次期動物愛護法改正へ向けた課題一覧

次期動物愛護法改正について
PEACEでは、NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)、NPO法人アニマルライツセンター(ARC)と連携して法改正の活動に取り組んでいます。
前回2019年の法改正からの積み残し課題も含め、現時点で3団体が考える次期動物愛護管理法の改正事項は以下の通りです。議員連盟では2025年改正を目指すとしていますが、動物取扱業者の遵守基準の改正は犬猫以外の動物については終わっていないため、その改正・施行状況などを見て、要望項目は今後も見直していく予定です。
改正へ向けた動きについては、こちらのページをご覧ください。
次期動物愛護法改正について超党派の国会議員で構成される「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」に動物愛護法改正PT(プロジェクトチーム)が立ち上がっており、次期動物愛護法改正へ向けた議論が開始されています。(2023年9月時点)[…]
- 1 次期動物愛護法改正について
- 2 次期動物愛護法改正要望項目(案)
- 2.1 動物愛護法から動物福祉法への転換
- 2.2 対象動物種・業種の拡大
- 2.3 産業動物(畜産動物)に関する条項を新設
- 2.4 動物実験代替法の利用を義務化する等「動物実験の3R」の実効性を高める
- 2.5 輸送に関する条項を新設する
- 2.6 動物を殺す場合の方法を改善する
- 2.7 罰則の明確化
- 2.8 虐待された動物の保護
- 2.9 第一種動物取扱業の規制を強化① 移動展示・移動販売の禁止
- 2.10 第一種動物取扱業の規制を強化② 自治体職員の“動物Gメン”化
- 2.11 すべての動物の所有者又は占有者の責務、禁止事項の強化~飼育できる動物を限定するホワイトリスト制の導入を!
- 2.12 不適切飼養の是正
- 2.13 その他の改正
- 3 関連ページ
次期動物愛護法改正要望項目(案)
動物愛護法から動物福祉法への転換
- 動物福祉とは何かを明確にし、法の目的(第1条) の「国民の間に動物を愛護する気風を招来し」を「国民の間に動物福祉を守る倫理的責任を根付かせ」に変え、動物福祉の担保を追加する
- 「基本原則」(第2条)に「5つの自由」を盛り込む。すなわち、現行法の基本原則に盛り込まれている3つの自由に、残る「恐怖や抑圧からの自由」「正常な行動ができる自由」を追加する
動物愛護法の目的にアニマルウェルフェア(動物福祉)※を入れることで、動物自身の状態の改善を法の目的に加える必要があります。
現行法は、アニマルウェルフェアの国際原則「5つの自由」のうち「恐怖や抑圧からの自由」「正常な行動ができる自由」が含まれていないように読めるため、明確にすることで、動物への心理的な暴力やネグレクトが明確に違法であることを示す必要があります。
※前回の改正で日本語の「福祉」の採用にはハードルが高そうなことがわかったので、カタカナ語でも構わないと考えています。
対象動物種・業種の拡大
- 動物取扱業の対象種(第10条)を「すべての脊椎動物」とする【附則】
- 罰則の対象となる愛護動物の対象種(第44条第4項)を「すべての脊椎動物」とする【附則】
- 対象業種(第10条)を生きた脊椎動物を扱うすべての業に拡大する。動物実験施設、実験動物販売業、畜産関係業、生餌業、輸送業者、補助犬取扱施設、動物を使用した動画配信を生業とする者等を含める【附則】
- 繁殖制限(第37条)の対象種を「犬猫」から「すべての脊椎動物」とする
少なくとも脊椎動物までは規制の対象動物種にする必要があります。台湾、韓国、フィリピンなど周辺諸国も脊椎動物を対象としています。哺乳類・爬虫類・鳥類と、両生類や魚類の間に線を引く科学的・社会的根拠があるとは思えません。
業種については、同じく動物を扱う業であるにも関わらず適用除外が設けられていることで不平等が生じています。畜産などは現行の動物取扱業と同じ規定でなくても構いませんが、動物取扱業に含め、動物を扱うすべての業を動物福祉の観点での規制のもとに置くことが必要です。
