スコティッシュフォールドの繁殖販売がなぜ続いているのか? 動物愛護議員連盟第16回総会報告

4月25日、超党派の「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」第16回総会が開催され、PEACEから代表の東も出席しました。

この日は、動物取扱業者の飼養管理基準についての意見交換、愛護センターを有する自治体首長からのメッセージ集作成の報告、環境省から飼養管理基準及びマイクロチップに関する新たな制度についての説明などが行われました。

マイクロチップ制度:日本獣医師会からの要請、一見もっともではあるのだが…

また、この日は日本獣医師会から、新たなマイクロチップ登録制度について要請がありました。

使い勝手をよくしたいという部分については理解できるところはありますが、そもそも獣医師会は、マイクロチップ登録業務により保険情報などの付加価値情報の提供を得たいと考えていることを公言しており(この日の提出資料の図にもその旨の記載がありました)、個人情報保護の観点からだけではなく、国の制度が利権誘導的な営業活動に用いられる危険性があるのではないか?という点でも、疑問を感じます。

営利目的に使いたいのであれば、法的な制度を求めるのではなく、あくまで民間の営利活動としてのマイクロチップ装着を継続すればよかったのではないでしょうか。犬や猫、ひいては飼い主のためと言いながら、本当はそこから利益が得られる人々のためではないのか、国は指定登録機関からの要望を丸のみせず、しっかり吟味してほしいと思いました。

そもそも獣医師会以外の団体も指定登録機関になることができる法律となっており、獣医師会ありきで制度設計するのであれば、本来の法の趣旨から逸脱してしまいます。

遺伝疾患の証である折れ耳の猫 どうして繁殖・販売が続いているのか?

この日の意見交換では、浅田美代子さんが、新しい飼養管理基準では遺伝性疾患を生じさせるおそれのある犬猫の繁殖はできないことになったのに、どうしてスコティッシュフォールド(折れ耳が特徴の猫の品種)の繁殖販売が続いているのかということを問題提起しました。

スコティッシュフォールドは、折れ耳自体が、骨軟骨異形成症という遺伝性疾患の症状のひとつです。程度はさまざまですが、関節の軟骨が骨のように硬くなり固定されてきてしまい、骨瘤(こぶ)ができ、動かせる範囲が狭まり、関節炎により痛みが生じてきます。症状は徐々に進みますが、こぶが大きくなってくると歩き方もぎこちなくなり、段差を登らなくなったりします。しっぽの骨に異常が出て変形することもあります。

足を投げ出して人間が座っているようなスタイルをする「スコ座り」も、関節炎の痛みのせいでこの態勢をとっていると考えられており、「かわいい」では済まされない問題です。

先天性の遺伝子疾患であり、根治する方法はありません。関節炎や痛みを緩和させる対処療法を続けることになりますが、生涯続く痛みに苦しめられる猫を生み出すことは正しいことなのでしょうか? スコティッシュフォールドの取り扱い中止を決定したブリーダー紹介サイトは、そのプレスリリースで、「あまりの痛さに安楽死を勧める獣医も少なくありません」と書いています。

これらの症状を生じさせる遺伝子は、優性(顕性)遺伝です。両親がこの遺伝子を持っている場合に特に症状が重くなる猫が生まれるので、売られている猫の多くは片親だけがこの遺伝子を持つような繁殖がされていると言われていますが、それでも発症リスクのある猫たちが人為的に生み出され、市場に多数ばらまかれていることに変わりはありません。(詳しくは朝日新聞記事参照)

朝日新聞デジタル

 犬種や猫種に特有の遺伝性疾患がいくつも存在します。それは、人が純血種として固定化してきた結果として生じたものです。ただ…

この日の議連で環境省は、組み合わせによっては問題がないと言われているから精査しなければならないというような回答をしていましたが、飼養管理基準の考え方に沿えば、痛みに苦しむ猫を生み出すおそれのある繁殖は根本的に避けるべきではないでしょうか。

環境省が見解を出さなければ、なかなか販売を止められない状況になっていると考えられ、早急に結論を出してほしいものです。

議連でこのことについて環境省に突っ込んでくれていた福島みずほ議員が国会の場で質問もしてくださっているので、議事録から該当部分を抜粋します。環境省は、売れている猫だから、業界に忖度して及び腰になっているのではないでしょうか?

