列車での動物イベントにNO! 電鉄会社はイベント中止の歴史に学んでください
移動動物園自体が動物たちにストレスをもたらすイベントですが、さらに驚くのは、列車の中で動物に触らせるイベントが、電鉄会社などによって時折告知されることです。
人間は列車が何なのか知っていますし、何時間で下車できるか理解した上で参加するでしょう。しかし、動物は激しい揺れや音が何によるものか、いつ終わるのか、理解できるわけではありません。列車輸送自体が動物にストレスを与えるのに、さらに見知らぬ人間に触られるイベントを行うとは、言語道断です。
電鉄会社と動物利用の関係性
昭和の時代、多くの電鉄会社が、終点などに動物園や水族館をつくって乗客をふやすという戦略をとりました。現在でもその名残の系列動物施設が残っていて、運営を続けている電鉄会社もあります。また電鉄会社は、沿線の動物園・水族館とは、日常的に宣伝を行う関係でもあります。お客さんが電車に乗ってくれるのだから、当然です。
これらのことから察するに、電鉄会社には、「動物のストレスなど配慮する必要はなく、人間の娯楽が大事」「動物を客引きの道具に使って利益を得ることは当然」という考えがあるのではないでしょうか?
しかし、動物を列車に乗せてストレスをかける集客イベントへの批判は、予想以上に大きいものがあります。これまで、列車に生きた動物を乗せて乗客に触らせるイベントが告知されては、SNS等で炎上し、中止に至るということが繰り返されています。
電鉄会社は、動物に配慮するということを学んでください。
動物ふれあい列車イベント中止の歴史
2017年 埼玉県×東武電鉄
※下記の件、埼玉県の担当課から、列車に動物は乗せないとの回答がありました!ご協力をありがとうございました。 詳細はこちらをご覧ください。以前にも、走行する電車に動物を乗せて「ふれあい」をするという企画があり、大変驚いたこ[…]
※イベントは埼玉県の企画で、こども動物自然公園の動物を使う予定だった。東武電鉄は東武動物公園を運営する鉄道会社。
2020年 銚子電鉄
2020年、銚子電鉄の列車に生きた猫を乗せて乗客に触らせるイベントを行うとの告知がなされ、SNS等で批判が噴出し、中止になりました。専門学校生による企画を銚子電鉄が受け入れたものでしたが、猫カフェから猫を連れてくる計画でした。[…]
※銚子電鉄はかつて終点に、系列ではないが、犬吠埼マリンパークがあった。
2022年 京急電鉄(京浜急行電鉄)
電鉄会社は動物虐待イベントを企画しないで!6月30日、電鉄会社の京急(京浜急行電鉄)が、なんと列車の中にペンギンなどの動物を乗せて乗客に触れ合わせるイベントの企画を公表したので驚愕しました。 貸切列車で行く!京急 楽・宴ツアー[…]
※横浜・八景島シーパラダイスの動物を使う予定だったが、過去には、京急の系列に油壷マリンパークがあり、そこのペンギンで列車イベントを実施していた。
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