静岡県は、日本で唯一、把握しているすべての動物実験施設への検査を毎年行っている自治体です。これは動物愛護法に基づいて県が定めた「静岡県動物愛護管理推進計画」に従って行われているものです。全国の都道府県の中でも特に製薬・医療機器関連企[…]
ここのところ、次期動物愛護法改正へ向けた動きが活発化してきています。議員会館で開催された勉強会や、東京弁護士会のシンポジウムに参加、またクローズドの打ち合わせ・勉強会なども複数動いています。国会質問も活発化しているように感じます。(先日配信[…]
産業動物(畜産動物)に関する条項を新設
- 産業動物に関する条項を新設し、以下の項目を加えること、及び③,④,⑤に違反した場合は罰則を適用できるようにすること
- 動物福祉の5つの自由を満たす飼育への転換を図ることを義務付ける
- 国際的な水準と最新の動向に配慮するものとする
- 産業動物の屠畜、殺処分においては、必ず意識喪失させてから次の屠殺に進まなくてはならない
- 飼育密度を適正に保つものとし、最低限、他の動物や壁と接触せずに横臥できる面積を与えること
- 外科的切除や施術では麻酔および鎮痛薬を使用するものとする
- WOAH(旧OIE)基準に準じて「産業動物の飼養及び保管に関する基準」を改定し、遵守義務とする【決議・基本指針】
- 産業動物関連施設を動物取扱業に加えること
畜産動物について条文がないことが、国際的にも異常な状態です。特に罰則がないことは影響が大きく、法令遵守のために必須です。
「5つの自由」の原則は、もともとは畜産動物の福祉改善のために提唱されました。これらを守ることは国際的な同意事項であり、国内食品大手企業も5つの自由を支持する立場を取っています。
畜産動物福祉の技術は刻一刻と変化しており、動物福祉、持続可能性、経済のために国際動向を把握し適用する必要があります。屠畜前の意識喪失は多くの国が義務化しており、意識喪失なしの屠殺は国際的に許容されません。早急に法的に意識喪失を徹底する必要があります。
日本は最低面積の規定がないため、他国より過密になる傾向があります。高温多湿な日本において密度が高いことは動物福祉の著しい低下とともに、疾病の発生、菌やウイルスの増殖につながっています。去勢や断尾、除角など痛みを伴う施術では、麻酔を行うか、撤廃することが人道的であり、かつ国際的な流れとなっています。法的に対応しなければ徹底できません。
また、国際獣疫事務局(WOAH、旧OIE)の基準はベーシックなものが規定されており、これらは遵守義務とする必要があります。
農林水産省・厚生労働省との連携による届出などの手段によって、動物愛護部局が畜産関連施設を把握し、指導を可能にする仕組みを作る必要があります。
動物実験代替法の利用を義務化する等「動物実験の3R」の実効性を高める
- 「動物を科学上の利用に供する場合の方法、事後措置等」(第41条)第1項における動物実験の代替や実験動物数の削減を義務とする【附則】
- 代替法があるものについては、それを利用することを義務付ける
- 代替法の開発・普及を国の責務とする【附則】
- 実験動物関連施設を動物取扱業に加えること
動物実験の3Rの原則(代替、数の削減、苦痛の軽減)の遵守は国際的な共通認識です。できる限り動物実験を避けることは苦痛の軽減と同様に求められている事項であり、代替と削減も苦痛の軽減と同様に義務化するべきです。
すでに利用可能な代替手段があるにも関わらず動物実験を選択することが未だに行われています。これらは明確に不必要な苦痛を動物に与えています。
3Rの原則を遵守した研究を推し進め、世界と競い合うには代替法の開発・普及は重要ですが、日本は意識の上でも後れを取っています。国として十分な人手と予算をかけて全力を挙げて取り組むべき課題であり、代替法の開発と普及を国の責務とするべきです。
また、実験動物の飼養保管等基準に代替・削減についても具体的に盛り込み、動物実験施設を登録制とし、登録施設に対し遵守を義務づける必要があります。
次期動物愛護法改正へ向けた検討が議員連盟で始まっています。今回は実験動物についても改正が必要だということを、ぜひ忘れないでください。2019年の動物愛護法改正の際、附則に下記のように実験動物の適正な取扱の推進に向けた検討等を行うことが盛[…]
