【動物保護5団体声明】JAZAが追い込み猟によるイルカ生体捕獲を断念したことを歓迎
この件については、ブログもご参照ください。
プレスリリース
日本動物園水族館協会(JAZA)加盟水族園館が
追い込み猟によるイルカ生体捕獲を断念したことを歓迎
~WAZA(世界動物園水族館協会)の会員資格停止問題~
追い込み猟からのイルカの生体捕獲について、日本の約170の動物保護関係の団体が異論を唱え、各所に働きかけを行なってきました。その中心的役割を果たしてきた私たち5団体(末尾参照)は、この決定を歓迎し、今後に残される課題を検討しています。
背景:
4月21日付で「世界動物園水族館協会(WAZA)」は、「日本動物園水族館協会(JAZA)」の会員資格を停止したこと、また、1カ月以内に追い込み猟からのイルカの生体捕獲を中止しなければ、除名処分にする旨をJAZAに通告しました。これを受けて、JAZAは、全加盟園館の意向を問い合わせ、ついに追い込み猟からの生体捕獲を断念する結論を出しました。2004年にタイペイ(台北)のWAZA会議で、日本のイルカ追い込み猟に反対することが満場一致で決まってから約11年目で、この決議が、ひとまず実行されたことになります。
私たちの見解:
JAZAの内情がどうであれ、このJAZAの決定は、JAZAがイルカの追い込み猟は、「WAZAの倫理規範」に違反し、「動物福祉」にも反することを認め、受け入れたことを、国際的に宣言したことになります。この意味は大きく、今後のイルカ追い込み猟の生体捕獲に影響することが考えられます。WAZAによれば、WAZAが対象としているのは、JAZA加盟水族館の生体捕獲だけでなく、非加盟水族館による生体捕獲も含んでいるからです。今後、JAZA非加盟水族館による生体捕獲が、国際的に注目されることになります。また、今回のWAZAの決定は、日本では合法的であるという追い込み猟実施の口実は、国際的には通用しないことを明らかにしました。生体捕獲に依存して野生動物を消費する日本の水族館の姿勢そのものが国際的に問題視されていると言えます。世界の動物園・水族館の指導的役割を果たすWAZAがイルカの追い込み猟を動物福祉に反すると位置付けたことで、追い込み猟による生体捕獲が、動物福祉の点から、国際的に問われることにもなりました。私たち日本の5団体は、これを機会に、日本政府及び水族館・動物園関係者が、日本だけでなく、世界の動向に目を向け、時代に逆行する選択をやめること。そして、多くの人々が、水族館や動物園に展示されている動物たちが、どこから、どのように各施設に運び込まれ、どのような生活を強いられているかを知ること。さらに、今後の水族館、動物園のあり方について考えるきっかけになることを強く望んでいます。
水族館問題の詳細・WAZAがJAZAを会員資格停止にするまでの経緯については、以下を参照下さい。
http://elsaenc.net/aquarium/ https://animals-peace.net/wildlife/dolphin
追記: