茨城県畜産センターの動物虐待告発につきまして、先日、不起訴となったことをご報告いたしましたが、この事件につきましても検察審査会に起訴相当の判断を求める申し立てを行いました。
牛たちへの殴る・蹴る・金属製の道具で叩くなどの暴行、糞尿が堆積した運動場や暑さ寒さ・風雨にさらされる囲いの中に収容するといった過酷な飼育状況が動物愛護法に反するとして、2024年2月、PEACEを含む4団体(PEACEのほかにJAVA、AR[…]
4月30日付けで水戸検察審査会より、審査申し立て受理の通知をいただきました。この審査申し立てにあたり、意見書を書いてくださいました獣医師の皆さまに感謝申し上げます。
検察審査会は、一般市民が検察審査員を務めます。畜産センターで行われていたような暴力的な扱いが虐待として立件されないなら、今後の日本全国の畜産動物の扱い方にも影響が出てしまいます。どうか、起訴するべきという判断をお願いいたします。
なお、茨城県畜産センターでは、牛を蹴ったり、金属製の板レーキや竹棒などで叩いたり突いたりすることが日常的に行われていましたが、こうした扱いはEUでは明確に禁止されているとのことです。
牛を歩かせるための暴力的扱いについて
- 欧州連合(EU)加盟国に適用される EU Council Regulation (EC) No 1/2005 では、動物輸送時における家畜の取り扱いについて、動物を叩いたり蹴ったりすること、先が尖った突棒またはその他の器具を使用すること等を明確に禁じている。
- 「牛を俸で叩くような乱暴なハンドリングは,屠体傷の増加や,肉質の低下に繋がる」と輸送中の牛の福祉に関する日本の論文(植竹勝治ほか「輸送牛の家畜福祉」畜産の研究、2008年62巻1号)でも述べられている。日本でも、このような認識は以前から持たれていたはずである。
- 欧州食品安全機関(EFSA)は、輸送中の牛の福祉に関する報告書「Welfare of cattle during transport」(2022年)において、「虐待には、動物を殴ったり、敏感な部分を突いたり、倒れた動物を引きずったり、動物の上にゲートを故意に閉めたり、倒れた動物の上に故意に動物を追い込んだりすることが含まれる」と明示している。
これまでの経緯
茨城県畜産センターの問題については、まとめページから各記事をご覧ください。
2023年7月、PETAアジアが茨城県畜産センターの牛の暴力的扱いや劣悪な飼育環境について、内部告発に基づく暴露を行いました。動物実験施設でもあるこの施設の問題について、PEACEでも投稿をしてきましたので、このページから関連情報をたどれる[…]