武蔵野市が、死亡した井の頭自然文化園のゾウのはな子のメモリアル事業を考えている件で意見を送りましたが、その回答が来ました(下記掲載)。はな子の飼育が動物虐待に当たるという考えがあることについても承知していると書かれていますが、どこか他人事のような表現であると感じます。継続して意見送付をお願いします。
また、「大事に飼育されてきた」とされるはな子ですが、死亡につながったと考えられる引きこもりを引き起こした新しい白い柵を下記のニュース動画で見ることができます。ゾウにどう見えたかはわかりませんが、確かに圧迫感と異様な造形を感じます。
そして、これだけはな子を長く飼育していても、人間はゾウの心理を予測することもできませんでした。人間が野生動物を飼育することには、やはりそもそもの問題があると思わざるを得ません。
また、引き込もりについて動物園側が甘い見込みであったこともわかります。
飼育の日 なぜ…引きこもるゾウのはな子(TOKYO MX 2016年4月19日)
28武市活市第47号
平成28年6月23日
動物愛護団体PEACE
東 さ ち こ 様
武蔵野市長 邑 上 守 正
一雨ごとに紫陽花も色鮮やかになっていくようでございますが、いかがお過ごしですか。
さて、東様よりいただきましたメールを拝見いたしました。
ゾウのはな子は、昭和24年、2歳のときにタイ国から日本に贈られ、上野動物園を拠点に、巡回動物園で各地の子どもたちの人気者になりました。その後、多くの市民の要望もあり、昭和29年には井の頭自然文化園に転園し、以来、60年以上を武蔵野の地で過ごし、去る5月26日に69歳の生涯を閉じました。
はな子は、二度の死亡事故を起こしたことや歯がほとんど抜けてしまったこと、そして長年にわたって他の仲間とたわむれることもなく象舎で過ごしたことなど、来日以来、いくつかの悲しい出来事がありました。また、東様のご意見のとおり、本来家族と暮らすべき動物であるゾウが動物園に連れてこられたこと自体も含め、そういった一連の出来事が「動物虐待」に当たるという考えがあることについても承知しております。
しかしながら、そのような背景があったにせよ、はな子は大変多くの方々に長年にわたって愛され、さまざまな年代の人たちに元気を与えてくれました。このたびのはな子の死に際し、井の頭自然文化園に設置された献花台には多くの方が訪れ、花が手向けられました。はな子をきっかけに、いろいろな人の記憶がつながり、思い出が共有され、はな子を愛する人たちの気持ちを一つにしてくれました。地元の自治体としましては、はな子に対する感謝の念に堪えません。
当市は、来年、市制施行70周年を迎えるにあたり、はな子の70歳を記念する事業を検討していたところでございますが、このたびのことを受け、感謝の気持ちを込めて、はな子のメモリアル事業の実施を考えております。はな子を偲ぶうえでは、良い思い出とともに、はな子にとって不幸なことが起きていたという事実があったことも、我々がきちんと受け止めていく必要があると考えております。事業の内容につきましては、まだ具体的には決まっておりませんが、いただいたご意見も踏まえながら、今後どのような事業としていくか十分に検討してまいりますので、何卒ご理解くださいますようお願いいたします。
末筆となりましたが、東様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。