輸送に関する条項を新設する
- 動物の輸送に関する条項を新設し、以下の項目を加えること
- 動物の輸送時間は最小限に抑える
- 苦痛や不快さの軽減に務める
- 給水は動物が渇きを覚える時間以上絶ってはならず、輸送が12時間以上に及ぶ場合は給餌する
- 動物の生理、生態等に適した温度、明るさ、換気、湿度、床材、空間を保たなくてはならない
- その他WOAH動物福祉規約7.2海上輸送、7.3陸路輸送、7.4空路輸送に準じ基準を策定し遵守義務とする
- 輸送時の基準の遵守を動物取扱者の責務に含める
条文がないことが国際的にみても異常な状態です。輸送は最も動物に負担がかかる行為であり、規制が必要だからです。
輸送は動物に大きな負担を強い、死亡することも多く、そのため輸送時間を最小限に留め、できる限り負担が少ない状態を保たなければなりません。
現状は宅配便などで死ぬことを前提に輸送が行われており、法律違反である可能性もありますが、輸送の規定が明確ではないため改善すら拒絶されています。詳細な規定はWOAH動物福祉規約に沿って規定し、遵守を義務化する必要があります。
動物取扱業者はその責任の所在を明確にする必要があり、輸送業者も動物取扱業者の対象とし、基準の遵守を求める必要があります。
動物を殺す場合の方法を改善する
- 第40条を以下のように改正する(動物を殺す場合の方法)
「第40条 動物を殺さなければならない場合には、できる限り速やかに、かつ苦痛のない方法によってその動物の意識を失わせた上でしなければならない。」 - 2.1の改正により、自治体による殺処分において哺乳類の炭酸ガス単体による殺処分は実質禁止にする【国会答弁】
意識の喪失を事前に行うことは、国際的にも人道的にも社会通念上も必須です。参議院の環境委員会では、「動物に対して苦痛を与えるような形での殺処分は今度の改正によって今後はないものというふうに考えている」という答弁がありました。
哺乳類の炭酸ガス単体による殺処分は安楽ではないため廃止する必要があります。
罰則の明確化
- 暴力行為や酷使等について、衰弱や死亡に至ることを前提とせず、その行為そのものを禁じる(第44条第2項)
- 罰則の条文に、虐待の定義として下記の①~⑮を明記し、虐待の判断をしやすくする
- 不必要な苦痛を与える
- 身体的な苦痛を与える
- 酷使したり、加重労働させる
- 拘束する、狭いスペースに入れる、あるいは繋ぎ、適切な運動をさせない
- 苦痛を与える輸送をする
- 生命や健康に危険が及ぶ状態で車内に動物を放置する
- 不適切な明るさのもとにおく
- 過密状態で飼養する
- 精神的苦痛を与える、ストレスを与え続ける
- 習性や生態に反した飼養管理を行う
- 習性に適した給餌、給水を怠る
- 傷病の治療や疾病の予防を行わないなど、健康への配慮を怠る
- 獣医師免許を持たない者が手術等の処置を行うこと
- 動物を闘わせる
- その他、上記以外にも積極的・意図的虐待、ネグレクトや未必の故意と考えられる行為にも適用できるよう範囲を広げる
現在の第44条第2項では、衰弱や死亡をしていないと罰則が適用されないケースがある。この条文を改善し、虐待行為そのものが罰則に当たるようにする必要があります。
また、殴る蹴るといった積極的な暴力以外の虐待で警察が虐待と判断できないケースがあるため、より定義を明確にする必要があります。イギリスの「動物福祉法2006」に倣い、不必要な苦痛を与えることに罰則をかけるべきです。
虐待された動物の保護
- 行政による虐待された動物の緊急一時保護を可能にする
- 殺傷・虐待・不適切飼養・遺棄した者が二度と飼養できないようにする
虐待者や悪質な飼い主のもとから強制的に動物を引き離すことができない現状では、動物の命が危険にさらされている緊急事態でもなかなか救出することができません。そればかりか動物を人質にとられている状態では、行政や警察等が虐待者や悪質な飼い主に強い手段を講じることができない現状があります。
犠牲となる動物をふやさないのは勿論のこと、行政や警察、愛護団体の労力を少しでも軽減させるには、一度、動物愛護法で罰せられた者や不適切飼養で行政に命令を下された者は、二度と動物を飼養できないようにする必要があります。
