政権下にあるミャンマーからアジアゾウ4頭を輸入してしまいました。そのうちの1頭は、既に同年9月にゾウヘルペスで死亡しています。ゾウと交換でミャンマーへ送ることになっている動物たちは、まだ送られていませんので、引[…]
アジアゾウ(セイロンゾウ)
マリー
メス。1996年にスリランカから、オスのランガとともにきた。2008年にランガが死亡してから13年間単独飼育だった。
アフリカゾウ
オシー
メス。2025年2月19日、死亡。園から死亡の公表なし。
ケニー
メス。生まれはケニア。2009年にオスが死んでからは11年間単独飼育だった。ケニーの死因は急性腹膜炎とみられる。
日本の単独飼育のゾウたちの一覧のページをつくりました。近年、単独飼育解消を目的としたゾウの移動が行われたのは1例だけで、ほかは死亡することでリストから消えていっていました。一方で、2頭で飼育する動物園が多く、片一方が死亡することで単独飼育に[…]
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