実験動物の販売数アンケートの結果が公表されました

動物実験では、多くの場合、動物実験用に繁殖された動物が使われます。そういった実験動物の生産を行っている業者や研究機関を対象にしたアンケートが3年に1回行われており、平成25(2013)年度のアンケート結果が、昨日、日本実験動物協会のサイトに公開されました。

全体の傾向としては、多くの種で減少傾向にありますが、遺伝子改変マウスやブタなどが増加しています。概略、以下のようにまとめられていましたが、詳細はリンク先の表をごらんください。

  • マウス全体 約24.8万匹減(5.9%減)の396.2万匹
  • ラット全体 約42.7万匹減(25.9%減)の122.0万匹
  • モルモット 約6.1万匹減(37.6%減)の10.1万匹
  • ハムスター類 約3.8千匹減(22.8%減)の1.3万匹
  • ウサギ 約3.0万匹(33.6%減)の6.0万匹
  • イヌ 約1.9千頭減(22.7%)の6.4千頭
  • ネコ 117 匹減(17.4%)の554 匹
  • ブタ 2,806頭となり、74.0%(1,193頭)の増加
  • サル類 販売数2,966頭で2.2%(66頭)減

但し、サル類については、動物種類別輸出入検疫状況に基づく輸入検疫実績の報告では、平成25年は5,115頭とのことで、アンケート調査の約1.7倍となっています。これは、「使用者が直接又はアンケート先以外から輸入・仕入れして使用したサル類が相当数いることを示しているものと推察される」とのことです。

また、ブタの2,806頭という数字についても、明らかに実態を反映しておらず、少ない数字と思われます。ブタは、動物実験用に繁殖されたミニブタだけではなく、食肉用に生産された家畜ブタが用いられており、養豚農家から購入されているからです。

特に、ブタを用いる医療機器のトレーニングセンターでは、間違いなく1か所で年間に500~600頭使っているところがあることは把握していますし、2000頭使っているところもあると聞きます。日本実験動物協会からは、次回調査以降、改善を検討するとは伺っていますので、より正確な調査を期待したいと思います。

しかし本来は、実験に使用された動物数に関しては、諸外国のように国の統計があるべきだと当会は考えています。このアンケートは販売実態調査であり、これはこれで業界団体として必要があってなされているものとは思いますが、実験動物の使用数を表しているものではないからです。(実験動物は、研究機関で繁殖をして使うことも多くあります。繁殖が実験の過程の一部であることもあります) 

日本にはもう一つ、日本実験動物学会が行っていた使用数のアンケート調査がありましたが、回答率も低く、さらには、ある日時点の飼養数調査に切り替わってしまいました。

統計は政策決定をする上での基礎資料ですので、日本に統計がないことは、動物実験に対して特段の具体的政策がないことを反映しているだけではあるのですが、基礎的なデータがないために政策が進まないという悪循環もあると思います。今後も国に情報収集を求めていきたいと思います。

実験動物輸送箱

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