改正動物愛護法2年目の施行へ向けて動物取扱業者の飼養管理基準が策定されようとしています。犬猫以外の動物にも福祉基準を!

動物実験代替法学会について報道。ただし実験動物の数については誤解なきよう!

熊本で開催された日本動物実験代替法学会について地元の新聞が報じました。こうやって、動物実験を他の方法に置き換えることへの認知度が上がっていくことを期待します。

  • 熊本日日新聞:動物実験「可能な限り減らす」 新薬開発に不可欠 「培養細胞」使った代替法など崇城大で開発進む

日本の実験動物の使用数は減っているのか? 実態は不明!!

ただし、記事中の実験動物の統計(平成28年度版はこちら)は販売数の統計で、あくまで特定の業者から販売された動物の数に過ぎないので、研究機関で繁殖され実験のために殺されている動物や、アンケートが送付されていない販売業者(特に家畜ブタやヤギ等の家畜)の数が含まれていません。(平成25年度版公開時の記事を参照)

おそらく、安全性試験等の試験系については購入した動物が使われているという判断で、今回の記事では減少傾向と書いているかと思いますし、間違いとは言えないと思いますが、大学等での研究まで含めた動物実験全体では、減少傾向があるかどうかは全くわかりません。

動物実験で犠牲となる動物の数は、販売数よりもっとずっと多いからです。

日本では、以前は、この販売数調査とは別に、日本実験動物学会が実験施設にアンケートを送付する調査を行っていたので、そのアンケート回収率等から推定して、年間「2000万匹の実験動物が犠牲になっている」というフレーズが使われるようになりました。しかし、諸外国と違って日本には研究機関に課される報告の法的義務や国に対する統計の法的義務がなく、実態不明が続いています。

使用数や増減については、本当のところは一切わかりません。

特に、研究機関で遺伝子を欠損させたノックアウト動物をつくって実験するときに、実際に実験に使う動物が生まれるまでに繁殖と殺処分を繰り返すので、犠牲数が多くなります。イギリスでは、動物実験での動物の使用数の半数は、このときの殺処分だという統計が出ています。

組み換え動物が増加してきた現状を考えると、動物実験全体の犠牲については増えている可能性もあります。

日本は、今は、関係者が根拠なく印象で「動物実験の3R(代替、削減、苦痛の軽減)に取り組んでいる」と語っているにすぎません。

例えば、アメリカは苦痛の程度別に使用数の報告義務があります。日本も動物愛護法改正で動物実験施設を登録制とし、各実験施設に年次の報告書の提出を義務付ければ、3Rが本当に達成されているかどうかの評価をできるようになるはずなのですが、日本の実験関係者の意識の低さを考えると、このような義務を課すことができるようになるのは何十年も先かもしれません。

ですので、とりあえず今改正では施設の登録制(もしくは届出制)を求めていますが、それすら危ういのが現状です。改めて呼びかけますが、地元の国会議員への働きかけを継続してお願いいたします。

参考

EUの実験動物使用数についてのページをアップしました。

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