第一種動物取扱業の規制を強化① 移動展示・移動販売の禁止
- 次の①~④によって、移動展示・移動販売を実質禁止する
- 登録時及び更新時の立入の義務化【決議】
- イベント主催者名等の登録は不可とし、事業者ごとの登録の義務化
- 固定の事業所住所以外の登録の禁止(イベント会場、駐車場、公園等での販売・展示の禁止)
- 施設への導入後、取り扱う動物の検疫期間を2週間設ける
- 要件を満たさなくなった場合(土地建物の権原を失う等)の自動的な登録の抹消
行政ごとに運用があやふやになっており、イベント主催者名での登録で済ませ法の意図を反映していなかったり、イベント時以外事業実体のない貸施設が5年間登録されたままになっているなど、問題が散見されます。
移動展示、移動販売の規制強化による禁止が必要です。具体的には、道路、公共の場所、市場等で動物をペットとして販売することを禁じるイギリスの「1951年ペット動物法」に倣うのがよいと考えます。
第一種動物取扱業の規制を強化② 自治体職員の“動物Gメン”化
- 虐待の通報を受けた後、できるだけ速やかに、遅くとも1週間以内の立入検査を義務付ける(第24条の義務化)
- 環境省のガイドラインを規則等に格上げし、チェックシート形式で点検し、1つでも該当すれば虐待と認定する
- 行政が第一種動物取扱業者および第一種動物取扱業者だった者の違反を発見したときは、勧告しなければならないとし、又、その勧告に係る措置をとるべきことを命じなくてはならないとし、義務化する (第23条・第24条の2)
- 勧告、命令をする期限を3か月以内から1か月以内に改正
- すべての問題点の改善までが1か月。すべて改善されていなければ次の措置命令、行政処分、または動物虐待による告発等に進まなくてはならない
- 命令に違反した場合等の登録取り消し等を「できる」から義務化にし、即時登録取り消し、もしくは3か月以内に営業停止を命じる (第19条の義務化)
- 勧告、命令、取消、営業停止の行政処分時に業者名の公表を義務化する(現行法では勧告違反者の公表はできる(第23条第3項))
- 基準違反等に対し、期限内の勧告・命令を怠った場合、環境省による自治体への指示をできるようにする【地方自治法第245条の4~8】
- 動物愛護管理担当職員の要件を強化する(第37条第3項)
- 環境省が動物愛護管理担当職員研修を毎年実施、その受講と試験合格を必須とする
- 研修では、複数の自治体における虐待の通報と自治体の対応例を挙げて、虐待の判断や適切対応のトレーニングを行う
- 自治体同士で議論して問題点をあぶりだし、改善・向上につなげる
自治体職員が“動物Gメン”として不適切施設を積極的に取り締まるような制度の構築が必要です。虐待の通報を受けても、動かない自治体、動きが鈍い自治体があるため、期限内の対応を義務付ける必要があります。
虐待現場を見ても、「これは虐待ではない」と主張し、放置や適切な対応をとらないケースが発生していますが、虐待の判断が自治体や職員によって異なることは望ましくありません。共通の基準でもって判断できるような制度を導入すべきです。
指導にとどまることが多く改善に至らないため、勧告および措置命令を行政に対し義務化する必要があります。 (指導は法律上明記されていません)
複数の問題点がある施設で、そのうち1点でも改善が見られると良しとしてしまうケースが発生しているため、すべての問題について改善がなされなければ、手続きを進めることを義務付ける必要があります。
また、氏名・事業所名等の公表は業者に対する抑止力になりえます。国土交通省には「ネガティブ情報検索サイト」があり過去の行政処分について市民が知ることができます。
職務怠慢な自治体に対しては、きちんと国が指示をする体制が必要であり、その制度を法律に盛り込む必要があります。(例:地方自治法に基づく建築基準法第17条の規定など)
現場の動物愛護担当職員の能力・質の向上が不可欠であり、研修も義務付けるべきです。
すべての動物の所有者又は占有者の責務、禁止事項の強化
~飼育できる動物を限定するホワイトリスト制の導入を!
