OIEの「アニマルウェルフェアと豚生産システム」案に意見提出

日本も国として加盟するOIE(国際獣疫事務局)が肉豚の生産システムにおけるアニマルウェルフェアについてコードを策定作業中である件について、先日農水省のOIE連絡協議会で報告・検討があったことをご紹介しました。

このときの連絡協議会では、業界団体等にもこれから意見を聞くとのことでしたが、この「アニマルウェルフェアと豚生産システム」案について、OIEでは今年の1月12日まで各国からの意見を募っていることがわかりましたので、アニマルライツセンター(ARC)、動物実験の廃止を求める会(JAVA)、ヘルプアニマルズとの連名で、下記の意見を農林水産省に提出しました。

その後、既に日本政府からOIEに向けて出されたコメントが公表されていますが、3Rの記述を削除する、「なければならない」を「ものとする」に変更する(英語版を見るとmustをshouldに下げている)等、全体的に弱くする方向へでの修正コメントになっています。外科的去勢等について、「一般的」とする記述については、単に削除のコメントになっていました。

この「アニマルウェルフェアと豚生産システム」案は、2年かけて最終的な採択に至りますので、まだあと1年以上検討には時間がかかります。


OIEで、新規章として作成された「アニマルウェルフェアと豚生産システム」案に関し、我が国から提出するコメントを、下記の通り提案いたします。

第7.X.4条
9.飼養管理上の処置による合併症
「飼養管理を円滑化し、市場の要件を満たし、人の安全及びアニマルウェルフェアを向上させるために、外科的去勢、断尾、歯切り、牙切り、個体標識、鼻輪、蹄の処置等が通常、行われる。
ただし、
これらの処置が適切に実施されない場合には(以下略)」

(コメント案)
「飼養管理を円滑化し、市場の要件を満たし、人の安全及びアニマルウェルフェアを向上させるために、外科的去勢、断尾、歯切り、牙切り、個体標識、鼻輪、蹄の処置等が実施される場合があるが、これらの処置が適切に実施されない場合には(以下略)」

(理由)
第7.X.9条において、3つのRのうちの代替についても述べられており、「通常、行われる」とすることは矛盾がある。
特に外科的去勢については欧米諸国を中心に禁止・廃止の流れにあり、「通常、行われる」と記述することは実態にそぐわない。
また我が国の「アニマルウェルフェアの考え方に対応した豚の飼養管理指針」も歯切りについては削る方法を例示している。

第7.X.6条
「豚は社交的な動物であり、群で生活することを好むため、成熟雌豚や未経産豚が群れで飼われるような舎飼システムが推奨される。」

(コメント案)
「豚は社交的な動物であり、群で生活することを好むため、成熟雌豚や未経産豚は群れで飼われるような舎飼システムにすべきである。」

(理由)
個別飼育は豚の生態上好ましいものではなく、その福祉を著しく阻害する。欧米を中心に母豚の個別飼育は廃止の方向にあり、推奨ではなく勧告が望ましいと考える。

第7.X.9条
「外科的去勢、断尾、歯切り、牙切り、個体標識、鼻輪等の処置は豚に対して一般的に行われる。」

(コメント案)
「外科的去勢、断尾、歯切り、牙切り、個体標識、鼻輪等の処置は、最小限にとどめるものとする。

(理由)
3つのRについて後述されており、代替可能なものについては代替する(処置は行わない)ということをまずは選択させるべき。
特に外科的去勢については欧米諸国を中心に禁止・廃止の流れにあり、「一般的に行われる」と記述することは実態にそぐわない。
また我が国の「アニマルウェルフェアの考え方に対応した豚の飼養管理指針」も歯切りについては削る方法を例示している。

第7.X.13条
3ストール(クレート)
「ストールは、豚が以下の行動をとれるように適切な大きさでなければならない。」

(コメント案)
「ストールは常時使用するべきではない。
ストールは、
豚が以下の行動をとれるように適切な大きさでなければならない。」

(理由)
方向転換すらできないストール飼育は豚の行動の自由を奪い、その福祉を著しく阻害する。使用せざるを得ない場合も限定的とされるべき。

第7.X.14条
「すべての生産システムにおいて、豚には、水はけが良く、快適な休息場所が必要である。」

(コメント案)
「すべての生産システムにおいて、豚には、敷料、遊べる素材が提供され、水はけが良く、快適な休息場所が必要である。」

(理由)
豚には、穴を掘れる環境や遊べる素材の提供が必要である。豚は、土を掘り起こすルーティングや、ものを噛むチューイングといった行動に対して強い発現欲求を持っており、それらの行動を制限されることは、福祉の低下だけではなく、尾かじりや仲間との闘争につながっている。

以上。

何卒どうぞよろしくお願いします。

アクションをお願いします

署名にご協力ください日本が最大の消費国 ジャコウネココーヒー「コピ・ルアク」の取り扱い中止を求めるアクション[sitecard subtitle=関連記事 url=https://animals-peace.net/action[…]

活動分野別コンテンツ

活動報告ブログ

最新情報をチェックしよう!
NO IMAGE

動物の搾取のない世界を目指して

PEACEの活動は、皆さまからのご寄付・年会費に支えられています。
安定した活動を継続するために、活動の趣旨にご賛同くださる皆さまからのご支援をお待ちしております。

CTR IMG