OECDテストガイドライン初の免疫毒性の動物実験代替法は日本発

今年7月、OECD(経済協力開発機構)が動物実験に代わる新しい試験法を採用しました。IL-2 Luc アッセイ(TG 444A、IL-2転写活性抑制評価試験)です。

この試験法は、化学物質や薬剤が意図せずアレルギーを起こしたり、免疫を過剰に抑制したり亢進させたりする有害なものではないかどうかを調べる免疫毒性試験の代替となる試験法として採用されました。

現在、免疫毒性の評価は動物モデルに依存していますが、動物実験は、高コスト、倫理的懸念などの多くの欠点があり、人間の健康への影響を予測する能力もさまざまです。 さらに、現在の動物モデルは、メカニズムの理解を常に提供するとは限りません。これらの問題を克服するために、簡便に、短期間で、正確に免疫毒性を検出する、動物実験ではない試験法の開発が必要とされてきました。

免疫毒性の動物実験代替法はOECDテストガイドラインでは初ですが、なんと、これは日本から提案された試験法です。東北大学大学院医学系研究科皮膚科 相場節也名誉教授らが開発したマルチイムノトックスアッセイ(MITA:Multi-ImmunoToxic Assay)の一部をなす試験で、複数の施設で同じ試験法を試してばらつきが出ないか評価するバリデーション試験は、JaCVAM(日本動物実験代替法評価センター)によってコーディネートされました。

ただし、このIL-2 Luc アッセイは、他の免疫毒性試験と組み合わせた場合に免疫毒性の体系的な評価の一部として使用できる迅速なスクリーニングを実現するもので、単独ではまだ威力を発揮しません。

ほかの複数の試験との組み合わせで免疫毒性の動物実験の代替となり、残り2つの試験法については来年以降になるとのことです。

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