- 飼養動物のホワイトリスト制を導入し、飼育してよい動物を指定し、それ以外の動物を飼育不可とする【生物多様性国家戦略】
- 「動物を譲渡す者は、譲受ける者が適正飼養できることを確認すること」と義務付ける【決議】
- 「動物販売業者の責務」(第8条)の対象を、販売業者だけではなく動物を譲渡する者全般に拡大する
家畜化されていない野生由来動物の飼育は不適切であり、動物福祉の観点から限定的であるべきです。野生動物消費大国から脱皮するため、諸外国で実例のあるホワイトリスト制(ポジティブリスト制)を日本も検討するべきです。
また、動物を譲り受ける者が適正飼養できる住居に住んでいるか、世話や管理ができるか等の確認をせず安易に譲渡をしてしまう自治体、愛護団体、個人もいます。その結果、飼いきれずに遺棄されたり虐待・虐殺されたり多頭劣悪飼育されたりしています。さらには、集客目的にハムスターなどの生き物をプレゼントするイベントを行い、まともに習性や飼育方法の説明もせずに客に渡し、遺棄や過剰繁殖に陥ってしまうなどの問題も起きています。抽選は不適切ということを示すためにも適正飼育できる相手かどうかの確認を盛り込むべきです。
後期高齢者に動物を売り渡す、または譲り渡すなどで殺処分につながることもあります。譲渡しについては現行法には規定がないため、第8条に追加が必要です。
不適切飼養の是正
- 動物の所有者又は占有者の責務である適正飼養(第7条)を義務付ける。「当該基準によらなければならない」と改める
- 指導及び助言を削除し、勧告及びその勧告に係る措置命令を義務化(第25条)
- 自治体の収容状況を改善するため、都道府県知事等の収容施設に係る全国一律の技術的基準を定める(冷暖房・収容スペースの広さ・運動等)【決議】
飼養保管基準には基本的な事項しか記されていないにもかかわらず、違反が後を絶たず解決もできない。指導の徹底と確実な改善のため、遵守を義務化する必要があります。
指導にとどまる事が多く改善に至らないため、勧告およびその措置命令を、行政に対し義務化する必要があります。
施設によっては子犬・子猫を真冬に暖房のない所に置くなど、劣悪な状況のところもあります。これでは住民に適正飼養を指導することはできません。収容事情は一般家庭と異なることから、自治体を対象にした収容基準を定め、収容動物にとって快適な環境にすべきです。ひいては、それが収容動物の健康、そして譲渡数の増加につながるはずです。
その他の改正
- 第10条の次の除外規定を削除する
(哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するものに限り、畜産農業に係るもの及び試験研究用又は生物学的製剤の製造の用その他政令で定める用途に供するために飼養し、又は保管しているものを除く。以下この節から第四節までにおいて同じ。) - 動物の飼育者に対し、対人事故を起こした場合の報告を義務化する
- 8週齢規制について日本犬6種の附則を削除
対象動物種・対象業種の拡大には、この除外規定の削除は不可欠です。
また、この除外規定は、「第四節 周辺の生活環境の保全等に係る措置」(第25条)にまでかかっています。それにより、畜産動物や実験動物が不衛生な環境で飼育され周辺の生活環境が損なわれている事態や衰弱する等の虐待を受けるおそれがある事態であっても、勧告等が行えない状態にあります。(詳しくはこちらの記事を参照)
茨城県畜産センターの劣悪な実験動物の取扱いをPETAアジアが暴露目次茨城県畜産センターは、県が設置する、いわゆる畜産試験場です。ここでの牛の取り扱い方法が暴力的で、劣悪であることをPETAアジアが動[…]
また、現在は各自治体が条例で飼育者に対し対人事故の報告を求めていますが(多くは犬と特定動物のみ、すべての動物は4都県、詳しくはこちらの記事を参照)、事故の状況や傾向を把握するため、法律で義務化するべきです。
動物の展示や触れ合いサービス等で起きた対人事故についてまとめたページがなかったので、新たに「幽閉された動物たちによる対人事故」のページをつくりました。関連するページは、ここからたどれるようにしていきます。[sitecard subt[…]
8週齢規制について日本犬6種を除外する附則は前回改正の課題として残された問題であり、この特例を継続する正当な理由は見当たらないことから、削除すべきです。
まだまだ課題はあると思います。逐次追加等していく予定ですので、ご意見などお寄せください。
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改正成立までの流れや私たちのアクションについてはこちらをご覧ください2019年通常国会で成立した改正法について、詳細を追加していきます。今回の法改正では、施行は3段階に分かれています。施行日は政令で定めるとされており、追[…]