結局1年間の猶予が認められたものの、EUでは既に2012年に禁止されている採卵鶏のバタリーケージ。
この非常に狭いスペースでの過密飼育形式に対する廃止の声はアメリカでも挙がっており、州法やフードチェーンの取り組みなどが進んできています。
先日は、米国小売り最大手(シェア25%)のウォルマートが、2025年までにバタリーケージで飼育された鶏から得る卵の扱いを全面的に廃止するとの宣言を行いました。
この、いわゆる「ケージフリー」への移行は、全米のチェーン店全4600店とサムズクラブの650店が対象となるそうですが、もう議論の余地はないほどに今後の方向性を決定づけたと評価されています。
- CNN:
米ウォルマート、卵をすべてケージフリーに切り替え - ウォルマートUS:
Walmart U.S. Announces Transition to Cage-Free Egg Supply Chain by 2025 - USUS(全米人道協会):
Breaking News: Walmart, the Nation’s Biggest Food Seller, Says No to Cage Confinement for Hens
しかし、世界最大手でもあるウォルマート、日本には影響を及ぼさないだろうか?と期待も寄せつつ、日本で系列となっている西友に問い合わせてみたところ、
「西友では、現在、ケージフリーの卵の取扱いはございません。
今後につきましては、お客様のニーズを聴きながら検討していく方針です。」
との回答でした。
確かに日本での金額シェアベースでは1%にも満たない状況で(下記研究参照)、あまり期待はできないことかとは思いますが、取扱ゼロとはあまりに差がありすぎ、驚きました。
流通が取り組んでいないということは、もちろん消費者が買わないという問題もありますが、流通が価値を示して売っていくことで売れるものもあります。
ぜひ西友に一言、「ウォルマート系列としてバタリーケージでない卵を売ってほしい」「鶏が狭いケージで苦しんでいない卵が食べたい」と要望をお寄せください。
- 参考:
平成26年度畜産関係学術研究委託調査報告書平飼い卵を中心とした鶏卵販売動向の研究アニマルウェルフェア対応の可能性
調査責任担当・執筆担当 麻布大学獣医学部動物応用科学科動物資源経済学研究室教授 大木茂
■ウォールマート系列の西友へぜひ要望を
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