PETAが、欧州の組織 The Camp BeagleとAnima Denmarkから入手した文書や動画から、数千匹の犬がスカンジナビア航空(SAS)などによってアメリカから世界中の研究所に輸送され、そこで拷問や虐待を受けていることが明らかになったとして、動画を公開しました。飛行機で空輸されるビーグル犬たちは、自分たちに恐ろしい出来事が起こることをまだ知りません。胸の詰まる映像です。
PETAの記事によれば、スカンジナビア航空が輸送する犬のほとんどは、ニューヨーク州北部で巨大なビーグル生産工場を運営するマーシャル・バイオリソーシズ(別名マーシャル・ファームズ)から来ているとのこと。
このマーシャルの施設では常時 20,000 頭以上の犬が飼育されているそうですが、実は、日本に実験用ビーグル犬を輸出している施設でもあります。
犬と猫の輸入は検疫の対象ですが、試験研究用(動物実験用)の場合には特例が定められており、農林水産省が指定する施設からの輸入であって一定条件を満たしている場合には、180日以内の係留検査が不要となり、輸入時の係留期間を12時間以内におさめるこ[…]
日本の実験犬のシェア8割を占めるのが、この施設からビーグル犬を日本に輸出しているマーシャルです。シェアが8割であることは、今年5月に開かれた実験動物学会でマーシャル・バイオリソーシス・ジャパン株式会社の代表取締役副社長が講演で述べていました。
同社は実験後のビーグル犬の里親探し(一般家庭への譲渡)や、死体の獣医学教育での活用(生体の代替となる)など、日本で斬新な取り組みをしているのですが、シェア8割という事実は重いです。動物実験はなくなるべきだという熱意ある講演だったので、日本の実験動物の世界を変えてくれることを願っていますが、このアメリカの施設に関しては、PETAの記事に以下のように書かれていました。
同社はネズミやハエのいる建物内の不衛生で老朽化したケージに犬を収容しており、犬に適切な獣医療を提供していない。
ちなみに、マーシャル社は、いわゆる「ペット」として売られているマーシャルフェレットの生産から派生した実験動物生産会社で、現在もマーシャルフェレットの会社と関連会社です。(実験用とは別の繁殖場で繁殖しているそうですが)
航空会社に実験犬を輸送しないように働きかけるアクション
PETAは、実験犬たちを世界各国へ運んでいるスカンジナビア航空に対し、輸送を止めるよう意見を送るメールアクションを呼びかけています。
While many airlines refuse to transport animals destined for…