第208回国会 参議院 消費者問題に関する特別委員会 第5号 令和4年5月11日 会議録より抜粋

太字黄色マーカーはPEACEによる。

  • 福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。
    ちょっと順番変えて、動物のことからお聞きをいたします。
    動物愛護議員連盟がありますし、動物が好きな市民や国会議員の人も大変多くいらっしゃいます。動物愛護法を改正し、飼養管理基準、政省令、環境省は抜本的なものを発表をされました。  動物取扱業の遵守すべき飼養管理基準において、遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある組合せによって動物を繁殖させることを制限しています。これは細目があって、今回の政省令にもあるわけですが、それはなぜなんでしょうか。
  • 政府参考人(松本啓朗君) お答え申し上げます。
    動物取扱業における犬猫の飼養管理基準におきまして、販売業者が犬猫を繁殖させる場合には、各種の遵守基準が設けられてございます。その一つとして、委員御指摘のとおり、遺伝性疾患等の問題を生じさせるおそれのある動物を繁殖の用に供しないこと、また、遺伝性疾患等の問題を生じさせる組合せによって繁殖をさせないこと、これらが規定されてございます。
    これらの規定の趣旨ですが、例えば、遺伝性疾患が発生する危険性が高くなるような近親交配など動物に遺伝性疾患を生じさせるような繁殖を防いで、動物の健康そして安全を保持することを目的とした規定でございます。
  • 福島みずほ君 猫で、折れ耳の猫ちゃんというか、猫でスコティッシュフォールド、すごくかわいらしい猫がいます。そして、非常に人気があるわけですが、この折れ耳のスコティッシュフォールドは軟骨、骨軟骨異形成を発症すると。これは遺伝性疾患であり、折れ耳・折れ耳だと折れ耳、折れ耳と立て耳だと折れ耳が半分、立て耳・立て耳だと立て耳というふうに明らかに遺伝性が、あっ、遺伝性疾患であると。骨軟骨異形成ですので、やはりなかなかしんどいというか、しんどいというふうに、猫自身のやっぱり病気があるというふうにも言われています。
    折れ耳のスコティッシュフォールドはこの骨軟骨異形成を発症することがあり、これは遺伝性疾患を抱えているとの指摘がありますが、環境省の見解はいかがでしょうか。
  • 政府参考人(松本啓朗君) 委員御指摘のとおり、折れ耳のスコティッシュフォールドに関する昨今の研究におきまして、骨軟骨異形成の発症につきましては遺伝性疾患であること、そしてまた、症状の程度には個体差があるという報告があることは承知してございます。こうした遺伝性疾患を有する個体を人為的に繁殖させることについて様々疑問を呈する声があることも承知してございます。
    一方で、これまでつくられた様々な犬猫の品種そのものの在り方が問われる問題でもありますし、また、スコティッシュフォールドのように、御指摘のとおりペットとして人気が高い、飼育愛好者も多い品種におきましては、繁殖を規制することに伴う社会的な影響も相当大きいものと考えてございます。このため、規制の適用の在り方を検討する際には客観的な事実と国民的な議論の積み重ね、そうしたものが必要であると考えております。
    環境省としては、折れ耳のスコティッシュフォールドの繁殖規制の適用の在り方につきまして、獣医師関係団体、動物愛護関係団体、ペット業界団体等の知見と御意見をよく伺いながら検討してまいりたい、このように考えてございます。
  • 福島みずほ君 今このスコティッシュフォールドを飼っていらっしゃる方たちは、これはもうペットが家族ですから、それはそれでいいんです。ただ、今後、そのブリーダーやいろんなところで、まあペットショップでということもありますけれども、これは遺伝性疾患で、骨軟骨異形成で、やはりこれを繁殖させることについてはやっぱりこれは考えるべきだというふうなことをもっと周知したり公知したりする必要があるんじゃないか。だから、折れ耳のスコティッシュフォールドは遺伝性疾患を抱えているため、ブリーダーなどの飼養管理基準の趣旨を理解してもらい、ブリーダーの人たちなどに、今後はその繁殖を避けることを検討すべきだと考えますが、改めていかがですか。
  • 政府参考人(松本啓朗君) お答えいたします。
    やはりその基準でございますので、これに反することは動物愛護、また動物福祉の観点から望ましくないことだというふうに考えております。したがいまして、スコティッシュフォールドの繁殖規制の適用の在り方につきましては、先ほどお答えしましたように、よく様々な関係団体等からの知見、御意見を伺いながら検討してまいりたいと思っております。
    また、国民的議論の醸成に関しましては、やはりその飼育されている犬猫が品種の特性として遺伝性疾患を抱えている場合があるということを、飼っている方、そして今後飼われる方、もう広く国民の皆さんに知ってもらって、十分に理解していただくことが必要であると考えております。このため、そのブリーダー、またペットショップ等動物取扱業者に対しまして、特定の品種が抱える健康上のリスクにつきまして周知を図ってまいりたいと考えております。また、飼い主に対しましても、こうした動物の繁殖に関する課題、また、その飼う動物を選択する際の注意点などにつきましても、動物愛護週間や様々な機会を通じて我々としても情報発信をいたしまして、理解を深めていただけるよう努めてまいりたい、このように考えております。
    以上です。
  • 福島みずほ君 飼養管理基準を、政省令を環境省が作られましたので、これにのっとって、繁殖やいろんなところ、販売とかいろんなところでこれがきちっと遵守されるように、更に頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

報道もされました

sippo

環境省の松本啓朗・大臣官房審議官は11日、参院消費者問題特別委員会で、スコティッシュフォールドの繁殖について「規制の適…

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