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もうすぐパブリックコメント! 動物愛護管理基本指針等改正

すでに1週間が経ってしまいましたが、17日に第39回の動物愛護部会が環境省で開かれ、動物愛護管理基本指針や飼養保管基準等の改正素案が出てきました。パブリックコメントの開始は、スケジュール表では6月となっていますが、もしかしたら5月末開始とのことです。

すでに報道もされていますが、動物愛護管理基本指針には今後10年間の殺処分数削減の目標値が盛り込まれており、位置づけとしても重要です。また、各都道府県の動物愛護管理推進計画は、この国の基本指針にならって制定することになっているので、影響は全国の自治体に及びます。

また、家庭動物・展示動物・実験動物・産業動物の飼養保管基準は、違反したからといって処罰ができるようなものではありませんが、それぞれの動物を扱う際によるべき基準として定められているものです。

しかし、家庭動物・展示動物の基準については、今回パブリックコメントにかかるスケジュールで納得できますが(法改正を反映させなければなりませんし、前回の部会で骨子が示されていた)、この日、実験動物・産業動物の基準についても、わずかに改正を行う案が出てきたことには納得しがたいものがありました。

これらの基準改正が、ほとんどまったく議論もされないうちに一部改正で終わってしまうのは非常に問題です。

特に、産業動物の基準の改正は動物擁護団体の悲願ですが、このような形で終わってしまってよいものでしょうか。

また、実験動物については、法改正に盛り込まれなかったことで国民に大きな落胆を与えました。このような形で、また軽視されることがあってよいものでしょうか。

ここのところ、研究者の間でも「各省ばらばらの指針・基準を統一させたほうがいいのではないか」といった発言がみられます。パブリックコメントでは、ぜひ「今一度真剣に検討に取り組むべき」の意見をお送りください。

●動物愛護管理基本指針の改正案について

動物愛護管理基本指針の改正案が、見え消し版で配布されました。個人的な価値観が反映されているように感じられ、行政文書としては違和感のある「基本的考え方」の部分については、ほとんど見直されないようです。

法改正の内容を反映して、終生飼養と繁殖制限については文言が追加されていましたが、単なる終生飼養ではネグレクトや劣悪多頭飼育を招く可能性があり、「適正な終生飼養」である必要がありますが、その点は反映されておらず、国に理解されているのか不安です。

殺処分数削減の目標値は、10年後の平成35年度に10万頭(平成16年度比75%減、現状からほぼ半減)となっています。

動物実験については、基準の解説書の改訂を行うことが盛り込まれていましたが、それ以前に、飼養保管基準・各省指針自体のしっかりとした見直しが必要ではないでしょうか。解説書については、日本獣医師会が出していた殺処分指針の解説書の改訂を要望していましたが、こちらは反映されませんでした。

産業動物は、OIE(国際獣疫事務局)の基準について書き込まれたことは画期的かもしれません。飼養保管基準に「反映すること」という記述は残っているので、今後10年の間にさらなる見直しがされることが、産業動物に関しては示されていることにはなります。(実験動物には、それがありません)

そのほか、法改正を反映して、動物取扱業規制について、虐待について、災害時の体制づくりについて、マイクロチップについて、などが盛り込まれています。逆に法改正で足りなかったところを補うような記述が、特定動物や学校飼育動物などについて見られます。

●家庭動物等の飼養保管基準の改正について

指針には動物福祉の観点はあまり盛り込まれていませんでしたが、こちらの案には「健康及び安全を保持しつつ」「適切に飼養」の文言が盛り込まれていました。

また、生物多様性国家戦略の記述に合わせ、野生動物の飼育は限定的であるべきとの文言を盛り込むことを要望していましたが、現在の部会では、それどころではなく「野生動物・特定動物を個人で飼育するべきではない」との意見がしばしば出てくるので、本当に心強いと思います。

犬の係留についての部分も大幅に改善が見られましたが、本当は室内飼育がのぞましいのであって、この辺りはぜひ犬派の皆さんにパブリックコメントで頑張っていただきたい点だと思います。

猫については、繁殖制限措置のところの「原則として」が削除になります。地域猫については、「飼い主のいない猫の世話をするなら、地域猫対策のようなしっかりとした世話をしなさい」のニュアンスで盛り込まれている形でした。猫派の皆さんに、ぜひチェックしていただきたい部分です。

●展示動物の飼養保管基準の改正について

家庭動物の基準と共通の修文が多いですが、ほかは犬猫の夜間展示規制、特定動物関連などです。

また、撮影時の取り扱いとして幼齢犬猫への配慮を求める文言が追加になっていますが、ここの部分では、「社会化期の確保」という表現をめぐって委員の間で議論がありました。(「社会化期という時期はない・一生続く」という意見と、「ある」という意見) 

パブコメ案でどのように直されてくるかはわかりませんが、体力的な理由からも幼齢の動物を撮影に使うことは好ましくなく、また、本来哺乳類を親離れの前に親と引き離すのは好ましいことではないわけで(ライオンの赤ちゃんなどは、ふれあいや撮影のために早期に親から引き離されてしまいます。撮影のための移動の届出がかなりあると聞いています)、ここは社会化という表現をなくして、犬猫にも限定しないほうがよいのではないかと思いました。

●実験動物の飼養保管基準の改正について

2カ所追加されるだけです。一つは、自己点検と外部評価についてで、自己規制路線の強化にすぎません。

もう一カ所は、種や習性に配慮した飼養保管環境を確保せよということで、今までなかったのがおかしいくらいの文言ですが、抽象的です。

繰り返しになりますが、実験動物の福祉を確保するには、もっとしっかりとした議論が必要だと思います。

●産業動物の飼養保管基準の改正について

一般原則に改正法の理念が盛り込まれますが、5つの自由のうちの一部に過ぎません。

また、動物種ごとに快適性に配慮した飼養保管を行うことと追加されているのは、畜産技術協会が定めた種ごとのアニマルウェルフェア指針が想定されているのだと思いますが、たったこれだけの改正で終わってしまうのか……とがっかりせざるを得ない内容です。

●犬ねこの引取り等措置について

引き取った犬や猫を殺処分できる根拠はこの措置にありますが、今回の改訂では、引取りを求める特段の事由がない場合は引き取りを拒否するよう努力すること、ただしふえちゃってこまるような場合はそれにあたらないこと、などが盛り込まれます。現在では行われていない処分手段も削除されます。

また、遺失物法が改正された際には、「措置との整合性はある」というのが環境省の見解でしたが、なぜか今回、「整合性を合わせる」ということになり、警察は所有者不明の犬猫は扱わないから自治体よろしくね(=連携?)ということが明確化されるようです。同時に、「逸走の家畜(明らかに所有者がいる場合は、これにあたるという説明だった)」については拾得場所を警察に差し出すように連れてきた人に言えという文言が削除されます。

この点、若干気になったまま確認できていない状況ですが、以上、とりいそぎのご報告でした。

今回はちょっと駆け足で申し訳ないのですが、もうすぐパブコメ案として出てきますので、じっくり読んで、動物たちのためにご意見を送っていただければ幸いです!

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