昨年度から始まった消費者庁の「倫理的消費」調査研究会ですが、6月3日に第7回が開催されました。
中間とりまとめをどうするかの議論にかなり時間が割かれたものの、2年目は、初回からアニマルウェルフェアについての発表があり、国の調査会としては画期的な内容になりました。
お話をされたのは日本女子大学家政学部消費生活研究室・細川幸一先生で、タイトルは、「いのちを消費する者の責任を考える~アニマル・ウェルフェアとエシカル消費~」。畜産動物の現状とウェルフェアの考え方や世界的な取り組みなどについてお話をされ、大量消費への疑問を抱かせる内容となっていました。
また、驚いたのは、それだけではなく、発表を受けての議論も想像以上に濃い内容だったことです。座長はじめ委員の反応はとてもよく、初めて出た話題だったにもかかわらず、それぞれの活動との関わりが披露されるなど、「エシカル」をテーマに集められた人たちの感度の高さに感銘をうけました。畜産業の環境へ与える影響や、人間の消費活動と絶滅のペースの速さ等の話題にも及びました。
まだ配布資料と議事録が公開されていませんが、公開後には必読の内容です。
座長は、「(細川先生の話で)終わらせるつもりはない」ともおっしゃっていたので、今後も関連する話題が取り上げられる可能性はあるのではないかと感じます。ただ、時間的にすべての話題に深く入り込めないとの指摘もあり、公開されたスケジュールを見ると、確かに議論の場は後わずかであるようにも思います。
何とか最後の取りまとめに動物への配慮もエシカルの根源にあることを取り入れてほしいと思います。