先日、ツイッターで豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)の飼育員がホンドキツネを蹴るところが写った動画について相談を受けました。
ちょうど給餌中の動画であり、1匹目のキツネが食べた後に2匹目が食べようとしたところを足で払いのけて止めさせているような動画でした。どうも2匹目には食べさせたくないようなのですが、動画だけでは、なぜ2匹目に給餌させないのかがわからず、仮に1匹目だけに給餌したい理由があるのだとしたら別室で与えるか何かすればよいのでは?と感じましたし、来園者に気分の悪いものを見せるような給餌方法をとっているのもどうなのか?と思い、市へ問い合わせました。
力まかせとまでは言えない蹴り方でしたが、あたりどころ悪ければ何かケガに繋がる可能性もないわけではないので給餌方法としては不自然に思いますし、目の前の餌を食べさせないのが意地悪でやっているのではないと言い切れる材料もありませんでしたので状況を聞きました。
結果、以下の回答が来ました。
まず、今回の状況ですが、動画の飼育職員は4月から新たに担当となった職員で、グループ長及び前担当職員から指導を受けている段階でございました。
飼育マニュアルでは、本来、2匹のキツネに均等にエサを給餌するため、まず、放飼場内の隅に餌を少し投げ入れ、2匹がその餌に注目している間に2匹それぞれのエサ台を同時に置いてやるということになっておりました。しかし、不慣れな状況の中で、エサ台を同時に置くという順序を失念したため、2匹が同時に一匹のエサ台に集まり、慌てる中で、足でさばいてしまったとのことです。
この動画は、もともと本園のリピーターの方が撮影し、誤解を招く行為だとして、本園に気を付けるようにとツイートされ、メールで注意喚起をいただいたものです。その後、その動画が編集されたものが、アップされたことにより、元動画をツイートされた方は本意と違うとして、ご自身の元動画の削除や、編集された方に抗議をされたと聞いております。現在、動画が削除されているのは、そういった理由があると思われます。
なお、本園では、動物の健康、いきいきとした行動、成長と心理的にも健全でいることの大切さといった、いわゆる動物福祉の実現を目指し、飼育指導を進めているところでございます。今回の件は、不慣れな状況の中とはいっても、来園者にとっても、動物にとっても、決して、気持ちの良い行為ではありません。指導不足、教育不足であったと大いに反省しております。
飼育に当たっては、動物福祉の観点を十分考慮した「飼育マニュアル」の確実な遂行と、当然のことですが、動物の立場に立った業務が原則と考えており、今回、そういった観点での業務の再確認、洗い出しを4月末には指示をいたしました。今後も動物の立場に立った改善を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
豊橋総合動植物公園 園長
実は質問時点で既に動画自体が削除されており、相談されてきた方とも連絡がとれませんので、市側の説明をそのまま公開してよいものか判断つきかねるところもあるのですが、元動画があることは回答が来た後に検索で確認をしました。
それを見ると、2皿目を出すタイミングはかなり遅く、2皿あることを忘れているのか?とも思えるくらいでしたが、足でキツネを払っているということは2皿に分けて出すことを忘れているわけではないはずで、ぼーっと突っ立っているのは、やはり不適切と感じられました。そして結局2匹目は1皿目を食べ始め、出された2皿目には1匹目が移って食べています。
誰でも最初から完璧に作業できるわけではないですが、皿を引くか2皿目をもってくるのではなく動物を蹴るというのは意識の表れのようにも感じますし、しっかり指導してほしいと思いました。