9月29日、農林水産省、独立行政法人農畜産業振興機構、一般社団法人全国肉用牛振興基金協会の主催で「肉用牛繁殖技術シンポジウム」が開催されました。もちろん、「繁殖して増頭しよう」というのが趣旨の集まりです。
時間の都合でほとんど聞くことができなかったのですが、資料には「今、和牛集団で生じている異変」として以下のようなことが書かれていました。
- たった5頭の種雄牛の子供が集団の50%以上を占めるようになっている。地域集団の特徴が消失
- 種雄牛の共用の長期化と偏重 有効種雄牛数は10頭以下に減少
その他、図やグラフから、近交係数が不可避的に増加しており人為的にコントロールできる余地がなくなっていること、和牛集団には、系統名こそあれど実際には大きく重なり合っていることなどがわかります。営利や効率を追求した結果かとは思いますが、怖ろしく均質化してきていることに驚きます。
また、肉用牛の初回受胎率が年々低下し続けているとのこと。適正な栄養管理(極端に太らせない、痩せさせない)の必要性や、繁殖機能は栄養と環境(特に牛舎内)が強く影響すること、繁殖障害は遺伝的要因を除けば管理上の失敗が原因である可能性が高いことなどが示されていました。
会場では関係する機材の展示などの展示も行われていました。
▼会場では展示も
▼牛の足に装着し、歩き回る歩数で発情を知る機械