銚子電鉄の猫ふれあいイベント中止になりました【2020年】
2020年、銚子電鉄の列車に生きた猫を乗せて乗客に触らせるイベントを行うとの告知がなされ、SNS等で批判が噴出し、中止になりました。
専門学校生による企画を銚子電鉄が受け入れたものでしたが、猫カフェから猫を連れてくる計画でした。
一般家庭に譲渡されれば引退となる保護猫カフェと違い、商業的に行われている猫のふれあいは、猫を長期にわたり利用し続ける搾取ビジネスです。それ自体が批判されていることも知らなかったのだろうと思いますが、車両等による輸送は動物に最も高いストレスを与える行為だということへも理解が不足していたと思います。
その後も、電車に動物を乗せて客引きを行うイベント企画が出てきていますが、電鉄会社には、人間が楽しめればそれでいいのか？ということを真剣に考えていただきたいものです。
新聞報道
「ぬくねこ電車」に関しては、Twitterで呼びかけ後、ブログ掲載前に中止が決定したのですが、準備していた文章をこちらに記録として残します。
STOP！「ぬくねこ電車」
猫を提供する猫カフェ業者自体も表示違反
動物を営利目的で利用する事業は、第一種動物取扱業の登録受けなければ法律違反になります。イベントや演劇等で動物を利用する場合も展示業とみなされますから、当然この規制を受けます。
そして、第一種動物取扱業の登録事業者が、そうした業を行うことを宣伝する場合には、ウェブサイトであろうとテレビCMであろうと、登録番号等の表示義務がかかっています。しかし、現実にはそもそもそれらを表示をしていない違反事例や、必要な項目を乗せていない不十分な事例があふれています。
これで本当に、自治体は毎年事業者に対して研修を行っているのでしょうか？
今日も、銚子電鉄で猫カフェの猫を電車に乗せてふれあうイベントが行われるということで調べていたら、やはりイベントのサイトに第一種動物取扱業の登録業者に義務付けられている登録番号等の表示がなく、義務が守られていません。
一瞬、無登録営業か？と思いましたが、猫を貸し出す猫カフェがリンクされているので、ここの出張営業の形になるのでしょう。そのウェブサイトを見ると、どうも業者は展示業での登録はしているようですが、この有様。
「認定」って一体何でしょうか？ 第一種動物取扱業は「登録」です。これでは、何らかの認定を受けたと優良誤認をさせる虚偽表示と言われても仕方ないのではないでしょうか。しかも動物愛護法で表示しなければならない内容は、「氏名又は名称、事業所の名称及び所在地、第一種動物取扱業の種別、登録番号並びに登録年月日及び登録の有効期間の末日並びに動物取扱責任者の氏名」ですから、２項目しか守られていません。
表示をしていないか、この程度の違反表示で済ませている事業者は、実のところ相当数にのぼりますから、いちいち自治体に指導を依頼していられない状況ですが、さすがに不適切なイベントを実施するとなると問題を指摘せざるを得ません。
事業内容も疑問。電鉄会社はイベントの内容をよく考えて！
それにしても、電鉄会社がイベントを了承するなんて、保護猫カフェなのだろうか？と思いきや、「純血種」の猫の繁殖を行っているような通常の営利目的の猫カフェでした。しかも、誕生させること自体が虐待であるスコティッシュフォールドの繁殖も行っていると書かれています。もはや、論外です。
しかも、抱っこ禁止の猫カフェもある中、わざわざ抱っこできることが売りなどと書いているところとタイアップして電車に動物を乗せるイベントをするとは、驚きです。猫が全く知らない新しい場所に連れていっていきなり営業に用いること自体が問題ですが、電車の揺れや音、多くの人の騒ぎ声など、電車内は特に不適切な場所です。
電車ですから、緊急時には急停止などもあるでしょう。誰かが窓を開けたりすれば、そこから猫が逃げる可能性もあります。こうしたイベントを引き受けること自体が、プロ意識に欠けると思わざるをえません。
とはいえ、受け入れてしまった銚子電鉄に根本的な問題があります。銚子電鉄に、このようなイベントに電車を貸し出さないよう、ご意見をぜひお送りください。※中止になりました。ご意見を送ってくださり、ありがとうございました。
#ぬくねこ電車 ですが、#銚子電鉄 に電話してみました。当初企画を断ったものの、学生さんからの熱心な働きかけで了承してしまっていたそうです。
既に意見が来ており、学校のほうに中止を申し入れ済みだそうです。明日午前中、企画者側で会議があるので、午後には結論が出るだろうとのことです。 https://t.co/UYhySdIcpx— PEACE 命の搾取ではなく尊厳を (@animalsPEACEnet) January 14, 2020
移動動物園自体が動物たちにストレスをもたらすイベントですが、さらに驚くのは、列車の中で動物に触らせるイベントが、電鉄会社などによって時折告知されることです。人間は列車が何なのか知っていますし、何時間で下車できるか理解した上で参加する[…]
