須磨海浜水族園再整備計画にノーを!(2) STOPシャチショー&イルカショー、ふれあい 神戸市会への陳情および意見陳述

2024年(令和6年)開業で予定されている神戸市立須磨海浜水族園のリニューアルでは、イルカショーの施設だけでなく、シャチの導入や、ホテル併設のイルカふれあいプールなどが予定されています。

PEACEは、これらの計画に反対する陳情書を神戸市会(神戸市の市議会)に提出しました。

また、陳情者として、2019年(令和元年)11月28日、神戸市会の経済港湾委員会で意見陳述も行いました。この日の関連会議録抜粋はこちらになります。

神戸市会への陳情書

2019年11月19日

神戸市会議長 殿

〔陳情者〕
〒 170-6001 東京都豊島区東池袋3-1-1
サンシャイン60 1F MBE510
PEACE 命の搾取ではなく尊厳を

代表 東さちこ
(電話番号:070-5569-7689)

須磨海浜水族園等再整備計画の認定及び協定書締結の中止を求める陳情

 私どもは、現代社会において搾取される一方である動物たちの苦痛や犠牲に社会の目を向けさせ、改善を求めるべく活動する市民グループです。神戸市が須磨海浜水族園の民営化を予定する須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業では、新たにシャチのショー施設、イルカのショー施設及びイルカの触れ合い施設(ホテル併設)の3つを含む水族館等の建設・運営計画を提案した株式会社サンケイビル等7社による「神戸須磨Parks + Resorts共同事業体」が優先交渉権者として選定されていますが、計画は余りにも商業的過ぎ、動物の福祉の観点から見直しを求めます。

野生のシャチやイルカは複雑な群れを形成し、広大な海で毎日100キロを超えるとも言われる長い距離を泳ぎます。しかし飼育下では、例えるなら人間が風呂場に閉じ込められて生活する程度の大きさでしかない水槽で、延々と円を描いて泳ぐことしかできず、死んだ魚を与えられます。採食行動を含め、様々な自然な行動を選択しながら生きる機会が完全に奪われていることは、動物福祉上の最大の問題点です。鯨類の高い認知知能は、野生を群れで生き抜くために獲得された形質であり、無意味かつ不自然な芸をさせられるためにあるわけではありません。ショーや不自然な飼育は、野生動物への無理解を人々に植え付け続けてしまい、教育的ではなく、批判される方向にあります。

飼育下の鯨類では、そのストレスの高さから胃炎を患うなど身体への影響も知られており、多くが野生下の平均寿命よりずっと早く死んでいきます。飼育下繁殖も難しく、ハンドウイルカでは子の生存率は2割に達しないと言われます。そのため、日本では毎年和歌山県太地町で捕獲される野生イルカの水族館導入が続いており、国際的にも批判を浴びています。これは、死なせては捕獲し、野生動物を消費し続けることを容認する水族館産業全体に対する批判でもあります。

鯨類は全ての種がワシントン条約対象種であり、特にシャチの捕獲についてはイルカより更に強い批判が想定されます。鯨類の飼育は持続可能なものではなく、多くの国が鯨類の飼育を禁じるか禁じる方向に進んでおり、アメリカでは、飼育下のシャチにより飼育員が死亡した事件から水族館の負の側面を描いたドキュメンタリー映画「ブラックフィッシュ」により、シーワールドが繁殖とショーの中止の判断を余儀なくされるということもありました。新水族館が開館する令和6年では、日本でも意識が変化している可能性があります。

新計画は国際都市神戸にふさわしくなく、ついては、貴議会において、シャチ・イルカの新施設建造・運営計画を市が認定しないよう、また、この計画のまま協定書を締結しないよう、決定を行ってください。何卒よろしくお願い申し上げます。

神戸市会経済港湾委員会意見陳述

2年間は動画で見ることができましたが、現在は議事録の公開のみになっています。

【意見陳述部分抜粋】

東京都豊島区に住所を置きます動物保護団体PEACEの代表をしております東さちこと申します。本日はこのような場を与えてくださり,まことにありがとうございます。陳情書に書きましたとおり,現在検討されている須磨海浜水族園等の再整備について,シャチ及びイルカの新施設建設を行わないことを求め,意見を述べさせていただきます。

大変個人的なことになりますけれども,私は実家が神戸市内にあり,およそ30年前,海生哺乳類を閉じ込めて飼育することがこんなにも残酷なことなのかと初めて知ったのが,この須磨海浜水族園でのことでした。

当時,イルカ2頭が入れられたショープールとは別の小さな水槽が公開されており,一方がもう一方をぐるぐると追いかけていました。追われているほうは一息つきたそうなのですが,しつこく追ってくる相手から必死に逃げざるを得ません。いつ終わるのかわからない逃げ場のなさに絶望的な気持ちになりました。この経験は私の活動の原点の1つです。

水槽は大きくしたとしても,大海原を生きるイルカや,ましてそれより体の大きいシャチにとって余りに小さ過ぎます。650万人のメンバーがいる世界最大の動物権利団体PETAのアジア支部も,現在この神戸市の計画に反対するアクションを呼びかけており,イルカやシャチは水族館では自然な行動をする機会が完全に奪われていると訴えています。

日本と中国ではイルカの商業利用が下火になりませんが,世界では飼育を法律で禁止した国も多く,規制が厳しく実質飼育できない国もたくさんあります。近年では,自然の海の一部を保護区域とし,そこにショーなどから引退させたイルカを放すサンクチュアリーの計画も各地で進められています。捕らわれた動物を自然に戻すという方向にあります。

周囲を海に囲われた日本で,わざわざイルカを閉じ込め,ショーで不自然な姿を見せるのもおかしな話ですが,商業ベースで誤った教育がなされており,マスメディアもこれに加担してきました。

しかし,その日本でも2015年,動物園水族館協会が追い込み漁により捕獲された野生イルカの導入禁止を決定いたしました。国際社会からの要請を日本も避けて通ることはできません。これはシャチやイルカが頭がいいからという単純な話ではなく,動物に対しては,それぞれの能力や社会性に応じた配慮が必要であり,シャチやイルカを適正に飼うことは不可能だという科学的判断が支持されているのです。

インターネットで情報が拡散する今,国内の意識も変化を見せつつあります。再整備計画については,入場料が高いことが取り沙汰されていますが,生き物を飼育するにはお金や人手がかかります。利用者が相応の負担をすることは当然のことと考えますが,価格を下げたいのであれば,計画の規模を大幅縮小するしかないでしょう。

水族館での飼育管理は水質・水温の維持を初め,エネルギー消費型となっており,エコではありません。個体数維持の点でも持続可能ではありません。特にシャチについては個体数が少なく,近親交配に陥るのは明らかである上に,野生からの捕獲は許されないものです。

先日,イルカやシャチをデジタルで投影し,交流もできるライトアニマルという展示を見てきました。すばらしいものでした。これからは,むしろ生き物に負担をかけず,エネルギー消費量も少なく,より学べ楽しめるこういったバーチャル展示を取り入れるべきではないでしょうか。

どうか国際的にも恥ずかしいと感じる旧態依然の見せ物計画を市が認定しないよう,またこの計画のまま協定書を締結しないよう市会として決定してください。よろしくお願いいたします。

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